るろうに剣心

英題：RUROUNI KENSHIN
監督：大友啓史
ｷｬｽﾄ：佐藤健／武井咲／吉川晃司
配給：ワーナー・ブラザース映画
公開：2012年8月
時間：134分

金曜から２週連続で地上波放送される『るろうに剣心　京都大火編／伝説の最期編』を前に，映画第１弾を紹介。剣心の過去と，薫や左之助，恵の出会いが描かれる，劇場版のベースとなる１本なので，予習としてぜひ見て，地上波での続編２作を楽しんでほしいと思う。

幕末の動乱に揺れる京都に“人斬り抜刀斎”の通り名を轟かせる凄腕の暗殺者がいた。彼はその神速の剣技と驚異の暗殺成功率で，幕府要人や佐幕派の武士達を震撼させていた。

それから10年後の明治11年。“人斬り抜刀斎”は緋村剣心（佐藤健）と名を変え，自ら立てた“不殺(ころさず)の誓い”に従い，斬れない刀“逆刃刀”を手に流浪の旅を続けていた。その頃，東京では“人斬り抜刀斎”をかたる男が現われ，無差別な人斬りを繰り返していた。亡き父の道場を引き継ぐ女剣士・神谷薫（武井咲）は，抜刀斎を名乗る男に一人で立ち向かい，危ういところを剣心に助けられる。

薫の道場に居候することになった剣心は，やがてニセ抜刀斎が実業家・武田観柳（香川照之）の用心棒・鵜堂刃衛（吉川晃司）であること，そして，観柳が女医の高荷恵（蒼井優）に作らせた阿片で世界征服を企むことを知る。元・新選組で今は警官の斎藤一（江口洋介）や，喧嘩屋の相楽左之助（青木崇高）と共に観柳の陰謀に立ち向かっていくことになる剣心だったが…。

シリーズに共通する特徴なのだが，とにかく剣心以外のキャラがことごとく個性的で腕っぷしが強く“剛”のイメージ。なおさらに剣心の穏やかで美しい“柔”のイメージを際立たせる。全てのキャラが作り手や役者たちに愛されているのが伝わり，だからこそ見る者も，ヒールにさえ感情移入してしまう。

スピード感のある殺陣の迫力はもちろん，原作・アニメ・実写ともにファンの多いこのシリーズ。原作者の和月伸宏が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で書類送検され，連載は休載中。続編の映画化も危ぶまれていたが，略式起訴(罰金刑)となり，動き出しそうだ。