ZBook 14のキーボードをバックライト付きに変更する
HPの14インチモバイルワークステーション・ノートPCは、初代のZBook 14、後継機のZbook 14 G2、現行機種のZBook 14u G4の3機種がある。初代ZBook 14とZBook 14 G2は同一筐体を採用しており、現行機種のZBook 14u G4はサイズ感こそ同じだが、筐体は新設計で互換性はない。(初代)ZBook 14でも性能的な不満はないのだが、唯一気になるのがキーボードにバックライトが非搭載な事。EliteBook Revolve 810 G2がバックライトキーボードだったので、その便利さに慣れてしまうと出先のちょっと暗い場所で使用するときに不便を感じてしまう。
HPのパーツリストを見ても、ZBook 14とZBook 14 G2のキーボードはバックライトの有無の違いもあってパーツNo.は異なるのだが、筐体が同一でマザーボードもCPUとGPUがマイナーチェンジしているだけなので、もしかしたらG2のキーボードに換装すれば、ZBook 14でもバックライト付きキーボードになるかもしれないと思い、交換してみることにした。
HPの場合、法人モデルなら一部のパーツは公式のオンラインパーツショップから買うこともできるのだが、純正と言うかHPの箱入りは高い。そこでAliExpressやeBayでバルク品を探してみると、(おそらく初代用のバックライトの無い)ZBook 14日本語キーボードはあるのだが、バックライトキーボードだと多国語用はあってもなぜかン日本語キーボードだけ見当たらない。たまたまヤフオクで日本語のバックライトキーボードが出品されていて、3000円くらいなので購入してみた……ただし発送は中国からでEMS送料1200円がかかる。
EMSなので4日くらいでキーボードは届いた。早速、交換作業にかかる前に念のため、ZBook 14とZBook 14 G2用のサービスマニュアルで、パーツの構造と手順等を再確認。両方のサービスマニュアルを見比べると、ん?違いがある。ZBook 14 G2のキーボードはマザーボードにつなぐケーブル1本多い。バックライト点灯の電源が必要なので、ケーブルが1本多いはよく考えれば当たり前なのだが、問題は初代ZBook 14のマザーボードにバックライト用のコネクターがあるのかどうか。サービスマニュアルには特にあるような記述はないので、とりあえず作業してみることにした。
ZBook 14のバックライトキーボードはケーブルが1本多いタイプ
ZBook 14のキーボードは、本体底面のバックパネルをロックを解除して外し、バッテリーもロックを解除して外す。次に赤丸で囲んでいるネジを2本外し、四角で囲んでいる部分にマイナスドライバーを差し込んで押し込むとキーボードが外れるらしいのが、これがどうにもうまくいかない。仕方がないので、薄いスクレイバーを本体とキーボードの間に差し込んで、キーボードの周囲にある樹脂製のロックを外していく。
キーボードを取り外したZBook 14の状態。キーボードは2本のケーブルでマザーボードとつながっている。ケーブルはそれほど長くないので、引っ張って切断しないように慎重に手前側に折り返してからコネクターを外す。購入したキーボードにはポイントスティック用のケーブルは付属していないので、そちらは外したキーボードから流用することになる。
こちらがZBook 14に標準装備のキーボードの裏面。キーボード周囲の上下に十数個、左右に2個ずつ本体とのロック用の樹脂製の突起がある。
こちらが今回購入したバックライト付きのキーボードの裏面。ロック用の突起の位置や固定用のネジ穴の位置は当然同じ。赤で囲んだ部分がバックライト用の3本目のケーブルで、上のZBook 14のキーボードには無い。
バックライトキーボードで、バックライトを点灯させるにはマザーボードにも対応するコネクターが必要なので、キーボードを取り外したとこから見えるマザーボードを観察すると、「KB」と書かれたキーボードコネクターの下側にキーボードバックライトを現す「KB-BL」と書かれたコネクターがあった。とりあえずコネクターがあれば使えそうなので、キーボードから出ている3本のケーブルを、それぞれマザーボードの対応する部分に挿したら、キーボードを本体に固定してネジ2本で止める。
キーボードのバックライトが点灯
バッテリーとバックパネルを取り付けたら作業は終了。電源を入れると、キーボードのバックライトが点灯する。バックライトの点灯は何もキーの入力が無いと15秒程度で消えるので無駄にバッテリーを消費する事はない。これで薄暗いところでも作業しやすくなった。
換装したバックライトキーボードのキートップをよく見ると、f11キーにEliteBook Revolve 810 G2と同じキーボードのバックライト調光の刻印がある。試しにfnキー+f11キーを押してみると、キーボードのバックライトの明るさが2段階で変化した。さすがにEliteBook Revolve 810 G2のように環境光センサーを搭載していないので、周囲の明るさに応じて自動点灯や調光はできないが、バックライトが付いて2段階の調光が手動でできるだけでも十分!お薦めの改造です。
