【極上の相場格言】― カネがなくても知恵がある!― -2ページ目

…相場格言…「さあ来いと富士を背中に相場道」(清水の次郎長)

…相場格言…

「さあ来いと富士を背中に相場道」(清水の次郎長)


kabutoto89333 これまで次郎長の相場の張り方は、典型的な博徒張りと考えられてきたが、港湾の需給に精通し、さらに東海道に張りめぐらされた情報網、政財界のインサイダー。これらを考えると、どちらかといえば海洋商人型の相場師に近いのではないだろうか。たしかに悪がき時代の相場は荒っぽい。しかし養家から百両持ち逃げし、それを資金に米相場で巨利を博したのが天保五年(1834)。俗にいう天保飢饉の米買い占めだが。15歳でこれだけの大相場を張れた器量は天性なのか。いずれにせよ、数ある博徒のなかで、次郎長が74年の天寿を全うできたのは、彼が単なる渡世人でなかったからだ。青年期に通りがかった僧から二十五歳までの命といわれ、極道に拍車がかかったわけだが、同時に相場道も磨きをかけたのか。。。

2006年6月1日よりNHK木曜時代劇で放映開始。喧嘩、博打、女遊び、そして相場!命知らずの男たちが時代を駆け巡る。森の石松、大政、小政ら次郎長一家オールキャストで臨む山本版・清水の次郎長。仇敵・保下田の久六や都鳥一家を討ち果たし、荒神山で黒駒の勝蔵と雌雄を決するまでの活躍を描く痛快時代劇!「渡世人の値打ちは相場の張り方で決まる!」なんてね。

山本 一力
背負い富士

…相場格言…「売るべし、買うべし、休むべし」(田附政次郎)

…相場格言…

「売るべし、買うべし、休むべし」(田附政次郎)


「予は断じて幸運を信ぜず、成果はすべて研究と努力の賜物である。売るべし買うべし、休むべし」がこの格言の原文。欧州大戦期の狂乱相場における売りと買いの快進撃!さらに三品市場を買い、現物市場を売り叩く相場巧者ぶり。その動きの速さと巧妙な相場捌きから生まれたのがこの格言。

相場は「売」「買」の二筋にあらず「休む」を加えた三筋道なり。なかでも田附が強調したのが休むことの大切さ。思惑がはずれたとき撤収するのはもちろんのこと、おおきく儲けたあとも一波動おわった直後なので、つぎの波動が来るまで休まなければいけません。激しい商いがつづくと相場は疲労困憊し休養を欲する。そこで相場が休養するまえに一足先に戦線から離脱する。休むだけで儲かるのですからこれほどわかりやすい必勝法はない。というわけ。
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◆「休むも相場」(相場格言)
◆「売りよし、買いよし、相場は常にあり。算盤は定木なり、人気は時の花」(相場格言)
◆「相場は売り買い休みの三筋道」(相場格言)

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「で、駿河屋さんはどうしました?」                                                                               「わしか、わしは気迷いだから休んでいる。相場には売りと買いのほかに休むという手がある。休むも手だよ。」老人は悠々としている。鳴くまで待とうほととぎすだ。しかし平八は鳴くまで待っていられないのだ。毎日の宿費も掛かるし、うかうかしていると食いつぶしてしまう。(沙羅双樹『実録・投機師 天下の糸平』より)                                             ←は「天下の糸平」こと田中平八。さすが男侠で横浜相場師を束ねただけあって、いい顔してます。下は没後、伊藤博文が書いた畳十二畳もある糸平の巨碑。



kabutoIM000003 田中平八(たなか・へいはち): 天保5(1834)年、現在の長野県駒ケ根市赤穂に生まれる。安政5(1858)年頃から信州と横浜の間を往復、生糸や藍玉の商売を始める。文久3(1863)年、四日市で茶を積んで横浜に向かう途中、難破して全財産を失った。慶応元(1865)年、横浜で「糸屋」を開業。生糸・為替相場で巨利を博し、「糸屋の平八」略して「糸平」と呼ばれるようになり、自らも「天下の糸平」と豪語した。明治5(1872)年、横浜金穀相場会所の設立とともに頭取となり、同9年に東京に出て田中組(後の田中銀行)を創立、同11年東京株式取引所の設立と同時に大株主となる。同16年、東京米商会所(後の東京米穀取引所、現在の東京穀物商品取引所)の初代頭取に就任。肺を患い熱海に療養中、私財を投じて水道・電話線を架設する。同17年、50歳、横浜で没。

