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原題:Contagion
監督:スティーブン・ソダーバーグ
キャスト:マリオン・コティヤール/マット・デイモン/ローレンス・フィッシュバーン
配給:ワーナー・ブラザース
公開:2011年11月
時間:105分




新型コロナに翻弄されて2度目の秋を迎える日本。終息の兆しが見えないどころか,次々に現れる変異ウィルスに,後手後手の対応となる人類。早く元の景色が戻ることを願ってやまない。

さて,今夜紹介するのは,10年前にこのコロナ禍を予言したかのような1本。感染パニック・サスペンスは,このコーナーでも以前に『アウトブレイク』『感染列島』など紹介してきたが,淡々とした描写とリアリティが他を圧倒する1本だ。監督は『エリン・ブロコビッチ』や『オーシャンズ』シリーズのスティーブン・ソダーバーグ。タイトルの『Contagion』とはズバリ「伝染(病)」の意味。

香港出張の帰り,ベス・エムホフ(グウィネス・パルトロー)は,元恋人と関係を持つためシカゴに立ち寄る。2日後,ミネアポリス郊外の自宅でけいれんを起こし意識を失うベス。夫のミッチ(マット・デイモン)は慌てて病院に運ぶが,ベスは突然死してしまう。ミッチが自宅に戻ると,ベスの連れ子のクラークも同様の症状で命を落としていた。一旦隔離されたミッチだったが,ようやく解放されると,10代の娘ジョリーの待つ自宅に戻る。

類似の事例が世界各地で相次ぎ,アトランタのCDC(疾病予防管理センター)ではエリス・チーヴァー(ローレンス・フィッシュバーン)がエリン・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)をミネアポリスに派遣するとともに,アリー・ヘクストール(ジェニファー・イーリー)にウイルスの正体と治療法の研究を指示する。そんな中,陰謀論者のアラン・クラムウィディ(ジュード・ロウ)はウイルスについての動画をブログに公開。いち早く伝染病の警鐘を鳴らした彼のブログには情報を求める人々が殺到するのだったが…。

コロナ禍の今,この作品を見返すと,見えないからこそ怖いウイルスも,アランの発信する勇み足な情報と,それが引き起こす事態の混乱も,実体験として頷けてしまうという,科学的な考証とシミュレーションをベースとしたのが瞭然な仕上がりだ。

冒頭のベスの発症から死までをはじめ,記録映像のように綴られる全編がリアルさを増幅させるが,その分,物語として誰かに感情移入はさせてくれない。しかし展開から目が離せなくなる。ベスのプライベートから,CDC職員や各国の関係当局,国ごとや地域ごとの格差問題にまでサスペンス的に広げまくって,最後に“タネ明かし”のオチをつける辺りで,ようやく「あッ…映画だった!」と我に返る。

コロナ終息後に,本物の記録映像として今の現実をまとめたら,どんなものができて,10年後の人々にはどう映るのだろう? と,フッと考えたりもした。


映画クタ評:★★★★


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