ZBook 14にWWANカードを搭載する
ZBook 14のマザーボードには、2.5インチのHDD取り付けスペースと、ハーフサイズのmini PCI-Expressカードスロット、M.2スロットが2基ある。このため、最大3台のストレージデバイスを内蔵できる。ただしM.2スロットのうち1基は、Windowsのキャッシュなどに使うためのものらしく、ストレージの構成によってはSSDを取り付けても使用できない。うちのZBook 14の場合、1TBの2.5インチHDDとM.2 2240の256GB SSDを取り付けているので、ストレージは十分足りている。そこで余っているもう1基のM.2スロットをストレージ以外に使うことにした。
一番上の部分がハーフサイズのmini PCI-Expressカードスロットで、ここには標準でIEEE 802.11 ac 2×2のWi-FiとBLuetooth 4.0に対応する「Intel Dual Band Wireless-AC 7260」が取り付けられている。一番下のM.2スロットはSSDのM.2 2240サイズ専用なのは以前SSDの取り付けで紹介した通り。その間の黒い上にコードが2本あるところもM.2スロットで、ZBookのモデル構成によってはここにキャッシュ用の32GBのSSDが装着されているらしい。
SSD以外でここに取り付けられるものを「HP ZBook 14 Mobile Workstation & EliteBook 840/850 G1 Notebook PC Maintenance and Service Guide」で確認すると、モバイルデータ通信対応のWWANカードが装着できるようなので、さっそくカードを注文してみた。
ZBook 14で使えるWWANカード
HPのPC Maintenance and Service Guideによれば、ZBook 14のM.2スロットに取り付けらるWWANカードは
HP lt4111 LTE/EV-DO/HSPA+ Mobile Broadband Module |
(Spare part number:704030-001)
![]() |
HP lt4112 LTE/HSPA+ Gobi 4G Module
(Spare part number:704031-001)
HP hs3110 HSPA+ Mobile Broadband Module
(Spare part number:723895-001)
の3種類がある。写真を見ても分かるようにHP lt4111はSierraWireless製の「AirPrime EM7355」カード、HP lt4112はHuawei製の「ME906E」カード、HP hs3110はHuawei製の「MU736」カード。この種のWWANカードは汎用品もあるのでamazonやebayから再生パーツ屋さんまで販売しているのだが、HPは相変わらず純正品(または純正相当品)じゃないと、BIOSで弾かれてカードを認識しないっぽい。
このため購入時にはHP純正品と謳っているか、あるいはHPの該当機種で動作確認なり動作保証しているところから買った方がいい。また日本のキャリアの周波数帯に対応していないと、そもそも通信ができないので各カードが対応する周波数バンドもチェックも重要。
今回は商品説明に「LTE: 2100/1900/700(B17)/850/700(B13)MHz、SIM Lockされていないです。フリー・アンロックモデルです。SIMフリー・アンロック版なので、 国内ではdocomo/Softbank/YmobileのSIMカードが利用可能です。」 と書かれいたので、再生屋で税込み4980円の「HP lt4111」を購入した。商品は一番上の写真のように静電気防止の袋にシュリンクされ、固定用のネジ1本と一緒に封入されていた。
HP lt4111 WWANカードの取り付け
WWANカードを取り付ける前に、まずSIMを装着する。Wi-Fiルーターなどと異なり、WWANカードはカード上にSIMスロットがなく、SIMはZBook 本体のSIMスロットに装着する。SIMスロットの位置はバッテリーを外した左上部分で、写真のような感じ装着する。
SIMが正常に装着されると、写真のような感じになる
次にWWANカードを取り付ける。カードは表面にMAIN・GPS・AUXの3つのアンテナ端子がある。
ZBook 14がWWANカード対応モデルの場合、SSDとWi-Fi/Bluetoothカードの間のM.2スロットに2本のアンテナ線があるはずなので、固定している黒いテープを剥がし、アンテナ端子を保護している透明のチューブを抜く。ちなみに赤いコードの方がMAIN端子につなぐコートで、青い方はAUXにつなぐコード。GPSアンテナ用のコードは来ていない。
こんな感じでカードをスロットに挿して、ネジでカードを固定したら、赤と青のコードをWWANカードのMAINとAUX端子に接続する。これでカードとSIMの装着は完了なので、バッテリーと底面カバーを元に戻して、ハードの方の準備は完了!