…相場格言…「米商いは上げ下げ二つより出て、心の道の多きこと糸筋の如し」(本間宗久)

…相場格言…

「米商いは上げ下げ二つより出て、心の道のおおきこと糸筋の如し」(本間宗久)


17世紀、オランダ人のデ・ラ・ベガは『大混乱』という本のなかで「哲学はものごとに因果関係があるというが、株式市場はニュースによって買う人もいれば売る人もいて、ひとつの原因がさまざまな結果をもたらす」と記しています。宗久のいう“糸筋”とはこのとき生じる迷いのこと。宗久もベガと同様に相場は上がるか下がるかなのに惑わすものが多すぎると記します。時代は変われど相場の厳しさはいつの時代もおなじ。相場の駆引きや工夫がひとつ、ひとつが糸筋となって流れている様が伝わってくる一節です。

…相場格言…「売れば二上がり、買えば三下がる、切ってしまえば本調子」(相場格言)

…相場格言…

「売れば二上がり、買えば三下がる、切ってしまえば本調子」(相場格言)


相場は自分の期待を嘲笑うかのごとくよく曲がります。「考えの裏が本街道」ということで、思っていることの反対を張ればよいのですが、いくら器用な人でも自分にウソはつけません。この「切ってしまえば」とは、こうしたスランプの脱出法で、一刻もはやく相場から離れることで仕切り直しするべきだと諭します。いつも自分の希望通りの売り場や買い場があるとはかぎりません。相場と「間」をおくこと、押してもダメなら退いてみな。これもひとつの戦術です。

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◆「考えの裏が本街道」(相場格言)

◆「意地を張らずに相場を張れ」(相場格言)

◆「素早く損切りするという哲学は大衆には理解されにくい」(ウイリアム・オニール)

◆「意地商いは破滅の因」(本間宗久)

…相場格言…「天井三日、底百日」(相場格言)

…相場格言…

「天井三日、底百日」(相場格言)


文言どおりに解釈すれば相場は高値圏にある期間がいかに短く、そのほとんどが安値圏に張りついた状態にあることを示しています。そもそも三という数字は相場のみならず物事の完成や節目の意味があり、つづく四で新たな転換や分散にむかうといわれます。

山崎種二の「天井三日、底三年」などもこの考えにそったもので、相場の流れが変われば銘柄の傾向もガラリと変わってしまいます。変動の大きさで狙うのならば仕掛けは「天井三日」に駆け上がる直前に仕込むのがもっとも確実な方法。種二はこの駆け上がりをとる名人でした。
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◆「天井三日、底三年」(山崎種二)

◆「小回り三月、大回り三年」(相場格言)

◆「登り百日、下げ十日」(相場格言)

…相場格言…「仕手につくのは最初だけ」(相場格言)

…相場格言…

「仕手につくのは最初だけ」(相場格言)


仕手の手口は巧妙で、玉集めの段階を見抜くことは困難ですが、この格言は買い上がり初期に飛びつき急騰中に売り抜けることをすすめます。仕手戦のクライマックスは提灯が売り抜けてしまうので、追随した投資家たちはハシゴを外され大怪我をします。仕手戦は本尊が提灯の骨組みを組むところから始まっています。高値飛び乗り、飛び降りはワンセットが原則。仕手株で儲けるためには、銘柄選択に始まり利食いにいたる激しい売買に耐えられるテクニックを会得しておく必要があります。

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◆「仕手は相場の華」(相場格言)

◆「出端人気に乗じ、行過ぎ人気に逆らへ」(相場格言)

