国語に対する考え方(2019アプデ版) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12098289199.html

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12425134589.html(3年後)

 

 国語の相談が最近は多いです。実は算数と同じくらいの数で国語が苦手な子がいる感覚があります。

 過去に上記のような記事を過去には書いていますが、上記の記事も「まだまだだな」と自分で自分の過去記事を想ってしまいます(笑)

 

 基本的に読むのが遅い、というのが受験国語では点数が下がる理由です。ですが、この対処として速読をおススメしないのは、何度も言っている通りです。速読に関しては、下記のメンタリストの方の動画が分かりやすいです。

https://www.youtube.com/watch?v=IXMW9ek3Arc

 

 あまりにたくさんの国語で点が取れない子のコンサルを経て、今の感覚を書いておきたいと思います。

 

 まず、大手進学塾の模試で一桁の順位をとる、きわまった天才君たちでも、国語の満点は狙えません。算理社はたとえサピであっても、あの膨大な教材を片っ端からやっていれば、満点をとることができるし、数人のそういう子を過去にも見ています。

 

 ただ、そういう子でも、「国語の出来で順位が変わる」という感覚があります。ハマれば150点満点で140以上だが、そうでもない時は130くらいのこともある。そうすると、国語の出来だけで、全国順位が変わるのです。(まあそんな感覚になってみたいわ、という本音もありますがw)

 

 たしかに、同じくらい点数がとれない子が多い算数では、演習を繰り返していくうちに、どんなにできない子も着実に点数は上がっていきます。受験というのは、最終的に合計点でボーダーを超えれば良いのであって、6割くらい取れれば、どんな学校でも合格の可能性は生まれることになります。

 

 賢明な講師は、やはり、受験学年になってからの国語の対策しすぎには警鐘を鳴らします。というのも、国語は問題をたくさん解けばできるようになる、というものではないからです。

 国語の苦手を克服、とは、「知能そのものをあげる」「知性そのものをとらえ直す」ことになりやすく、普段の受験勉強のもっと根本から変えねばならないので、受験学年でのやりすぎはあまりおススメしません。小2から小5、中1・中2ですべきことに思います。

 

 国語などそこそこにしておいて、確実に点の稼げる他教科で安定させ、中学受験くらいならそこそこのところで突破するのも戦略としてはアリに思います。(中学入ってから読書よーけしろよ)

 

 上記の動画のメンタリストの方も言っていますが、「文章が読める」とは、基礎知識や日本人的常識がある程度あることが前提です。基礎的な知識があってはじめて文章に対して理解が進み、速く読んだり、読み飛ばしても理解ができたりするのです。

 すると解くスピードもあげることができます。スピードが上がれば、最後の問題まで解答でき、良い点数になりやすいです。

 

 つまり、決定的に読書量が足りず、基本的な日本語の言い回しもあまり知らない状態でいくらテクニックに走っても無駄なのです。また、たくさん問題演習をしても有効な点数の上昇は見られません。線を引くなどの手段も、うまく機能しないことでしょう。

 

 特に、本を読む子は小さなころからそれはそれはたくさん読んでいます。いろんな家庭を回っていると、そのあまりの違いに驚愕することが多いです。(まあ、もう慣れましたが) 

 比して僕の少年時代も、まあ決して多い方ではないですが、昆虫や電車の本、図鑑に伝記でそこそこの読書量だったとは言えると思います。ただ、僕の場合はやはり中1以降の読書が人生を変えていますね。読書は確実に人生を好転させます。

 

 

 最近では、4月の四谷の合不合や、先月の5年組み分け、サピの先月のオープンの国語、などが非常に文章が膨大で厳しいテストでした。平均点も低かったです。

 

 が、その膨大な文章を本を、読むのが習慣化している子は最後まで解答でき、いつも通り100点以上(150点満点)をたたき出しています。一方で普段はそこそこの点数の子でも、大きく持ち崩す子も多くいました。

 

 いわゆる「開成形式(長い課題文1題に設問が15問前後、記述たくさん。東大の二次の現国の1番を模したもの)」を意識した模試でした。

 ですので、開成や駒東を受けない子からすれば、結構どうでもいいデータになってしまうのですが(だから極端に落ち込む必要はないです。また100点以上の方もぬか喜びしないことです)、やはり本格的に読める子は、どんな形式でもビクともしないものであることを再認識した形となりました。

 

 実感として、このような長文形式で持ち崩すのは、以下のような特徴と問題があります。読むのが遅いのは前提すぎるので書いていません。なぜ遅いかを考えたいと思います。

 

 

・言葉を知らない

 ……受験生にとっての言葉のいわゆる「語彙」は、語彙をつけるような問題集をやっても効果はしにくいです。語彙は普段の漢字テストでつけるものです。漢字を習う時には、必ず用例があるはずでそれは大抵、いい感じの熟語になっています。そこで、漢字テストのついでにいろいろな言葉を覚えていくのが最短ルートなのです。

 

 例文もありますし、漢字テストは語彙拡充にはうってつけなのです。これを熱心にやっていない子が多いです。国語が苦手だと嘆く前に、まずは日々の漢字演習や語句(四字熟語、慣用句)の習得を目指したほうが、いろいろと好転します。

 

・俯瞰で自分をみることが苦手で、時間配分も下手

 ……そんなに長い文章量、問題量なのに、普段と同じ解き方・ペースでは通用しないことは明らかです。それを問題をめくった時点で感じ、モードをあげて、パワーをかけることも覚えなければいけません。

 

