メメント | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Memento
監督:クリストファー・ノーラン
キャスト:ガイ・ピアース/キャリー=アン・モス/ジョー・パントリアーノ
配給:サミット・エンターテインメント/東芝/アミューズピクチャーズ
公開:2001年11月
時間:113分




紆余曲折あってようやく,今月29日からの日本公開が決まった『オッペンハイマー』。大ヒット作なのに全米公開から8ヶ月遅れとなった理由は後日語るとして,とりあえずノーラン作品が劇場で観れるのは嬉しいことだ。

公開記念として,まだこのコーナーで取り上げていなかったC・ノーラン作品を2夜連続で紹介。まず今夜は,ノーラン監督の名を一躍有名にした23年前の作品『メメント』。前向性健忘(発症以前の記憶はあるものの,それ以降は数分前の出来事さえ忘れてしまう症状)という記憶障害に見舞われた男が,最愛の妻を殺した犯人を追う異色サスペンスだ。

ロサンゼルスで保険の調査員をしていたレナード・シェルビー(ガイ・ピアース)。ある日,何者かが家に侵入し,妻がレイプされたうえ殺害される。その光景を目撃してしまったレナードはショックで前向性健忘という珍しい記憶障害になってしまう。

10分間しか記憶を保つことができない彼は,謎の女性ナタリー(キャリー=アン・モス)に助けられ,ポラロイドにメモを書き,体にタトゥーを刻みながら,妻を殺した犯人の手掛かりを追う。犯人のキーワードは“ジョン・G”。だが,謎を追えば追うほどに,さらなる謎が深まる。“ジョン・G”はいったいどこにいるのか? だれの言うことが,いったい本当なのか…?

特殊な状況に置かれた主人公の心理を再現するため,時間軸を解体した上で再構築された複雑な構成。なのに見る者を巧みに衝撃のラストへと導く秀作。

交互に映し出されるのは“白黒のシークエンス”と“カラーのシークエンス”。厄介なのは“白黒のシークエンス”は通常の時系列順(古い出来事順)なのに“カラーのシークエンス”の方は時間を逆行していて,エンディングでその2つの時間が繋がるという複雑な構成。公開当時は全米でリピーターが続出した。

見ている間は意外に楽しめるのに,見終わると全ての謎が解けたようで,実は増大しているという,後のノーラン作品に共通する味わいがあり,ファンをマニアックにさせていく。

個人的にはもう何度見たか判らない。のに,この記事を書く段階でまた2回繰り返してしまった。まさに中毒性のある1本だ。


映画クタ評:★★★★★


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