江國香織原作『冷静と情熱のあいだ』の舞台ーフィレンツェ。

正直、実際に行くまでそこまで期待していなかったけど、さすがはイタリアを代表する観光地なだけあって、いい意味で期待を存分に裏切られた。

(ジョットの鐘楼から撮影)

 

とにかく、目に飛び込んでくる景観がどこもかしこも美しい。

どこまでも統一されたテラコッタ色の街並みが続いている。

(クーポラの上から撮影)

 

日本と比べるのはナンセンスだが、いくら我が国を代表する一大観光地の京都だって、ここまでではない、というか足元にも及ばない。

 

これが日暮れの時間帯ともなれば空が真っ赤に燃え盛り、フィレンツェの街と夕焼け空とが一体となって美しい絵画を描き出す。

 

 

その一瞬一瞬がたまらなく美しい。

何度もカメラを握りしめ直した。

 

ピークが去ったあとは、まだ夕焼けの赤い余韻を残した夜空が現れ、フィレンツェの街が次第に夜の闇に沈んでゆく。

以上、街並みを一望できるミケランジェロ広場からの中継でした。

(ちなみにフィレンツェは徒歩で観光地を回れてしまうほどコンパクトだが、ミケランジェロ広場だけは小高い丘の上にあるため少し時間がかかる)

 

このように、晴れた日は、1日のうちでフィレンツェが美しくない時間帯なんて1秒もない。

 

 

さて、街全体を見渡したところで、今度はそれぞれの観光スポットにフォーカスしてみよう。

 

まずはフィレンツェのランドマークである「ドゥオモ(大聖堂)」から。

あの赤いレンガ造りのドーム型をした屋根(クーポラという)の内側はこうなっている。

昔の趣を今に伝える貴重な歴史的資料。

この天井画を見るために、我々は20ユーロも払って中に入るわけだ。

まあここまで近くで見れるならええか。

 

ちなみに、その20ユーロ券で「大聖堂附属図書館」という名前の実態は博物館とか、こちらもクーポラに負けず天井画が綺麗なのにほとんど並ばずに入れる穴場「洗礼堂」、さらには大聖堂横に建つ高い塔「ジョットの鐘楼」も入れる共通券となっている。

右手に見えるのがジョットの鐘楼、中央がドゥオモ、左手が洗礼堂である。ドゥオモの背景にはクーポラも少し見える。

 

では、大聖堂附属図書館をのぞいてみよう。

ここでは、ミケランジェロのレアな作品が見れる。

それがこれだ。

 

少し拡大してみよう。

右の女性の顔の作りがいささか雑である。

そう。これは未完の作品なのだ。

 

ミケランジェロほどの腕の立つ彫刻家でも、途中でやる気がなくなってほっぽりだすことだってあるんだな。

 

次は黄金の内装が美しい洗礼堂へも行ってみよう。

クーポラは予約が絶対必要なぐらい(というか予約必須やったかも?)、連日、長蛇の列をなしているが、こちらは人も少なく、土曜日でもいとも簡単に入れる。

 

共通チケを買わずとも無料で入れる唯一の施設だからかドゥオモに関しては、こちらもクーポラ同様、1時間待ちの列が出来るぐらい人気だが、そんな大したことない内装を見るために1時間も待つぐらいなら、潔くお金を払ってクーポラや洗礼堂を見て欲しい。

 

だってドゥオモの内装これやで?

すんげえ地味っていうか普通。だからタダなんか。

 

むしろドゥオモはこうやって下から見上げて、その外観をよ〜くチェックして欲しい。

私たちがイメージしているよりもずっとカラフルで凝ったデザインをしているのである。

 

フィレンツェが誇るドゥオモ「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」は、なかなかおしゃれなやつだった。

こうやってみると、夜間ライトアップされたドゥオモもいいもんだ。

 

なお、それぞれの施設について、単体でのチケット販売はしていないとのこと。

 

さすがはイタリア名門貴族メディチ家をはじめ豪商たちの支配したフィレンツェ。

かつてこの地に巨万の富とルネサンス黄金時代が築き上げられただけあって、現在でもその商売上手さが伺える。

 

こちらはベッキオ宮殿の最大の見どころ「500人広間」。

やはりどの建物も天井にこそインパクトがある。

当時の貴族たちの華やかな世界観が存分に味わえる空間だ。

 

ふと窓の外を見ると、先ほど上ってきたクーポラがこんにちはしていた。

ポカポカと暖かい陽気に包まれた昼下がりのいい午後だ。

 

フィレンツェで忘れてはいけないのがここ、ウフィッツィ美術館

なんでもとびきり有名な作品が揃っている。

例えば・・・

サンドロ・ボッティチェッリ作『ヴィーナスの誕生』とか、

同じくボッティチェッリ作『プリマヴェーラ』とか。

そうそう、レオナルド・ダ・ヴィンチ作『受胎告知』もね。

この大天使ガブリエル?か何かの顔と手の感じが絶妙だよね。

「お姉さん、身ごもってまっせ。」

 

