TANG タング | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:三木孝浩
キャスト:二宮和也/満島ひかり/市川実日子
配給:クロックワークス
公開:2022年8月
時間:129分




今夜紹介するのは,2015年に発表されベストセラーとなったイギリスの女性小説家デボラ・インストールのデビュー作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を,舞台をイギリスから日本に移す形でアレンジした近未来SF作品『TANG タング』。監督は『フォルトゥナの瞳』や,この作品と同月公開された『アキラとあきら』の三木孝浩。

近未来の北海道・北斗市。AIは進化し,人間とロボットが一緒に暮らす時代。かつては医師を目指していた春日井健(二宮和也)は,ある出来事を機に自信をなくし,今はゲーム三昧のニート生活。弁護士である妻の絵美(満島ひかり)はそんな夫の無気力に苛立ちを募らせていた。ある日,家の庭に旧式のロボットが迷い込む。小さくてオンボロなロボットは「タング」と名乗り,人懐っこく健の言葉を真似するが,記憶を失っている様子。

引き取ってもらおうと持って行ったリサイクルショップから逃げ出し,健の家に戻ってきたタングだが,夫婦喧嘩の末,絵美から健と一緒に追い出されてしまう。タングをメーカーに引き取ってもらおうと,“アトビット・システムズ”のある福岡に向かう2人。ところが,タングの失った記憶には重大な秘密が隠されていて,それを謎の追っ手が狙っていた。こうして健とタングとの気ままな旅は,いつしか危険な大冒険へと様変わりしてしまうのだったが…。

北海道→福岡→中国・深圳(しんせん)→宮古島と大移動をすることになる2人。“近未来ロボットSF”って緊張感のある言葉は似合わない,健とタングの“心地よいバディ・ムービー”だ。もちろん,ストーリー的には,タングを狙う謎の人物とのチェイスや,健の心の傷をめぐるドラマ,健のタングに対する感情の変化など見どころ豊富だが,「きっと大丈夫」という作品全体のテーマと三木監督らしい質感が,2人の物語を通じて見る者の心を温かくしてくれる。

タングをフルCGで生み出したのは『STAND BY ME ドラえもん』『シン・ゴジラ』などでも知られる白組のVFXチーム。タングの声も二宮和也が担当している。

共演は他に,市川実日子,小手伸也,奈緒,武田鉄矢 など。エンドロールのフォトストーリーにも注目して楽しんでほしい。


映画クタ評:★★★★


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