介護環境快適化講座 -31ページ目

05.くつを脱いでくつろぎたい

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


お年寄りが入居している施設は、そこで過ごしている方にとっては「住まい」ですよね。


自分の自宅と感じられるかどうかは別として、現在の住まいがその介護施設である事は間違いありません。


では皆さんが自宅で過ごす時はどのような姿で過ごしていらっしゃるでしょうか。


今日は特に足元に注目してみます。


靴下でしょうか、裸足でしょうか、それともスリッパなどでしょうか?


少なくともいわゆる「靴」を履いている方は少ないでしょう。


日本は畳の文化の国、玄関で靴を脱いで室内に入るのが当たり前です。


(そういえば、昔は外国人が靴のまま家に入ってしまうというコメディーの映像やまんがなどがありましたね...)


日本の介護施設の多くは入口で靴を脱ぎます。でも室内では靴の形状をした上履きを履いていることが多いと思います。


靴を履いていたら、多くの日本人はくつろげない…でも今の施設では靴を履いて過ごしているのです。


住まいと感じられるには靴を脱いでくつろぐ事が必要、であれば靴を脱いでしまえばよいのですが、それが出来ない訳です。


なぜなのでしょうか?
その理由を考えてみましょう。



<床の素材が靴が必要な物になっている>


普通の家の床はどんな素材でしょうか?


最近多いのはフローリングですね。昔なら畳か板張りです。


しかし今の施設で圧倒的に多いのは「長尺シート」と言われる樹脂素材の床材です。


コンクリートに長尺を敷いた床は、固く冷たくて素足で歩く気にはなれないですね。


素足やスリッパなどで過ごすには不向きな素材になっていることが、靴を必要とする一因になっているのです。


<移動距離の問題>


移動する距離が長いと履き物が欲しくなります。


学校や大病院のような施設の室内を裸足で移動する事は想像できないですよね。


普段長い距離を歩くのは屋外が多いですが、その際には足の負担を和らげるように自分に合った靴を履きます。


室内であっても、長い距離を歩くときは足に負担がかかるので履き物が欲しくなる訳です。


しかし、自宅のような限られた移動距離であれば靴は不要です。


介護施設でも、自室・食事のスペース・トイレなどの移動を短い距離にできれば、靴が必要とは感じないはずです。


大規模な施設であっても生活単位をいくつかに区切る事によって靴を必要と感じない空間にできるはずです。


<汚れの問題>


歩いていて、足の裏が汚れるのは誰でも不快です。


自宅を裸足で歩いているときは、足の裏が汚れるなんて考えませんし実際あまり汚れる事はないと思います。


でも、裸足で歩いていて足の裏が真っ黒になったり、ご飯の食べこぼしが足の裏につくような場所では履き物を履きたいと感じるでしょう。


ほとんどのお宅で、トイレにはスリッパがあると思います。どんなに床をきれいにしている家でも置いていますね。


これは「トイレの床=汚い」という気持ちがあるので、裸足では入りにくいからなのだと思います。


床が清潔で心地よく歩ける事も、靴を不要とするためには必要な条件になるのです。


******


いかがでしたでしょうか。


日本人がくつろぐ為の条件である「靴」の問題、施設の計画の際には素足でくつろげる空間を目指してくださいね。


20140106_床材
感触の良い本物の木を使った床。素足で歩くことに抵抗を感じません。


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東中野キングス・ガーデン現場の様子です

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


先月もご紹介した「(仮称)東中野キングス・ガーデン」の現場、12月の状況をご報告しますね。


元々区立の古い保育園が建っており、その取り壊し工事を行っておりましたが、基礎部分の撤去もほぼ完了しました。


来月に入ってから周囲の塀を取り壊し、1月16日には起工式を行う予定です。


現場の様子を写真でご紹介します。(後半3点の写真提供:今西組)


