国語で得点がとれない方へ | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 国語で苦労する子が多いです。このブログにも毎年、多くの相談が寄せられています。

 

 いくら勉強をしても、それこそ結構読書をしていても、得点にならないことがよくあるようで、悩みの種となっています。国語に対して、親御さんをはじめ、プロの方々もいろいろことを考え、思っているようですが、大体、いい先生ほど似たような結論になってきます。

 

 このブログでも何度か見解を述べさせていただいています。その辺は過去記事に大体書いてますので、検索していただいて……終わり、というわけにも行きませんね(笑)(参照:https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12478254948.html

 

 僕も現役時代から鍛えていまして、国語にはかなり得意意識を持つに至っているのですが、点数になるまでにかなり試行錯誤をしています。読書をし、真面目に定期テスト勉強などをしはじめて、学年順位が上位になっても、なかなか実力模試でうまく点数がとれませんでした。

 

 僭越ながら、僕もかなりガチで国語に関しては考えておりますので、最近の実感などを述べてみたいと思います。

 

 

・ほとんど子は高校生になるとまあまあできるようになる

 ……今の中学受験は、はっきりいって、ほとんど大学受験の現国とレベルが変わりません。特に関東の上位校は、そのままセンター試験(大学共通テスト)と言っても遜色ないような難易度になっています。

 

 とくに開成や桜蔭、駒場東邦の国語は東大の記述入試を意識したものになっていて、かなりの難しさです。高校受験では、ここまでの難度のものはあまり見かけません。

 サピックスでは、これをバリバリ意識してどんな小さなテストでも小4からかなり書かせています。

 (この事実だけでも、いかに中学受験生が鍛えられるかがわかる)

 

 一方で、進学校に行けた生徒であれば、高校で現国を苦にする生徒がいない事実を親御さんには覚えておいて欲しいと思います。

 要するに、小学期という低年齢期に、大学受験とほとんど変わらないような論理的なものや、複雑な心理描写をとらえることを要求するから中学受験は難しいのです。

 

 つまり、ある程度発育を待てば、そこそこの問題なら6割くらいはできるようになります。それは文章に対する理解力が高校生になると上がるためで、どんなにダメな生徒でも、国語はまあ取れている子が多いです。

 その場合の差は、漢字の履修や、語句の習得具合によります。センター試験まではそんな感じで、語句だけ固めて、ノータッチでもまあ良いとも言えます。

 

 また、国公立大レベルになると、文章の書き慣れ具合や表現の論理性が問題にもなってきますが、それはまた高次元の問題であり、ここでは別問題とします。

 

 

・中学受験では諦観することも大事。攻めの諦観

 ……僕の実感では、小4から小5の夏くらいまでに読書習慣がつかなかった子は、もう、読書習慣が継続的につくことはないし、ついても点数に結びつくところまで行きにくいです。ですので、中学受験では国語の、特に記述の点数を期待するのはやや諦めたほうが良いです。問題演習を重ねたところで、安定的に7割にいくことはないでしょう。(上位校想定です)

 

 その場合は、まず他の教科でとっていく戦略が良いと感じています。小6からあたふたと読書をはじめても、これまでの経験上、大きな伸びにつながることはまあないです。(あくまで関東での激戦の中学受験での話です。僕は関西の中学受験で小6春くらいから本格的に読み始めていたりもします。興味を持ったなら読ませても良いです。受験などより良いものをつかみます)

 

 これは、大半の塾講師やプロも気づいていることとは思いますが、商売上言いにくいことでもあります。(僕は言っちゃうw)

 

 伸びたように感じた場合も、それは問題の形式や設問になれただけであり(そういう狙いなら問題演習や過去問もアリ)、記述などで再現性をもって、満点を狙いに行くようなことはできないでしょう。

 

 国語がわかっている子は確実に(再現性をもって)8割以上の解答を作ることができます。また、模試の解答などで甘い部分などを根拠をもって看破することもできます。そこまで到達する子は、小学生では1割程度、高校生でも3割くらいに思います。

 

 国語力と受験戦略は、本当にシビアな問題で、ここで時間を無下にする方が多いです。

 小5までで言っても読まない子は、もうおそらく自分から読むことはありません。小6になってから強引に読ませても中学受験では結果が出にくいです。一旦、読書を薦めたり国語を演習するのはそこそこにし、中学入学以降に期待しましょう。

 

 ですので、国語にこだわって貴重な受験期の時間を非効率的に使うよりは、演習をすれば確実に伸びる算数や理科・社会をやっておいた方が良い場合もかなり多いです。そうやって腹をくくる方が、受験(勝負事)というものはうまく行きやすいものでもあります。