・・・どうりで当時、ダヴィンチの師匠だった人が弟子がうますぎて絶句して絵筆を置いたっていうエピソードが残ってるわけだわ。

 

他にも、今ご紹介したレベル感の絵画がここにはたくさん所蔵されている。

ルネサンス好きにはきっとたまらない空間だろう。

 

 

そうだ。お腹が空いたら肉、パスタ、ピザ、なんでも揃う市場に行こうではないか。

日曜日はやっておらず、平日は午前中で閉まってしまう(土曜は唯一夕方頃まで)が、活気に満ちたマーケットが楽しめる。

 

2Fはフードコートになっている。

ここで気になったメニューを注文してみよう。

 

チョイスしたのは、トリュフのフレークがかけられたカルボナーラ。

美味しい。トリュフ自体あまり食べたことがないので比較はできないが、濃厚でコクのある味わい深い一品であったことは間違いない。

 

全く、イタリア人というやつは、仕事はいい加減なくせに美味しいものを作ることには全力を傾けるんだから困る。

 

食つながりで行くと、絶対逃せないのは朝カフェだ。

まだ太陽が完全に上りきっていない早朝。

フィレンツェっ子は、エスプレッソだかカプチーノだか朝の一杯を注文し、今日も1日をスタートさせる。

私も彼らの真似をして、まだ半分寝ている胃袋に、甘いシロップのかかったパンをコーヒーで流し込んだ。

シャンデリアきらめく店内で立ち飲み&食いカフェをする人々。

なるほどこれが地元流か。

 

「阪急の立ち食いうどん」しか知らない私は、カルチャーショックとともに彼らに尊敬の念すら覚えたよね。

うまそう・・・

 

美しいショーウィンドウで飾られた朝カフェを後にし、再び街ブラに戻るとしよう。

やってきたのは『神曲』で有名なダンテの家。

左手に見える建物ね。

入り組んだところにあるので通り過ぎてしまいそうだ。。。


ん?

もしかしてこれはサルヴァトーレ・フェラガモの本店じゃ・・・

まあ私がこの本店に用事が出てくるまであと40、いや50万年ぐらい先になりそうなので写真だけとっておくとしよう。

 

本店前での記念(?)撮影後、川沿いを歩くと見えてくるのが有名なベッキオ橋である。

ちょっときになる橋の内側はどうなっているかというと・・・

宝石店が軒を連ねるジュエリーストリートだった。

こちらもあと50万年後ぐらいには、との希望的観測を胸にパシャっと一枚。

 

時間が前後するが、ベッキオ橋を渡らずに通過したところに、なんだかちょっと構造がおもしろいアーケード街があった。

なんやこれ。

ちなみに、この道の横にはこんな景色が広がっている。

川沿いを散歩するのが楽しいフィレンツェ。

(ウフィッツィ美術館近くにて撮影)

 

なにこの空の色。

今回の旅で、朝・昼・晩と全ての時間帯のドゥオモを見た気がする。

 

夕方になっても人通りは一向に絶える気配がない。

 

完全に’夜になって、建物と建物の間から先ほどのベッキオ宮殿がちらっと見えた。

細い路地では、革製品を売る店が遅くまで店を開けていた。

夜のお買い物も楽しそうだ。

 

せっかくなので何か一つ買って帰ろう。

お値段たったの4ユーロのキーホルダーアクセサリー。

フィレンツェのフローレンスマーク入りがかわいい。

右上はウフィッツィ美術館で買ったピルケースね。

 

さて、歩き疲れたのでホテルに帰って就寝するとしよう。

 

私は眠りについても、花の都・フィレンツェの夜はまだまだ眠らない。

 

 

<お土産ばなし>

ちょっと贅沢な気分になれるフィレンツェのスーベニアショップといえば、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局だ。

“薬局”だからといってマツキヨにあるようなラインナップを想像してはいけない。

 

ここは、昔から変わらない調合レシピで作られた石鹸やフレグランスが有名なお店で、完全女性向きの有名店である。

建物自体も昔ながらの内装をそのまま使用し、乙女心をくすぐる瀟洒な雰囲気である。

全体的にどれもクッソ高い値段設定で若干ヒヨったのだが、せっかくなので、その中でもまだ手軽な価格の石鹸を買って帰ることにした。

お徳用のダブルサイズ16ユーロを購入(小さなサイズだと10ユーロ)。

 

これはボディ用だが顔専用もあり、そちらはだいぶ値段が高いが保湿力はすごいらしく、友人もせっかくだからと大人買いしていた。

 

こちらに関してはあと、数十年後には私も大人買いできるようになっているだろう。

 

 

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