◆「誉められる、仕手は全盛の極みなり、人より先に提灯を消せ」(近世いろは相場金言)

◆「提灯は早乗り、早降り」(相場格言)

…相場格言…「材料は潜むが花」(相場格言)

…相場格言…

「材料は潜むが花」(相場格言)

相場の「仕手」は能の主役を意味する「シテ」が語源といわれ、能の幽玄美を極めた世阿弥の『風姿花伝』には「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」とあります。これは観客が予想もしないことを仕掛けて圧倒する能の極意。この「材料は潜むが花」にも同様の意味があります。
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◆「世の人は材料を過大視する傾向にあり」(リカード)

◆「相場は材料三分に人気七分」(相場格言)

◆「採算は実。人気は花」(山崎種二)

◆「相場は材料三分に人気七分」(相場格言)

◆「材料向かいは相場の定石」(相場格言)

…相場格言…「前科者ほどよく上がる」(相場格言)

…相場格言…

「前科者ほどよく上がる」(相場格言)


kabuIM000028 仕手にはプロが仕掛けて腕力相場に持ち込むケースと、投資家の思惑のみで仕手化する二種類があります。前科者とは過去に仕手株として世間を騒がせたことがある銘柄のことで、往々にしてこうした銘柄は投資家の未練がとりついているので、これを因果玉といいます。市場にはこれら万年仕手株候補の銘柄がいくつもあり、燻ぶり続けています。これらの銘柄群は針小棒大なシナリオが描きやすく、好材料を匂わせて煽れば、投資家の思惑が再燃し理由もなく人気化することになる。

写真は80年代に一世風靡した“兜町の風雲児”誠備の加藤嵩。
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◆「石が浮かんで、木の葉が沈む」(菊地 寛)

◆「悪貨は良貨を駆逐する」(トーマス・グレシャム)

◆「美人すぎる株は上がりにくい」(相場格言)

◆「人気銘柄の人気倒れ」(相場格言)◆「採算は実。人気は花」(山崎種二)


…相場格言…「追証は唯一確実な助言である」(ウォール街の格言)

…相場格言…

「追証は唯一確実な助言である」(ウォール街の格言)


信用取引が怖いといわれる理由のひとつに追加保証金いわゆる追証があります。ここ数年で信用取引をはじめる投資家が急増し、なかには信用と現物を同時におこなう「二階建て」や限度枠いっぱいの「満玉」を張る人もいます。このような状況で無理に追証を納めても、つぎの一手を打つための資金も必要です。「最初の損は最良の損」という格言が教えるようにそもそもいちど勢いがついた相場でマイナスを埋めることは容易ではありません。
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◆「大事なことは間違えたとき、いかに自分自身をコントロールするかです。人間だれしも間違えはあるのですから」(ピーター・バーンスタイン)

◆「判断を誤ることは正常なことだが、それを修正しないのが異常である」(相場格言)

◆「辛抱が身を亡ぼした引かれ玉」(相場川柳)


…相場格言…「下手な難平、素寒貧」(相場格言)

…相場格言…

「下手な難平、素寒貧」(相場格言)


難平は江戸時代に編み出された売買術で災難を平らにするという意味があります。この手法は利食いと併用する「利食損難平」が本来のやり方で、利益が出ているときはしっかり利食い、損が出たときに安値を買い下がり全体の買いコストを下げます。これは値動きが小刻みな往来相場のときに有効な手法で、激しい下落では、お金を投げ込んでから底なし沼に飛び込むような行為。

難平や押し目買いは、はずれた思惑に対する二次的な処置であり、極意書のなかには、「焦りからでる難平は悪商いである」と記されています。本来ならば切るべきところを張るのですから、その時点で好機を逸していると考えるべきです。
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◆「難平、損平、素寒貧(スカンピン)」(相場格言)

◆「下手な難平怪我のもと」(相場格言)

◆「難平は意地とうぬぼれである」(相場格言)

◆「不利運の節、売り平均買い平均、決してせざるものなり」(本間宗久)