LTEでつながらない!?
ハードの準備は終わったので、次はソフトウェアの準備。まずHPのサポートページから「Sierra Wireless HP lt4111 Gobi 4Gドライバー」をダウンロードする。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして起動し、(HP lt4111) Mobile Broadband Driver Packageを画面の指示に従ってインストールする。
インストールが終わり、WWANカードを認識すると、設定情報をインストールが始まる。100%になって終了するまで、電源を切ったり再起動しないように注意する。
設定が終わってWWANカードが認識され使用可能状態になると、デバイスマネージャーにこんな感じでWWAN関係のものが見える。
タスクバーのネットワークのところにも携帯ネットワークが選択できるようになり、「JP DOCOMO」みたいな感じでネットワークを掴んだのが確認できる。
ん?「HSDPA」?4GのlTEじゃなくて、3GのHSDPAになってるのは気になるが、次はAPNの設定をする。
まず「コントロールパネル」で「ネットワークとインターネット」を選択する。
次に「ネットワークとインターネット」で「携帯電話」をクリックし、図で③の部分の「詳細オプション」をクリックする。
「詳細オプション」をクリックすると「APN設定」の画面に変わる。APNが何も設定されていないので「インターネットAPN」「LTE APN」共に「使用可能なAPNはありません。APNを追加してください。」になっているので、「APNを追加します」の横の十字のアイコンをクリックする。
するとAPNの登録画面になるので、接続先が分かりやすいプロファイル名を付け、APN以下の部分を契約しているSIMのAPNの情報を入力し、最後に「保存」をクリックする。
「保存」をクリックすると、元の「APN設定」の画面に戻り、「インターネットAPN」「LTE APN」のところに保存したプロファイルが表示される。プロファイルが適用されていない場合は、接続するAPNをクリックし「適用」をクリックする。APNを切り替える場合は、同様の切り替えるAPNをクリックして、次に「適用」を選ぶだけ。
APN情報に問題がなければ、適用すると「ネットワークとインターネット」の「携帯電話」で接続している回線名(ここではJP DOCOMO)の下に「接続済み」と表示される。
タスクバーで通信アイコンをクリックするとポップアップする画面でも「携帯ネットワーク」でドコモの回線につながっているのが確認できる。
ここでWi-Fiのアイコンをクリックすると、Wi-Fiに接続する。図では携帯ネットワークとWi-Fiの両方につながっているが、しばらくすると携帯ネットワークは自動で切断される。
Windows 10の場合、通信はEthernet、Wi-Fi、携帯ネットワークの順番で接続する。つまり携帯ネットワークが自動接続するのは、EthernetもWi-Fiも使えない状態のときだけど、携帯ネットワーク以外の手段でネットワークにつながる場合は携帯ネットワークは自動で接続を切断するので、勝手にWi-FiやEthernerが使える状態では勝手に通信してパケットを消費することはないようになっている。
また「ネットワークとインターネット」の「データ使用状況」をクリックすれば、携帯ネットワークのデータ通信料を確認したり、指定した日付で毎月通信量のカウントをリセットしたり、指定した通信量になったら通信量を抑える設定などもできる。
HP lt4111 WWANカードにはGPSも搭載しているので、ドライバー類が正常にインストールされていれば、デバイスマネージャーで「Sierra Wireless Lovcation Sensor」も認識しているのが確認できる。ただGPSのアンテナ線を接続していないので、実際にGPSのデータを取得はできないっぽい。
LTEでつながらずHSDPAになるのはなぜか?