20131228_東中野1

12月中旬の状況。基礎を掘り起こしています。


20131228_東中野2

基礎部分の解体は、なるべく音や振動が少ない工法を行う事ことにしました。


20131228_東中野3

元の保育園のものではない地下の構造物が見つかりました。保育園を建設する以前に建っていた建物の物と思われますが、無事撤去できました。


20131228_東中野4

上から見た様子。12月中旬の様子です。


20131228_東中野5

クリスマスの頃。かなり撤去が進みました。


20131228_東中野6

現在の状況。建物の撤去はほぼ終了し、周囲の塀を残すのみです。


新しい建物についての打合せも、実際に勤務されるリーダーの皆さんが決まってスタートしました。快適で使いやすい建築となるよう、努力して参ります!


関連記事

>東中野キングス・ガーデン 現場の様子です

>東中野キングス・ガーデン現場進捗報告です!


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支える椅子が向かない方は?

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


昨日は福島県喜多方市の老健「パステルヴィレッジ小野」で副施設長を務めていらっしゃる作業療法士の武藤さんのレポートをご紹介しました。


車いすから支える椅子に座り替えることで劇的に姿勢が改善した例をご紹介したのですが、実は続きがあります。


支える椅子が向かなかった方に関するレポートです。以下にレポートの内容をそのまま書かせてもらいます。


******

三人目の方です。

20131227_PV小野1


この方は円背が強く、仙骨座りでいつも車椅子に座られている方です。

この利用者様に「支える椅子」に座っていただくと・・・


20131227_PV小野2

「!!!!!」

なんということでしょうか。仙骨座りはほとんど無くなりましたが、円背のせいで下しか見れなくなってしまいました(汗)

「支える椅子」のチカラはスゴいです。どうやら、過度の円背の方に座って過ごしていただくのは難しいことが分かりました。

今回、「支える椅子」を試させていただいて分かったことは、ほとんどの利用者様において座位姿勢の変化を確認することが出来ました。

私自身、事務作業に疲れてくると仙骨座りになってしまうのですが、数日「支える椅子」で仕事をしましたが、姿勢を変えることなく長時間快適に座っていられました。

座った瞬間に「スッ」と適正なポジションが決まる感覚は、他の椅子では味わえないものです。

ただ、三人目の利用者様のように過度の円背の方には適合しない場合はあるように思いますので、対象者をしっかり評価する必要性を感じました。


*****

いかがでしたでしょうか。


武藤さんのレポートにありました通り、ご使用いただく前のアセスメントが重要だと感じます。


普段背中が丸まっていても、適切なサポートがあれば背を伸ばす事ができる方ですと、支える椅子はとても効果を発揮します。


しかし、圧迫骨折などによる背骨の変形によって円背になっている方は手術等行わない限り基本は猫背状態のままですので、支える椅子でも姿勢良く座っていただくのは難しいです。


支える椅子は、仙骨座りになるのを防ぐ為に座面を工夫してお尻が前に滑り出さないようにしています。


この位置に背骨の変形がある方を座らせてしまうと、今日ご紹介したようなことが起きてしまうのです。


このような方の場合は、椅子に浅く座って顔がもう少し上を向くように姿勢を調整する必要があります。


座る位置が円背のない方と異なりますので、座面の奥行きを少し大きくとり椅子がお尻をサポートする位置を変える必要があるわけです。


現時点ではこのような方をサポートする機能を持ち合わせていませんが、将来の開発課題として良いヒントをいただいたなと思っています。


今日の内容は、支える椅子の欠点をお知らせするような内容ですのでアップする事に少しだけ迷いがありました。


しかし、真実をお伝えすることが椅子を正しくご理解いただくために必要なことだと思いましたので、アップした次第です。


皆様のご施設でもこの椅子が向く方は多いはずです。ぜひ一度使ってみてください。


>支える椅子 紹介サイト



関連記事

>支える椅子でこんなに変わります



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