お墓参りで川尻へ | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

暑かったり急に寒くなったりですが、あなたも風邪などひいてないだろうね!?

 

わたしは、広島と呉に帰ったり、扇風機をしまったり冬の布団を出したり、Tさんに指を噛まれて流血して落ち込んだり、それ以上に反省して落ち込んでいるTさんのご機嫌を取る羽目になったり、福知山の中でちょっぴり豪遊したり、の目まぐるしい1週間を過ごしていました。

 

というわけで。

先週の前半は、広島に居りました。

広島での比治山大学の講義のためでしたが、なんとなく、今回は呉に宿を取りました。

新幹線で広島駅に着いて、ちょうどよく呉線の快速列車に乗れました。

思ったより早く呉に着けそうです。

講義の前日は、普段なら宿に直行して翌日の準備をするのですが、ふと「久しぶりにお墓参りに行っておこう」と思い立ちました。

前回広島に帰った時、お墓参りに行きそびれましたからね。 


呉駅を通り過ぎて、広ひろ駅で乗り継いで、安芸川尻あきかわじり駅にやって来ました。



ちいさな可愛いお姉さんのお店で、お線香1束とろうそくとライターを買って、お寺に向かいます。

 

はい。

「よう来たよう来た」と親鸞さんが出迎えてくれましたよ。

 

お彼岸も過ぎた昼下がりの墓地には誰一人いません。

墓地の片隅の、十数基ある河野一族のお墓ひとつひとつに水をかけて、我が家のお墓にろうそくを立て、お線香の束に火をつけます。

そのお線香を、一族の皆さんのお墓に分配して立てて、合掌して回ります。

お墓のそばの道路を、下校中の小学生が「お線香の匂いー!」と話しながら通り過ぎてゆきました。

鼻の悪いわたしはこんなに間近でもまったくお線香の匂いを感じないのに、すごいなあ…と感心しました。

 

呉線は、広駅より東は本数が非常に少ないので、列車の時刻に合わせて行動せねばなりません。

お線香が燃え尽きる頃には、もう帰る時間になりました。

 

血縁とか血統とかは、どちらかというとわたしはあまり好きではないのです。

それの重圧に苦労した人たちから、この姓を譲り受けたからです。

でも、川尻の町並みや、このお寺やお墓の雰囲気は、いつも海風がきらめいて明るくて、たまに触れに来たくなるのです。

スケッチブックが終わったので、また修正液で描いてみましたよ。

 

ではまたね。