LTEの通信カードなのにLTEでつながらず、3GのHSDPAになってしまうのはなぜか?HPのノートにこのカードを装着している日本人のブログ等は見つからなかったが、元になっているSierra WirelessのEM7355をDELLやLenovo等のノートPCに装着しているブログやamazonのレビューはいくつかあった。いずれもLTEではつながらずHSDPAになってしまうらしい。
さらにいろいろ調べてみると、どうやらSierra WirelessのEM7355というWWANカードは
LTE BandsB25 (1900)/B5 (850)/B17 (700bc)/B13 (700c)/B4 (AWS)/B2 (1900)
WCDMA/UMTS BandsB1 (2100)/B2 (1900)/B26 (850)/B8 (900)/B4 (1700)
が対応バンドで、再生屋の商品説明あった
WCDMA :2100/1900/800/850/1700 MHz
LTE: 2100/1900/700(B17)/850/700(B13) MHz
というのは誤りらしい。2100MHzのBand 1にLTEは対応していないのでどのキャリアもLTEでは接続できないのは当然のこと。3GのWCDMAの方は3キャリア共Band 1は対応しているはずだが、なぜか掴めるのはドコモだけ。いずれにしてもLTEがBand 1に対応していないなら使い物にならないので、再生屋に返品交渉をしてみる。みなさんも日本ではHP lt4111 (Sierra Wireless EM7355)は、日本ではLTE通信非対応なので購入しないように注意してください!
ZBook 14のHDDを交換する
前回M.2規格のSSDを増設して、M.2のSSDの方にOSとアプリケーションをインストールし、元から搭載していたSamsungの850 EVO 128GBをデータドライブとして使うことにしたが、やはり128GBではデータ保存用としては容量が少なすぎて使い勝手が悪い。そこで2.5インチベイに搭載している850 EVOをもっと大容量のドライブに交換することにした。
ZBook 14は標準構成では500GB HDDを搭載しているので、どうせ交換するならそれと同等の500GBかもっと大容量の1TBとかにしたい。ここで悩むのがSSDにするかHDDにするか。SSDはアクセスは高速で振動等にも強いのだが価格は高い。2.5インチタイプは安くなってきたとは言え、500GBで1万円台後半、1TBなら3万円台半ば前後はする。HDDなら500GBで3000円台後半~、1TBなら6000円前後で購入できる。HPの法人モデルのうち、HDDを搭載できる機種は本体のセンサーや振動や落下を感知するとHDDのヘッドを退避して破損等をある程度防げる「3D DriveGuard」という機能を搭載している。ZBook 14も3D DriveGurad搭載機種なのでHDDでもアクセス速度に目をつぶれば、容量と価格の点からHDDを選択するのも悪くない。
最近はSeagate製の「ST2000LM007」のような7mm厚で2.5インチの2TBの大容量ドライブも登場していて、価格もamazonで1万円弱とかなり安い。ただ最近の薄型大容量HDDはSMR方式で記録するため、従来の方式のHDDと比べてランダムアクセスの性能が低いので、動画とかの編集にはあまり向かない。それに加えて、最近のSeagateのHDDは耐久性の評判が今一つ良くない。そこで容量は1TBの普通の記録方式のHDDを購入することにした。
リファビッシュ品を買ってみる
2.5インチの1TBの普通のHDDならWESTERNDIGITALとその傘下でかつては日立&IBMのHDD事業だったHGST、東芝、Seagateがあり、信頼性ではHGSTが抜きに出ているが1TBで価格は7000円弱とちょっと高い。それ以外はだいたい6000円前後の中で、ちょっと気なるのを見つけた。
