私の欠片 -15ページ目

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ゆかりちゃんは

『そと。そと。』

と私と茜に言った。

どうやら外へ行きたいみたいだ。

私はこの家にいる方がジュースやお菓子があるのであまり出たくなかった。

そして潜在的に近くの公園にはたとえ誰が一緒でも絶対に行きたくなかった。

私は"嫌だ"と言う意思表示をしたがゆかりちゃんはそれでも

『そと。そと。』

と言った。

茜もそれに便乗し
『外で遊びたい』
と言い出した。

私は本当に嫌で頑なに断ったがそれでも二人は曲げない。

仕方なく公園から反対方向の大きな川沿いのグランドへ行くこととなった。

そして家を出ようとして私と茜が靴を履いた。

ゆかりちゃんは靴を指差し履かせて欲しいの意思表示をした。

その靴も凄い可愛い靴だった。

言葉で表現するのはとても難しい事だがビニールっぽい材質でスケルトン。
網状になっているサンダルの様なピンク色の靴だった。

ゆかりちゃんに靴を履かせヤ◯ザのおじさんに行き先を告げた。

ヤ◯ザのおじさんは
『川には絶対に入っては駄目だよ。』

と何度も言い送り出した。

24

保育園卒園前の出来事。

私は久し振りに篠井の家に預けられた。

その日はたまたまいとこの茜も預けられていた。
(剛は何故かは分からないがいなかった。)

私は篠井の家に行くのも久し振りだがゆかりちゃんにも凄く会いたくなり(17参照)会えるかは分からなかったが茜を誘って隣の家に行った。

茜は隣の家には行ったことがなかった。

ヤ◯ザのおじさんはニコニコして、ゆかりちゃんはもうすぐこの家に来るからと言い私と茜にジュースとお菓子を振る舞った。

茜はヤ◯ザのおじさんを初めて見ただけあって少し怖がっていた。

二人でヤ◯ザのおじさんの家で待っているとゆかりちゃんがやって来た。

暫く会っていないだけあって前以上に喋れるようになっていた。
(単語がかなり言えるようになり意思の疎通が前以上に出来るようになっていた。)

その日ゆかりちゃんはフワフワした様な洋服を来て着ていた。

ゆかりちゃんは自分の服を指差しながら
『キレイ。キレイ。』
と私と茜に見せびらかしていた。

私と茜は
『うん。可愛いね。』
と言った。

ゆかりちゃんは上機嫌だった。

23

母は隣の市で働いていた。(妹尾市)
母がが勤めていた場所には私と同じ歳の子を持つ母親が二人いた。

名前は加藤さんと島川さん。
母も自然と加藤さん・島川さんと仲良くなり、時々私を連れて加藤さん・島川さんの家に遊びに行った。

加藤さん・島川さんの家は篠井の祖父母と同じ街(妹尾市)ではあったが祖父母の家とはかなりの距離がある。

加藤さん・島川さんは団地の人だ。

加藤さんは103号室。
島川さんは忘れてしまったが三階らへんに住んでいた。

加藤さんの子供は瑞江(みずえ)島川さんの子供は里枝(りえ)だ。

私は特に瑞江とは仲が良かった。
親友と呼ぶにはまだ幼過ぎるかもしれないが。

里枝は瑞江と私が仲の良い事をあまり心良くは思わなかったみたいだ。

私も里枝が苦手だった。

根本的な理由は分からないが。

いつの間にか里枝と瑞江を取り合いする事もあった。



そんな感じで団地や仁美さんの家に行く事が多くなり篠井の家の隣のゆかりちゃんとは、なかなか会えなくなっていた。