第9回 駆引
織田信長の死から始まった
東国の覇権争い。
北条と徳川がついに激突する。
その裏で、
昌幸は誰も想像しない形での
決着を狙っていた。
タイトルとしてはdiplomacyもありえます。真田昌幸を驚愕させた北条と徳川の和睦を考えるとこちらの方が良かったのかもしれませんが、ここは敢えて主人公の献策が功を奏した「戦術」の駆け引きをとりました。
さて日本語としては、最初のような体言止めはアリなのでしょうが、英語にしにくい表現です。意訳も甚だしいのですが、「信長の突然の死が引き金となって、政情がとりわけ東国で不安定になった」としました。続けて、「その結果起こった覇権争いは、とうとう徳川と北条という二つの有力な勢力の激突を引き起こした」と続けます。
ここで、東国について。
単にTOGOKUでも良いのですが、これだとKAIやSHINANOというそれぞれの分国と区別が難しいことになります。東国という地域のくくりは、今の東日本とも異なる中世独特の概念と考え、古めかしく響く(と勝手に考えた)ラテン語でTERRA ORIENTISとしました。「吾妻の地」という感じでしょうか。
後半は、そのまま戦いの決着とすると、昌幸は戦を終わらせることを目論んだという表現にしか行き着かなかったので、「抗争が真田に有利に終わるように導く」とこれまた意訳をしました。
何かおかしな所があればご指摘下さい。