偏差値帯別、過去問の捉え方 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 このようなブログや受験ブログのほとんどは、御三家や灘などに行く方々のものばかりであると感じます。そもそも、中学受験の大手カリキュラムは灘や開成にいくためのものと位置付けられており、カリキュラムもそのような子にアジャストしやすいように作られていることが多いです。

 

 ただ、特に都市部の中学受験では我が子の可能性を広げるためのもの、という位置付けになってきていて、全員が全員名門校→東大狙い、というわけではないと思います。

 

 御三家から少しの、海城や攻玉社、巣鴨、女子なら鷗友、吉女などを狙いつつ、中高6年間で本人の成長を待って、行きたければ本人がそこから頑張って国公立大に行く、無理ならその時点で良い大学にいく(公立からのコースより大学受験には有利)、というご家庭も増えています。

 

 無理やり名門校を狙って幼い子供に負担をかけて潰すよりは、僕としても良いのかなと思います。

 コロナ後の世界は、唯物論者・功利(合理)主義者だったり見栄っぱりな方ほど、世界がよりデジタル化して、精神がしんどい時代になると思いますので、中学受験に親が必死になりすぎるのは、やはり嫌な予感がします。

 

 精神の健康にも気を使っていきましょう。

 

 ただ、そのあたりの良い学校は開成レベルの子たちの滑り止めでもあるので、競争率は非常に高く、結果としてもう少し下の偏差値帯の学校になってしまうこともあるでしょう。

 

 四谷でいう偏差値50以下の学校を受験する場合と、57,8以上の学校を受ける場合とでは、過去問に対する考え方は全く違います。

 この辺りを混同している方がプロでも多いようですし、塾の先生も、どっちかよりになっていることが多いようですので、今日は基準を述べてみたいと思います。

 

 この間に位置する、50から57くらいまでの偏差値帯の学校は以下のどれかに該当はすると思うので、各自判断のしどころ、つまり勝負点となります。

 

 このブログでは受験学年秋以降の過去問の扱いを慎重にすべきであることを毎年言っています。この時期のブログの過去記事を参考にしていただければと思います。

 

 

・御三家、女子御三家、灘・甲陽またはそれに準ずる学校

 ……基本的に毎年傾向が変わらない学校が多い。だから10年以上やっても良いが、自分の成績が「当落線上」だと思う場合は、過去問をするより、先に、基礎演習をして固めた方が良い。この場合の基礎は、算数でいうとプラスワン問題集レベル。これが基礎と思えないなら、志望校のランクは落とすべき。

 このあたりの学校は、受かっても放任系のところが多く、親御さんが思うようなメリットはないかもしれず、あまりこだわる必要をプロ的には感じない。ちょっと落とした方が、私立中高一貫校の理想はあるかもしれない。

 

 このランクの子は、過去問を直すと答えを覚えてしまうので、同年度をやる意味は薄い。直しもそこそこでいい。

 

 

・偏差値帯57から63くらい、御三家の少し下になる学校

 ……基本的に競争率が高く激戦ミスが普通に命取りになる成績層。ある学校に人気が偏ると、実力相当でも落ちることが普通にある。

 ほとんどの子が「当落線上」のはずであり、学力に余裕はないはず(あるなら御三家レベルを狙うはずなので)

 

 だから、過去問は直近の3から5年分くらいにとどめ、空いた時間でひたすら良質な問題の演習をすべき。最後は量がモノを言うレベル帯。計算力もこの時期に軽視する子も多いが、逆。ミスしない練習をすべき段階の子が多い。

 

 特に、駒東や浅野・芝のように、数年で傾向が変わるところが結構あるので、その場合は、10年もやる必要はない。やってもよいが、その時間を例えば中学への算数を1か月分くらいやったり、4科のまとめで理社知識を固めたときと、どっちが学力があがるのかを考えて、見定めるべき。

 

 基本的に中途半端な学力だからこの層に甘んじているというのを自覚して、各個々人が自分の欠点を直しに行くべき偏差値帯。

 

 過去問に時間をかけすぎるのは危険な層。特に直しに時間をかけすぎたり、何回も同じ年度をしている暇がないことが多いので注意。

 

 

・偏差値50以下の学校

 ……このレベルでは、標準問題以下しか出題されない。しかも、ほとんど傾向は変わらないし、変わる場合は、直前の説明会で大体言ってくれる。秋以降の説明会で大体の傾向や出題分野を言ってくれるところも多く、そこさえ固めれば合格点にはいきやすい。だから、小6夏くらいからでも真剣にやると受かる子が出る。説明会に出ておくことが大事。

 

 基本的に過去問を何年分かやり、毎年または2回に一回出題される分野が、お決まりのパターンであるはずなので、早めに一年分やり、よく出る分野を他の問題集で固めて→再度挑戦、の繰り返しでよい。4割以下しか点数が取れなかった場合は、全問題を解説してもらったのち、2・3週間後にもう一度するのが良い。10年以上やってもアリっちゃありだし、最も効果は高い。

 ただ、一応、全範囲を基礎問題まで押さえていくのが良いとは思う。

 

 10年くらいやると、同じ問題がよく見られるので、(直しをやっていれば)段々点数が取れてくる。過去問直しが最も効く偏差値帯。3年やっても点数が上がってこない場合は、一旦止め、先に問題集をもう1周した方がよい。

 点が取れない場合は、ただの経験不足であることが多いので、1月まで過去問はしなくてもよいことも多い。そこらへんの腹決めも大事。

 

 

<注意点>

 といったところでしょうか。いろいろな塾でのやり方を見ていますと、この上記のうちのどれかのやり方をそのまま全員に押し付けることが多いように思います。

 

 問題は、志望校に対して、「当落線上」の成績層の子たちです。時間を無駄にすると、えらいことになります。

 

 特に、偏差値60前後の競っている層では、開成の子がやるようなやり方(15年分しろ、みたいな感覚)では普通に失敗しますし、かといって、偏差値50もいかない子用の反復のやり方でも無駄が多いです。基本的には、1,2回分やったら、しばらく置いて塾や家庭で基礎演習をし、1か月後くらいにもう一度違う年度をやってみるのが良いと思います。

 

 第1志望ばかりやりすぎて、時間を無駄にしないようにしましょう。偏差値帯で自分の平均偏差値が5以上、上回っているところは、まあ過去問など1・2年やれば必ず対応はできるので、そこでの時間のかけすぎも注意です。

 

 画一的な教育からは脱していくのがこれからの教育であろうと思いますので、各ご家庭ごとに過去問のやり方は考えてみるべきに思います。第1志望が偏差値67、第2が60、第3が55、というご家庭も多いでしょうから、学校ごとに過去問の対し方を変えても良いと思います。

 

 我が家庭にどれが当てはまるかは、上記の基準をもとに考えていただければと思います。

 

 

 それでは、今日はこのへんで。

 すでに直前期には入っています。今年もこのブログに集いし、縁ある人々の受験が、良きものになることを陰ながら祈っております。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

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