東芝の1TB HDD「MQ01ABD100R」のリファビッシュ品だ。最近はパソコン本体と始め、初期不良などでメーカーに返品されたのを再整備して新品同様の保証などを付けて再販するリファビッシュ品が新品より安くて人気だが、HDDのリファビッシュ品もamazonにあった。MQ01ABD100は新品だとamazonで5649円だが、ハードディスク激安市場というマーケットプレイスで販売する業者のMQ01ABD100Rのリファビッシュ品は4770円と新品のバルクより1000円近く安い。どうせバルク品も保証は無いようなものなので冒険がてら買ってみた。
届いた商品は外箱があり、エアパッキンの中にメーカー出荷状態の密封パッケージでHDDが入っているというしっかりした梱包。amazonで販売する業者の中には送料を安くするためにエアパッキンに包んで封筒に入れて発送する業者も多いらしいが、この業者はプライム対応でちゃんと宅配便で届く。外箱もあり、下手なバルク品を激安業者から買うより安心……ただモノがHDDのリファビッシュ品なので耐久性や初期不良が無いかどうかばかりは使ってみないと分からない。
中身のHDDにはラベルにしっかり「Refurbished」とリファビッシュ品である事を示す印刷も併記されていた。
ZBook 14のHDD交換はプラスドライバー1本でできる
ZBook 14のHDD交換はそれほど難しくない。必要なのはプラスのドライバー1本。
まず底面のカバーのロックを外して、底面カバーとバッテリーを取り外す。次に本体左手前の2.5インチベイの写真の赤丸で囲んでいるプラスネジ4本を外す。ネジを外したら、HDDを固定しているフレームごと矢印の方向にずらす。
フレームをずらしてネジの部分が右に移動したら、楕円で囲んでいる部分をつまんで上に引き上げると、HDDを固定したフレームごと本体から取り外せる。
次にフレームの両サイド部分の赤丸で囲んでいる4本のプラスネジを外す。
左右両方合計4本のネジを外すと、フレームからHDDが取り外せるので矢印の方向に引き抜く。これで取り外しは完了。あとは逆の手順で新しいHDDやSSDを取り付ける。
新しいHDDは矢印の方向にフレームに装着する。赤丸で囲んでいる固定のネジ穴がフレームのネジ穴の位置に来るよう調整する。右側のフレームのネジ穴(四角で囲んだ部分)にも同様にネジ穴が来るようにする。
HDDとフレームのネジ穴が重なっているので、さきほど取り外したネジで新しいHDDをフレームに固定する。
フレームを本体に装着するときは、いきなりマザーボードのコネクターにHDDのコネクターを挿さず、まず写真のようにネジを固定する溝の右側にフレームを置いて、左方向にスライドさせてマザーボードのコネクターにHDDのコネクターを挿す。
フレームを左にスライドさせるとHDDのコネクターがマザーボードのコネクターに装着され、赤丸で囲んだ4本のネジが本体のネジ穴の位置に来るので、4本のネジを締めて固定する。あとはバッテリーと装着して、最後に底面のカバーを装着すれば、HDDの交換は完了。
本体側のHDDフレームの固定部分。フレームのネジの部分を■のマークの部分に置いて、右にスライドさせてネジ穴の上に来たところで固定する。外す場合は逆にネジを外した後に左にスライドして■の部分に来たら、フレームごと引き上げて外す。
性能はこのクラスでは標準的
最後にCrystalDiskMarkでベンチマークを計測。シーケンシャルリード・ライト共にSSDよりは1桁低いが、5400rpmでキャッシュ8MBの2.5インチなら標準的な性能。
温度に関しては電源を半日以上点けた状態で動画編集等をしても30度前半で安定していて、40度を超えるようなことはなかった。2年前に購入したWESTERNDIGITALの2.5インチ1TBが40度超えることもあるのに比べると安心できる温度。あとはリファビッシュ品が問題なく長期使えるかどうか……。
なお、EliteBook 840G1や850G1でも同じ手順でHDDの交換ができます。
ZBook 14にSSDを増設
購入したZBook 14は標準仕様の500GB HDDが2.5インチのSamsung製SSD「850 EVO」の128GBに交換されていたのを前回書いた。HDDからSSDに換装されてるのは速度面では有利だが、容量が128GBでは少なすぎる。
