介護環境快適化講座 -34ページ目

03.もう多床室はつくらない

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


1989年、高齢社会に向けた「ゴールドプラン」が制定され、当時の厚生省は補助金により施設建設を推進してきました。


当時の政策は「まず数の充足が大切」ということで、4床室での施設整備を優先していました。


そのため、現在でも4床室の介護施設が多数運営されている状況となっています。


4床室が当たり前、の環境で介護をされている方は、個室について色々と問題があると感じているようです。


・見守りが大変
・個室は寂しい
・4床室ならお互いの状況が確認できる


しかし、これらは大きな誤解であることが調査により確かめられています。


4床室の同じ室内で暮らす方々は利害関係があり、実は室内でのコミュニケーションはほとんど行われていません。


そのため、居室を出て他の部屋の方と仲良くなるのです。


自分が一人になれるプライベート空間、自分の拠点があって初めて他の方との関わりが持てる訳ですね。


見守りに関しても、4床室であっても家具やカーテンなどでプライバシーが守られている状況だとそれなりに時間はかかるはず。


個室とそれほど大きな時間の差があるとは思えません。


むしろ、お互いの気配を常に意識しながら暮らすことを強要していることを大きな問題と捉えるべきです。


「一人で寝るのは不安」という方もいると思います。


その場合には、職員スペースの近くに横になれるコーナーを設けるなどの方法を取るのが良い解決法ではないでしょうか。


今後は小さな頃は雑魚寝で育った、という世代から段々と個室が当たり前の世代が利用するようになってきます。


今から多床室をつくろうとするのは、完全に時代に逆行しているとしか考えられませんね。


「個室は高くて人気がない」という話しも聞きます。


特別養護老人ホームを例にとると、個室でも4床室でも一人当たりの居室の面積基準は10.65平米で同じです。


個室ですと、扉や洗面などを個別に設けますから建設費はその分高くなりますが、何倍にもなる訳ではありません。


個室の料金が高いのは制度の問題であり、それを理由に個室を否定するのはおかしな話しです。


今後は、個室は当然であり、その個室をよりよい空間にするにはどうしたら良いか、という議論をしたいものですね。


20131217_個室


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>02.緩やかな死角をあえて作る


>01.複数の姿勢がとれるようにしたい



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シニアビジネスマーケット誌に支える椅子掲載されました

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


「シニアビジネスマーケット」という雑誌があります。高齢者介護施設に関する月刊誌です。


有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などが多く紹介されていますね。


サービスを提供している事業者さんはもちろん、これから業界に参入しようとされている方や、施設の開発関係の方にも多く読まれているようです。


こちらの8月号で、入浴の環境についての特集があったときに、インタビュー記事でご協力させていただきました。


介護環境快適化講座-20131211_シニアビジネスマーケット3
>シニアビジネスマーケット 2013年8月号


そのご縁もあって、編集者さんが「支える椅子」を紙面で紹介してくださいました。


介護環境快適化講座-20131211_シニアビジネスマーケット1
>シニアビジネスマーケット 2013年12月号


特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスなどに加え、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でも支える椅子を使っていただけると嬉しいですね。


介護環境快適化講座-20131211_シニアビジネスマーケット2
このように掲載していただきました。会社名が前株になってしまっているのだけが残念!


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ショートステイで地域を支える

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


昨日は縁あって神奈川県相模原の施設を見学させていただきました。


見学させていただいたのは、今月オープンした「ずっと我が家 上溝本町」という施設です。


運営しているのは、社会福祉法人上溝緑寿会さん。相模原市上溝で特別養護老人ホームとケアハウスを運営されています。


上溝緑寿会さんは、来年で法人設立20周年を迎えられます。


それをきっかけに、地域でどんな役割を果たすべきなのかを職員さん全員で考え、スタートしたのが「ずっと我が家プロジェクト」です。


このプロジェクトは、支援が必要になっても「自分の居場所、自分が主役と実感できる場所がある」ことを目指すというもの。


この考えを実現する為に法人さんが選択したのは、ショートステイの施設を設けることでした。


元々運営していたデイサービス、ホームヘルプサービスと新設のショートステイにより、地域での暮らしを支えていこうという訳です。


さらに日頃から地域の方々のふれあいの場となるよう、広場を設け商店街の朝市などが行われる予定です。


ショートステイ単独の施設の建設には補助金はつきません。それでもやはり必要なのはショートステイだということで建設に踏み切ったそうです。


建物は、自宅にいるような居心地、施設っぽさを極力排除しています。


建設地に元々建っていた建物の古い材料を活かしたり、地域にちなんだ様々な品々が置かれています。


オープン前にケアマネさんに施設の趣旨を説明してもなかなか理解してもらえなかったとのこと。


しかし、内覧会に来て建物を見てもらいながら説明すると「なるほど、こういうことだったのですね」と理解してもらえたそうです。


「ここならショートステイに拒否がある方でも大丈夫そう」という意見もあったとか。


今後、地域にとって心強い存在になれそうな場だなと感じた次第です。


見学させていただいた際の様子をご紹介します。


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住宅を意識した外観。建物は耐火木造建築です。


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エントランスホールでは、コンビニ、ヤクルトなどの販売を定期的に行うそうです。左のベンチは、元々建っていた建物の式台を再利用したもの。上のクッションも、ケアハウスの入居者さんの手作りです。


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こちらの図書コーナーは、敷地内にあった建物で所有されていた古い本の復刻本が中心となっています。


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こちらは近隣の方が作成し、飾ってくださったというアート。この建物の建設にあたり、近隣に声をかけたところこのような物が多数集まったそうです。スタート前から地域に愛されている場所である事がうかがえます。


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こちらはショートステイの居室。壁には地域の風景の写真と掲示板が設けらrています。掲示板には行事の予定がカレンダーと、利用者さんのその日の予定が書き込まれています。ここを利用される方の不安を少しでも取り除こうという配慮ですね。


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反対側の壁には洋服掛けがあります。あえて家具に収納せず、見えるようにすることで自分の居場所だと感じ安心できるような配慮です。


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居室ドアの上には時計があります。今の時間が意識できるよう、目線が多くいく扉の上に時計を設けています。


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通りに面した場所に設けられている広場。今週末にはここで地域の商店街の朝市が開かれるそうです。地域とのつながりを広げて行くために非常に良い場所です。


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元々敷地にあった大きな桜の木。春になるのがたのしみです。他にも敷地内にあった木々が多数植えられており、散歩を楽しむのにも非常に良い場所になっています。


こちらのサイトに、このプロジェクトの内容や考え方、ここで過ごす方々を想定したストーリー等がまとめっています。


>ずっと我が家 特設サイト


ご興味のある方、ぜひ読んでみてください。



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