 

 理社をやって、いろいろ世間の物事を思考しているうちに、国語の方もできてくる、というからくりも結構ありますし、僕が指導する場合はその辺りも狙っています。

 

 時間を無駄にしすぎると、そこそこの進学校でも難しくなってしまうことも最近では多いです。もちろん、小6で知能のある種の目覚めがきて、読書を始めればしめたものなのですが、そこに期待するのはある種博打です。一向に来ないこともあり得ます。

 やはり、中学受験をうまく乗り切るほうが、トータルでは良いと考えます。

 

 また、塾では、いろんな問題文を読んでいるはずで、そのバリエーションを経験すること自体、かなり小学生にはプラスです。進学校の高校生では、論理を養成しない現国の授業の効果は疑問ですね。

 

 

・入試の記述で満点を狙う必要はないし、そもそも無理。まずは20字くらいの記述をとるべき

 ……これは、四谷のSレベルのYTテストや、サピックスの国語での話です。これ以下、40字以下の記述は比較的満点、ないしは8割くらいなら簡単に取れます。

 

 といいますのも、20字から40字までの記述は、「ほぼ抜きだし」で大丈夫なものが大半で、問題文で訊かれているようなクサい場所を探して書くだけで良いです。

 

 全く国語ができない子は、このルールすらわかっていないことが多いので、短めの問題文の問題で練習してみると良いでしょう。日能研では、このあたりの初歩の記述がかなり丁寧かつ豊富にあり、国語に難がある子は、なんとかなりやすいです。

 逆にサピックスのカリキュラムは普段から全部が長文記述であり、読めない子、書けない子は、なかなかできるようにはならないでしょう。できるように見える子は、最初からできている子です。

 

 これを逆に考えれば、サピの子で国語ができない子は、別問題集で短い文章のものをすればよく、日能研の子は、御三家レベルを狙う場合のみ、やや長いものや記述の練習をすれば良いことになります。大手塾は、どこの塾でも完璧というものはなく、このように知識を得て、バランスをとればどこでも勝負することはできます。

 

 そのうえで、難しい記述(40字以上)で満点を狙っていく必要はあまりありません。0点でなければまずは良いです。半分取れれば、及第点とすべきでしょう。

 

 国語の記述においては、記述で0点がいくつあるか、でその子の国語におけるやばさ具合がわかります。記述で0点が多い子は、おそらく記号問題でもしっかり点数にはなっていないでしょう。4択問題なら、しっかり正答率が25%のこともありえます(ヤマ勘か、笑)

 

 国語の記述で0点になる要因は

・解答放棄、または時間配分のミスで白紙

・問題文で訊かれていることとずれていることを書いている

 です。

 

 △で2点でもあれば、まだ問題に答えられています。つまり、0点と2点の間には如何ともしがたい差があるのです。まずは記述で0点をなくすことが当面の課題になります。ある程度の速さで文章がよめて、問題文を読み、「何を訊かれているか」がぼんやりでもわかっていれば、0点はあり得ません。

 

 国語は小説文でも随筆文あっても、純粋な論理を問うものです。特別な準備はいらないかわりに、根本がわかっていないといつまでたっても点数はあがりませんし、実際に小6までではそんなにあがらない子も多いです。開成や筑駒にいる子も、そのほとんどが最近では算数タイプです。

 

 たまたま国語の文章の相性が悪いと不合格、相性がたまたまよかった学校に受かっている、ということもできます。

 

 特に男子の上位校では、全員の演習量が半端ではないので、算理社はほぼ8割から9割の勝負、差がつきにくく、「国語」での勝負になりやすいです。(ということは、算理社の演習が足りていないと、国語が良くても勝負にもならない、とも言える。このことから優先順位は明らか)

 

 上記のことは、逆に言えば、演習を十分にし、算理社を鍛えたならば「あとは縁」とも言え、(縁の力に)おまかせの心境になれることを意味します。こういう心境に到達できた子は、やはりプレッシャーにも強く、実力通りに勝っていきます。

 やはり、努力ができるところをまずはしっかりして、縁をつなげる形を作り、あとは「果報は寝て」待てば良いと思います。

 

 

・そのうえで、才能のなさを実感するなら、しっかり論理をとらえる練習をするとよい

 ……東大受験をするような子でも、現国ノータッチの人間が多いことに驚いたことがあります。まあ、彼らの才能からすれば、やっても6割、やらなくても5割といったところなので、差が無いし、効率悪いぜ、というところなのでしょう。

 

 たしかに、上記のようにある程度の読書量や読解力があれば、あとはやってもそんなに点数が変わらないのが現国です。しかも、毎回、どんな子でもそれなりに課題文によって上下差があります。