 入試は、当たり前ですが、過去問と同じものは100%でません。何がくるかはわからないものなのですから、何が来ても、そのたびにそれに応じて柔軟に対応する練習をこういうところでやっておけば良いと思います。相手にあわせてこちらも動けば良いので、感覚的に楽な部分があると思うのですが。

 

・線引きすぎ問題

 ……俯瞰ができていない子に多いのが、この「線引きすぎ問題」です。真面目な生徒で、先生の言いつけをしっかり守っている子に多いのですが、とりあえず「大事っぽい」と思えるところに全部線を引いてしまうので、却ってどこが大事かわからなくなる、というケースです。

 

 全文章の10%くらいに線引きをするくらいがちょうどよく、論説でも30%以上引くと、却って分かりにくくなります。5・6文につき1文くらいですかね。まあこの辺の数値も絶対ではないです。

 

 全部が大事に思えても、「その中でも作者・筆者が伝えたいところはどこか」を考え、より抽出して、10%くらいにすべきです。その抽出する感覚そのものが、「相手の言いたいところを感じる」という国語力そのものでもあります。

 

・単なる気のせい

 ……これも多いです。算数などでも、長文の問題文があると、それだけで「無理そう」と先入観を抱き、得点力が落ちる子が多いです。人間の想いの力は、思いの外強いものです。こちらがなんのヒントも与えなくても、問題文・課題文を3回読ませれば分かる場合も多いです。(まあ、傍線部の周りの段落だけでも可)

 

 それは、単に読み込みが足りないだけであり、まずは3回読むつもりで解答すれば良いです。また、どんな難問も、嫌がらずに3回じっくり読むと、突破口くらいは見えることもよくあります。テストでは時間制限がありますが、わからないものは2回くらいは読んでも良いかもしれません。

 

 数回読んでもわからないものは、かなりの難問であり、どうせ他の子もわかりませんから、解けたらラッキーくらいの感覚でよく、テストの駆け引きでは大事ではなくなります。

 

 まずは、わからないものも、3回くらい読む心意気が大事です。3回読んでできたのであれば、国語が苦手、という感覚自体が「気のせい」である可能性が高いです。解けばできるのであり、取り組み方、精神性の方が問題であるわけです。

 

・問題文が読めてない

 ……読書をしているのにできないパターンの子は、ほとんどがこれに該当します。中学受験では、意外に問題文が難解なことが多いです。作問者がなにを訊いているのか、をしっかりキャッチする練習をすれば、点数が安定することはよくあります。

 これは普段の塾の演習などで「何きいてんのかな?」と、毎回意識するだけで上がっていくことも多いです。

 

 

 最後に国語という教科の現状を述べておきましょう。

 

 まず、国語とは純粋な論理を問う教科です。小説でも同様です。問題文がこう来て、設問にこうあるのだから、「こうである」と簡潔かつ、明解な論理で詰められるものです。ですから、基本的な日本語的な素地ができた高校生なら、ほとんどが現国ならそこそこできます。

 

 結構偏差値が低い子でもごく普通に(といっても確実性はなかったりしますが)できたりします。国語が一桁の点数になることはほぼないです。数学や英語、社会などではゼロ点も普通にあり得るのですが、国語はありません。だからできると思って油断したり、後回しにされる現実があります。

 

 センターレベルのものより中学受験の国語の方が難しい、もしくはほぼ同じくらいの難易度であることも多いです。ですから、小学生でそれを解くのですから、よほど老成していないと、受験国語で高得点を安定してとることは不可能です。

 

 まずは、そのことを親御さんは知っておいてください。そして、国語が少々悪かろうと、日々のことを地道にしていれば必ずじわじわと点数は上がってくるものなので、慌てる必要はありません。ちょっと悪かったくらいで変に慌てて、算数や理社の時間を国語に使いすぎてしまうと、受験にも大きな影響が出てしまいます。

 そこはまずは漢字テストから頑張りましょう。

 

 

 また、これは僕なりの不満なのですが、国語の解答・採点は、塾ごとに基準が違いすぎて、気持ち悪いです。林修先生も、センターの現国悪問13年周期説を唱えていますが(笑)、この文章でこの訊き方でなぜこの解答なのか、に疑問符がつく問題も年に数回見かけます。

 

 また、採点もキーワード採点でテキトーにしているのがバレバレであり、正しく論理力を見る問題になれていないことが多いです。大量の人間の解答を丸付けするので限界があるのはわかりますが、AI採点の後は、人間の目も時間がかかってもいいので、入れて欲しく思います。

 

 これから、ますます記述が増えていくのが今後の受験界の流れです。

 まずは小4くらいまでに、日本語的な常識を高いレベルでつけることを目指しましょう。そのうえで、年30冊(活字が主なモノ)くらいの読書は基本中の基本であり、できていない方は、中学受験は苦戦を覚悟せねばならないことをここに明記しておきます。

 

 とはいっても、強制で読ませても読むもんでもなし、難しいところではあります。

 

 そういえば、年配の方によく触れる子は頭のいい子が多いです。祖父母にどんどん預けるのも良いかもしれません(笑)

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

スーパーコンサル2019、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)メールをください。

 

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

メールアドレス、hasetomo2009☆yahoo.co.jp(☆を@に変えてください)

 

また、小6から定期指導(月2または月4)をご希望の方は、早めにその旨お伝えください。できれば、新学年前に一度コンサルなどで課題点や学習計画などを相談したほうがうまくいきやすいです。家庭教師の方は下記をご参照ください。(2019年現在、毎週の指導は厳しい状況です)

http://ameblo.jp/jyukuko/entry-12078350127.html
 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、茨城、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

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