灰汁巻き | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

今日は令和5年5月5日、5が3つ重なった端午の節句ですね。


端午の節句といえば、「ちまき」ですが。

ねえねえ、これ知っとるうー?

オオサンショウウオの子どもです!
じゃなくて。

「灰汁巻きあくまき」です!


義父母の故郷の甑こしき島(鹿児島県薩摩川内市)の親戚が送ってきてくれたそうです。

もち米を竹の皮に包んで、灰汁で炊いたものです。

ちまきの親玉みたいな感じですが、ちまきみたいな甘味はついていません。

これを義母から2本頂きました。


以前、一度だけもらって、うまいうまい言いながら食べた気はするのですが…、すっかり忘れています。
義母はこれに対してどうもあまり思い入れが無いようで、心なしか申し訳なさそうに渡して、去って行きました。

ともかく皮を開けてみました。
手首くらいの太さの飴色の餅が現れました。

粘っこくて包丁では切れません。
括ってあった竹の皮を裂いたもので切り分けます。
2cm厚くらいで、だいたい切り餅1個分かな?

まずは、ネットで見つけた王道の食べ方と思われる、きなこ餅風にしてみました。
ほんのりエグみがあるのは灰汁のせいなのか、これが、なんとも美味しいんですな。

まだまだたくさんあるので、色々試してみることにしました。

翌日は、お雑煮風にしました。
いわし味噌煮缶があったので、野菜と一緒に味噌汁にして、そこへ入れてみました。
餅よりも米のツブツブ感が残っていて、これがまた美味しいんですな。

その次は、豚バラの薄切りを買って来て、肉巻きおにぎり風にしてみました。
肉ばかりだと胃腸が疲れるので、他にも袋状に開いた油揚げにチーズと一緒に入れた餅巾着風のものも作ってみました。
どちらもフライパンで焼いて、醤油をたらして頂きます。
これはどっちも、まあ、まずいわけが無いんですな。

最後にちょびっと余ったのは、ポタージュスープに入れて洋風雑煮風にしてみました。
これは、最初にやったら微妙だったかも知れんけど、さんざん食べたあとなので、うむ、こういうのもいけるで、という感じになるんですな。

こうなると「まだたくさんあるんや…」という義母のちょっと寂しげな微笑みを思い出し
いやこれ、めちゃめちゃ美味しいじゃないですかー! もっとクレクレ!!」
と言おうかどうしようか、いやテンション高過ぎもかえって空々しく見えるだろうか、と悩んでいるうちに日が経ってしまいました。

というわけで。
あなたも「灰汁巻き」と出逢ったら、怖じけず色々挑戦してみてくださいね!

わたしもまた忘れるといけないので描いとくぞ。

ではまたね!

甑島からの珍しい頂き物の話はこちらにも。
ごめんなさい。訂正もあります。