そこで1TBのHDDを購入して交換しようと思ったが、ZBook 14のマザーボードにはHDD用の2.5インチのSATA以外にM.2規格のSSDスロットもある。せっかく備わっているものを利用しない手はない。そこでM.2スロットにSSDを増設してOSとソフトウエアをインストールし、2.5インチベイの方はSamsung製の128GB SSDは2.5インチベイにそのまま残してデータ用として利用する。
ちなみに写真でSSDの上にあるWWANスロットはmSATAも兼ねていて、ZBook 14の場合は非SEDのHDD搭載機種だと32GBのmSATAフラッシュメモリ(SSD)をキャッシュ用として搭載できる。このmSATAがキャッシュ用以外でも利用できれば、M.2と2.5インチと合わせてストレージを3台搭載できるのだが、海外の情報を読んでもその辺ははっきりしないのでそのうちさらに調べてみる予定。
M.2スロットに搭載できるのは2242サイズのみ
ZBook 14のSSDスロットはM.2規格なのだが、SSDを固定するネジ受けがコネクタに一番近い側にしか備わっていない。このサイズはM.2 2242と呼ばれる幅22mm・長さ42mmのM.2 SSDモジュール用で、現在一般的な長さ80mmの2280タイプのモジュールは長すぎて装着できない。ネジ穴自体は長さ60mmの位置にも用意されていて、2260タイプのモジュールまでは取り付けられるのだが、このサイズはSSDは発売されているのをほとんど見かけないのと、SSDを固定するネジ受けを自分で加工して取り付ける必要があり、あまり現実的でない。
結局取り付けられるのはM.2 2242のSSDモジュールのみと言うことになる。長さが80mmの2280の面積が半分しかないので当然実装できるチップ数が減るため、amazonなどで見かけるのは最大でも512GBだが2280タイプに比べるとかなり割高。ZBook 14に取り付けられるのは256GBまでと考えた方がいい。
その2242タイプもLenovoのThinkPadなど一部の機種で採用しているが、現在の主流は2280タイプなので発売しているメーカーは少ない。amazonで見るとTranscend、ADATA、KINGSPEC、Ramaxelの4社の製品くらい。今回は256GBで一番安かったKINGSPECという謎のメーカーの256GB SSDを購入した。ちなみに価格は12500円。
メモリチップを実装している側がラベルが貼られていてチップメーカーが不明だが、amazonの製品情報には「Micron Technology 3D MLC Flashチップ」と書かれいる。amazonでこの製品を販売してる安心メディアから購入した場合、3年保証が付くらしい。
取り付けは背面カバーを外してネジ1本で固定するだけ
SSDの取り付けは背面カバーのロックを外して、背面カバーをスライドして外し、さらにバッテリーも外したら
SSDをスロットに装着して、コネクターの反対側をSSDに付属のネジで固定するだけ。特に難しい作業はないので、初心者も5分もかからずに取り付けられる。
価格が安いからか速度はそれなり
SSDが無事認識したので、OSをインストール後、CrystalDiskMarkでSSDのベンチマークを計ってみる。上の結果は最初から取り付けられていた2.5インチベイのSamsung 850 EVO 128GBの結果。
こちらがM.2スロットの取り付けたKINGSPECの256GB SSD。シーケンシャルはリードはSamsung 850 EVOとほぼ同等だが、ライトは30~50%くらい遅い。ランダムはリード・ライト共にSamsung 850 EVOの半分くらいと性能は価格なり。ただこの性能でもHDDよりはかなり高速なので、OSの起動ドライブにするメリットはある。とりあえずしばらくはこれで使ってみて様子見。
ちなみに筐体デザインのベースとなったEliteBook 840 G1はマザーボードデザインが共通(AMD FireProは非搭載)なので、同様の方法でSSDをM.2スロットに増設・交換できる。