ギネスの調査員が傾斜の角度を測ったところ、約3.97°の傾きを保つピサの斜塔。
この傾きがたった4度程度?
数字だけみれば大したことはないが、実際に中を登ってみると・・・きつい・・・
そもそもなんで傾いたんや?ってところが一番気になる。
時は中世ヨーロッパ、この辺りに流れるアルノ川が運んできた土砂で成り立つ軟弱な地層の上に、ピサの斜・・・というか塔は建てられた。
建築当時はもちろんまっすぐ立てるつもりだったのだが、当時の地質調査が甘かったせいで、着工して間もなく傾き始めたらしい。
斜めになりながらも、なんとか工事が完了したが、傾きの是正まではできず、時は流れに流れ、現在に至る。
まあ、昔なんて今みたいに地質学に関する知識も技術も道具も足りていないから、多少傾いちまっても仕方ないよなあ。。。こんなん誤差。上出来上出来!
それにしても、頂上までの道のりが遠く感じる。
水平でないことで自分が思った方向に進みにくくバランスが取りずらいため、足に変な力が入り、余計に体力を消耗するのである。
この大理石でできた階段をみて欲しい。
階段の中央よりも外側が削れているのがお分かりだろうか。
当たり前だが通常、一番人が歩くだろう中央が削れて凹むはずなのに、傾きによる重力の影響で人の軌道が変化し、中央よりも外側に吸い寄せられるためにこういうことが起こる。
ちなみに、反対側を歩いている時はこの逆で、階段の右側が削れていて面白い。
やっとこさ頂上。
なんか大きな鐘が全方向に5つぐらい設置されてた。
高いところがダメな人はただでさえこういう景色あかんのに、この頂上ときたら傾いてるもんだから下側の傾きに差し掛かった時は、このフェンスがないと間違いないなく雨の日なんかは滑落するよね。
いい天気だ。。。
登って降りて30分ぐらいだろうか。
地上に降りた後もなんだか足元がおぼつかず、フラフラまでは行かないが、ふわふわする感覚が否めない。
いかに地面が水平であることが人の健康に大事かがわかる。
ピサの斜塔は傾いているというアンバランスな特性上、入場制限があるので、あらかじめ時間指定予約を入れることをお勧めしたい。
お次はその周辺にある関連施設にも行ってみよう。
右が大聖堂で、左が洗礼堂だ。
なかなか立派ではないか。
大聖堂の中はこんな感じ。
まあふ〜んってなるだけかな。
こちらは洗礼堂で、決まった時間になると係員が「アーーーーーー」とロングトーンの発声を繰り返すのだが、これは何をしているかと言うと、縦に長い独特の構造により音が反響して、いい具合に建物中に響き渡るのを披露しているのだ。
なんとも神秘的な音の響きに誰もが思わず聞き入っていた。
こちらはカンポサント。
これもピサの広場の敷地内に建つ壮大な空間である。
四方の壁にはこのような絵が一面に描かれていた。
なんだか西洋版・えん魔大王と言うか、地獄絵図のように見える。
ピサの斜塔を堪能した我々は、元来た道をまた1時間かけて車で戻り、フィレンツェへ。
そうだ。我々はまだ食ってない昼&晩飯を食わねばならぬ。
友人R氏が見つけてくれた海鮮がウリのお店「Fishing Lab Alle Murate」。
店内の雰囲気も大人びた空間で素敵だ。
昔の建物を改装して使っているため、2Fまで吹き抜けになっている空間を見上げれば天井画もこの通り。
右奥が、魚介のエキスをMAXに感じるスープがうますぎるラビオリ。
左が一反もめんみたいな形の麺にラグーソースのかかった極上パスタ。
手前がガーリックの豊かな風味が食欲をそそるあさりのチーズリゾットである。
サーモンのタルタルなんかも。
とにかく、何食ってもうまい。
ハズレがないといった素晴らしい店だった。
ギリギリランチタイムだったので、お値段も抑えられていてGOOD。
とっぷりとふけた夜。
ホテルの人から、「うまいぞお〜」って教えてもらった地元民に愛されるお店「トラットリア エンツォ エ ピエロ」を紹介してもらった。
トスカーナ地方は肉料理も大事な郷土料理の一つだ。
写真の厚切りスライスのステーキはかかっているソースはもちろん、レアな焼き加減で噛めば噛むほど味わい深い。
ラザニアもカプレーゼも申し分なくうまかった。
こちらはパンナコッタである。
イタリアに来たからにはこいつとティラミスは食っとかねばならぬ。
一口いただくと、なめらかな舌触りをしたクリームのさっぱり感と、いちごの甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。
イタリア・・・やはりうまいぜよ!!!!
以上、全部で5記事に渡ってイタリア・トスカーナ旅の全貌を綴ったが、どれも本当に興味深く、思い出深いものばかりだった。
私は「人は何かご縁があってその土地へと向かうのだから、訪れたら単に楽しかったと言って帰ってくるのではなく、その土地に暮らす人々の幸せとますますの発展を祈り、感謝して帰って来なさい」と教えられたことがある。
一緒に行ける仲間がいること、自身が健康であること、旅行に行けるだけのお金があること、何も被害にあうことなく無事楽しく旅を終えれたこと、天気が全日程晴れたことなど、旅行に行くのに必要な条件が全て満たされてここにいるわけだから、やはり日々の感謝を忘れてはいけないと、駆け出しではあるがトラベルライターとして思う次第だ。
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