金の国 水の国 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:渡邉こと乃
キャスト:賀来賢人/浜辺美波/神谷浩史
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2023年1月
時間:117分




原作は“このマンガがすごい!・オンナ編”で初の2年連続1位を受賞した人気少女漫画家・岩本ナオ。アニメーション制作は『サマーウォーズ』のマッドハウス,脚本は『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の坪田文,音楽は2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のエバン・コール,と知り興味が湧いたが劇場鑑賞を逃してしまい,ようやく見ることが叶った『金の国 水の国』を今夜は紹介。監督はTV『BTOOOM!』の渡邉こと乃。

商業国家で水以外なんでも手に入る“金の国・アルハミト”と,豊かな水と緑に恵まれるが貧困にあえぐ“水の国・バイカリ”は、100年断絶している敵国同士。戦争寸前の2国はある時,友好のしるしに花嫁と花婿を送り合うことになるが,和平を望まない権力者たちの思惑で複雑な事態を招いてしまう。バイカリに住む貧しいがお調子者の建築士ナランバヤル(賀来賢人)のもとに送られてきた花嫁は猫。彼は猫を「星の輝き」の意味のオドンチメグと名付ける。

一方,アルハミトの国境近くでばあや(一柳みる)と2人で暮らす第93王女サーラ(浜辺美波)の家に来た花婿は犬。両国の平和のため花婿が犬であることを隠し,犬にルクマンと名付けて可愛がるサーラ。ある日,国境の塀の隙間から入り込んだルクマンを追って隣国のバイカリへと足を踏み入れたサーラ。山芋を掘った穴に落ちてしまったルクマンを救ってくれたのは,偶然通りかかったナランバヤルだった。優しい彼に偽りの夫婦を演じることを頼むサーラ。やがて自分たちでも気付かぬうちに恋に落ちる2人だったが…。

ナランバヤルとサーラの優しさと芯の強さが,いがみ合う国同士や立場による思惑の全てを包んで溶かしていく。子ども向けとか大人向けとかって話じゃなく,“平和”を希求する思いがまっすぐで心地よく,なのにドキドキさせながら物語が進む。ほっこりさせてくれるエンディングを見ながら,すごく嬉しくなるお薦めの1本だ。


映画クタ評:★★★★


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