映画 イチケイのカラス | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:田中亮
キャスト:竹野内豊/黒木華/斎藤工
配給:東宝
公開:2023年1月
時間:119分




日本神話に登場し,神武東征の際に,高皇産霊尊(タカミムスビ)によって神武天皇のもとに遣わされ,熊野国から大和国への道案内をしたとされる八咫烏(やたがらす)。“導きの神”とされ,一般的に3本足の姿で知られている伝説上のカラスだ。この八咫烏がオープニングキャラクターとして登場する一昨年の“月9”春ドラマ『イチケイのカラス』。令和“月9”No.1の視聴率を記録した大ヒットドラマの劇場版を今夜は紹介。

原作は2018年に発表された浅見理都のコミックス。TVドラマ化の際に原作者了承の上で,脇役だった入間みちおを主人公に据えキャラも改変。坂間千鶴も原作では男性だったキャラで,物語も再構築されている。監督は『コンフィデンスマンJP』シリーズの田中亮。

伝家の宝刀“職権発動”を駆使し,ひとつひとつの事件に粘り強く向き合ってきた型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)が東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)を去って2年。今は赴任して間もない岡山地裁秋名支部で,早くも周囲を混乱に陥れていた。そんな入間は,主婦・島谷加奈子(田中みな実)が防衛大臣・鵜城英二(向井理)に包丁を突きつけたという傷害事件を担当することに。事件の背景にはイージス艦と貨物船の衝突事故があり,不審な点を明らかにしようにも,国家機密の前に“職権発動”は通用せず,捜査は難航する。

一方,坂間千鶴(黒木華)は,裁判官の“他職経験制度”で弁護士となり,入間の隣町・日尾美町で人権派弁護士の月本信吾(斎藤工)とバディを組み活動することに。人々の悩みに寄り添う月本に次第に心惹かれていく坂間。そんな中,町を支える地元大企業“シキハマ株式会社”に,ある疑惑が浮かび上がる。

2つの事件に隠された衝撃の真実。それは,決して開けてはならない“パンドラの箱”だったのだが…。

冒頭から貨物船の衝突沈没やら庵野秀明のサプライズ出演やらに驚かされるものの,話が進むほどにマイペースの入間&坂間に安堵し,良くも悪くも“イチケイらしい”物語に没入させてくれる。

賛否あるとは思うが,TVドラマの映画化はやっぱ,ドラマ版をコンプしてから観る方が断然面白さが増す。この作品は特にそうで,ぜひ,ドラマ11話+スピンオフ『イチケイのカラス〜井出伊織、愛の記録〜』4話+『イチケイのカラス スペシャル』で,“イチケイ”に居た頃とその後の2人の深みと成長,共演キャラたちの背景に触れてから観ることをお薦め。

個人的には,国家側の“パンドラの箱”の映像表現がやや弱めに感じたが,それも“イチケイ”らしさか。まぁ,舞台は“イチケイ”じゃなくとも“イチケイ魂”に溢れた続編。

共演は他に,小日向文世,山崎育三郎,桜井ユキらドラマ版からの続投組に加え,柄本時生,西野七瀬,田中みな実,尾上菊之助,宮藤官九郎,吉田羊 と超豪華。


映画クタ評:★★★★


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