亡き母の腕輪 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

突然ですが。
姪っ子(妹の長子)は、わたしが「さんさん録 はこ入り娘の巻」を描いていた時、産まれました。
ちいさな頃から気配りじょうずで、我が一族の人気者だったのです。
小学生の頃は、絵も得意で足も大へん速かったのです。
中学生の頃には、すらりと背が高くなり、ファッション雑誌のモデルに推薦しようかと思ったくらいです。
高校生の今は、学業も大へん優秀なのです!
そんな姪っ子は、特に海外に関心が深く、このたびフランスに留学する事になりました。

わたしもお祝いに何かあげたいな、と考えていましたが、特に思いつかず、出発の日が迫ってきました。

そんな時、たまたま普段開けない戸棚を開けて、懐かしいものを見つけました。
確か20年ほど前、母がスペインかどこかの旅行のおみやげとしてくれた腕輪です。
大きなガラスのトンボ玉と、石は小さいのはペリドット、あとはアベンチュリンと緑メノウだろうか…?
色合いが美しく、飾って眺めてはいたものの、やや長くて、着けたことはほとんどありませんでした。

別の星から来たような優秀な姪っ子と、わたしにはひとつ大きな共通点がありました。
緑色が好きなところです。
亡き母から、ぜひ姪っ子にコレをあげなさい、と言われたように思いました。

寸法を縮めて、さらに軽量化するため、金具からゴム仕様に直す事にしました。
ワイヤーを切って金具を外すでしょ。
配列はなるべくそのままで、ゴムに移してゆきます。
真ん中のトンボ玉はちょっと怖いので抜きたいような気がしましたが、これはたぶん魔除けなので、欠いてはいけんのじゃろうな…。
代わりにトンボ玉の周りの小さなビーズを抜きました。
念のためゴムを2重に通して、結んで、ボンドを結び目につけて
ハイできたー!

この腕輪を、母に報告するため仏壇に一瞬お供えして、ふとある腕輪念珠に目がとまりました。
この腕輪念珠は、昨年、西本願寺を訪れた時、すぐそばの仏具屋さんで買ったものでした。
確かこの時だったかな?
それというのも、その数日前に、母が深刻な顔で緑色のお数珠を作っている夢を見たからです。
わたしは生前の母とは全く気が合わず本当に喧嘩ばかりだったので、せめて死後、夢に出てくる時くらいはその願いに沿うことにしているのです。
その時は
「お数珠は今そんなに欲しくないんだけどな…」
と思いながらも、なんとなく買ったのでした。
蛍石(フローライト)です。
これも、母から託された姪っ子へのプレゼントだったのだな、と思いました。
一緒に送ることにしました。

新天地でも、姪っ子にたくさんの幸運が降り注ぎますように。

ほーら、
ネッシーそっくりの昨日の夕焼け雲だよ。

ではまたね!