 それよりは演習すればした分だけ上がっていく数学や理社をやる方が、受験は勝ちやすいし、勉強をしている実感を持つことができます。

 それで、別に東大だっていけます。

 

 ただ、僕のような「凡才型で得意教科がない」ようなタイプであれば、下記のような本で、現国の解法を学んで、実践しておくことをおススメします。それで、才能や偏差値などで逆転合格を起こすことができます。(1から3まで3冊あります)

 

 

 

 

  これは大学受験用の本ですが、上位なら中学受験生でも使えることが書かれています。(3冊セットで読む方が本質がわかります。3冊目は要約がある)

 

 夏前には、「おススメ問題集大学受験編」をやろうと思っておりまして、そこにもこれが入ってくると思います。灘→理3の佐藤ママもこれを我が子にさせていました。あれが流行った時期的に、僕のブログ(2010年くらいにはおススメとして出していたw)みたんじゃねえの?、と疑ったくらいです(笑)

 

 基本的に、論理力を鍛えていけば、この出口汪さんの論理の捉え方に、みなさんなっていくと思います。それを、最初から正解に近いものを知っておくのが良いのでは、という意味あいもあります。

 

 普通に漫然と勉強をしていると一生到達できない子も多いです。論理性は社会人になっても役に立つので、受験学年の前に鍛えておくのが理想ですね。

 

 また、あわせて言っておきますと、国語が点数を取れる形でちゃんと教えられる先生も少ないです。(僕の中高では一人だけ。塾講師時代でも、ちゃんと教えられていたのは一人か二人。率は1%ないのでは?)

 

 また、7月中旬くらいに補足を書きたいと思いますが、この本には、そもそもの「線の引き方」「論理の捉え方」などが、センター試験の過去問などを通して解説されていて、「ああ、こうすれば満点狙えるのか」というノウハウがわかります。

 読んだだけではなかなか難しく、自分で実践を繰り返して、自分流を作らないといけないのですが。

 

 これができるようにまでなれば、他教科でもしっかり問題を読んで「論理で答える」という理系的なセンスの基本が身につきますし、テストや社会で要求される論理性の基本にもなります。受験以外のプラスも大きいです。

 

 これを高3になってからやっていては、上記の中学受験生と同じく、得点効率が悪いので、中3から高1で読んでおき、高2くらいで実践、高3は演習して伸びるものを中心にする、というのが戦略としては良いでしょう。

 

 

 ただ、以上の場合も、読書経験をしておくことが、直接点数に結びつくわけではないものの、大きいです。直接結びつかない、とはいうものの、結びつくのは間違いないという確信も、僕は持っています。

 

 読書は、頭自体をよくしていくし、知能も読書以上に伸ばすものをまだ僕は知りません。これは何度もこれからも繰り返し言っていくことでしょう。

 

 その他、記述でよくやるミス、などの具体対策も書きたいのですが、長くなったのでまた、それはいずれ。(書くのめんどくさいので、またライブ配信にしようかなw)

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

リブログ、リンク、引用等は基本自由です。もちろん、一報いただけると助かりますが、特におしらせいただかなくても大丈夫です。リブログしていただければ、「いいね」くらいはしに行きますw

 

スーパーコンサル2020、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、メールをください。(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

メールアドレス、hasetomo2009☆yahoo.co.jp(☆を@に変えてください)

 

また、小6から定期指導(月2または月4)をご希望の方は、早めにその旨お伝えください。できれば、新学年前に一度コンサルなどで課題点や学習計画などを相談したほうがうまくいきやすいです。家庭教師の方は下記をご参照ください。(2020年現在、毎週の指導は厳しい状況です)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12514934840.html

 

足軽割引き(僕のバンドのライブに来てくれた方やバンド関係者の優遇)を行っています。数回ライブに来ていただければ、誰でも関係者になれます(笑) 下記記事をご参照ください。

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12528522329.html

 

 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

5年生以下や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、茨城、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

<追記>

この度、僕がベース軍師として加入している戦国バトルメタルバンド『Allegiance Reign』の初MVが公開されました。小田原城全面協力の元、色々な方々の助けもあって、素晴らしいものが撮れましたので、是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるヤツです。

◆MV
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0

 

また、4月22日には初のフルアルバム『EiEiO』が発売となります。ブログでお世話になってっし、応援してやるか、という方は是非お願いいたします。この売上で、今後の僕らの流れも変わりますのでm(__)m
今回はレーベルにバックアップしていただき、アマゾンでも買えますので、よろしくお願いいたします。

 

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