ちいさな一人旅 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! 

蜂窩織炎ほうかしきえんで熱ぼったいうちに確定申告を終わらせて、気分も晴れ晴れ。こうの史代です。

 

前回の続きです。

 

今月半ばに広島に帰っていました。
 
比治山大学での講義の後は、そごうの新館で家族と中華料理をいただきました。
 
あとは京都で翌々日に編集さんに会う予定です。
今回はコンテや原稿を見せる打ち合わせではないので、こなしておかねばならない作業もありません。
翌日の用事は、京都に移動するだけで、のんびりしたものです。
さあ、あなたならどうするかね。

早めに京都に移動して、どっかお参りしようかな? 
また三十三間堂で仏さんの世界にどっぷり浸るのもいいし、伏見稲荷さんも一生に一度は行ってみたいよね。

二葉山ふたばやまにでも登るかな?
頂上の仏舎利塔に久し振りにご挨拶に行きたい気もするな。

昨夜の光は何だったんだ!?
お前そういえば1年前ロープウェイで弥山に上がったものの山道が凍ってツルツルですぐ引き返しとったな!

ええ、ええ、あなたもきっとこれを選ぶことでしょう。
 
(と、2/28にここまで書いたところで今度は謎の腹痛で4日間よぼよぼ過ごしていました…。恢復したので何食わぬ顔で続けますよ。)
 
というわけではい!
宮島口のフェリー乗り場にやって来ましたよ。
フェリーに乗ると、たった10分。
もう宮島に到着です。
1年前は改修中だった鳥居もすっかりきれいになっていました。
 
しかし!
ロープウェイは一昨日から点検作業で運休中、とフェリーターミナルに書いてありました。
 
ん?
 
すると一昨日見たあの謎の光は、点検作業の灯りだったということか!

謎は解けてすっきりしましたが…、今度は弥山に徒歩で登るかどうか悩むところです。

 

とりあえず厳島いつくしま神社にお参りして考えようかな、と思ったけどいつものことながら行列が出来ていたのでいつものことながら諦めました。

わたしは宮島には子どもの頃から本当によく来ているはずなんですが、厳島神社にはたぶん3回くらいしかお参りしたことがないと思います…。

そしてまた、すぐそばの千畳閣せんじょうかくにやって来ました。

ここでおみくじを引いてみました。

…。
…旅先でこれ…。

しかも、結ぶところが見つけられず、仕方なく持ち歩くことに…!

 

そこから紅葉谷公園を通って、ゆっくり登っていると、雪が降って来ました。

厳島神社の人込みとはうって変わって、人が全くいません。

そういえばここの猿はけっこう凶暴だったっけ、と思いました。

山道が狭くなったところで、行く手に仲良しアベックが見えました。

ひとりが座り込んでいて、もう1人が手を引っ張って起こしたりしています。

うっ…。

この人たちの後ろに迫りながらついて行くのはものすごく気まずい…。

しかし、このスカートで革靴という軽装で、すいすい追い越して登る自信もない。

 

ええ。

おみくじのお告げに従って、引き返しましたよ。

引き返す途中、溝に鹿がはまっていました。

 

そして、もう少し先の大聖院だいしょういんというお寺を訪ねることにしました。

わたしはここには初めて訪れました。

不思議なことにこのお寺、

なんだか妙に居心地がよくて、ちょうど御祈祷が始まったので見学させてもらったり境内をぶらぶらしたりして、気づくと1時間半も滞在していました。

 

あとごめんなさい!

今年のお正月に「からす天狗さんもソロ活動したらいいのに」などと語っていましたが

すでにソロで頑張っていらっしゃいました!!

 

その後はおみやげ屋さんをのぞきながら港に戻りました。

 

今は宮島焼きという焼き物の人形や食器が多く売られていますが、わたしが子どもの頃はそれほど多くなかった気がします。たんに興味がなかっただけだろうか。

その代わり、昔はよく見かけた寄木細工がほぼ無くなっていました。

伝統工芸にも流行があるということなのでしょうか。

あと、どの店先にもあったピンクと青のビニールの鹿も無くなっていましたな。

 

16時台の新幹線に乗るつもりでしたが、なんとなく2時間早い新幹線に変更して、17時前に京都に着きました。

 

翌朝、テレビを見て、予定通りの新幹線に乗っていたら大混乱に巻き込まれていたことを知りました。

あのおみくじは本当に当たっていたな、と思いました。

 

小学生の頃、ものすごくお願いして父に買ってもらった宮島の寄木細工の貯金箱です。

ご覧の通り古ぼけていますが、今も大切な宝物です。

しまってある鍵で屋根部分を開けるのです。

 

ではまたね!