国語ができない、と一口で言っても、やはりタイプがあることを僕は感じています。
そのタイプは簡単で、大別して
・物語系ができない
・説明文系ができない
この2タイプがあります。もし、国語の点数を上げたいとしたら、まず自分がどちらができていないかを自己判断するとよいです。どの能力を伸ばせばよいかが、少し違うのです。
<物語系ができない>
経験上は、こちらのタイプの方がタチが悪いです。この原因は、『見えないもの』が推測、想像ができない、ということにつきます。見えないもの、の代表格が「他人の気持ち」です。
殴られたらどんな気持ちかな、戦争に負けて子供たちに話かけるときのお父さんの気持ちはどんなかな、など、シチュエーションごとにその気持ちを「わかって」あげられるか、が大事です。やはりこれができない子は、その内面自体が幼い場合が多く、中学生くらいでもできない子が最近では結構多いです。
概して、このような子は、怒られて拗ねたりいじけたりするタイプが多いです。拗ねて親に当てつけられるという行為自体が非常にある種利己的で、他人に依存している行為ではあるのです。どこか、甘やかされている部分があるのかもしれません。
やはり親の気持ちなどに考慮、思慮が向かないことから生じる現象であることがわかります。
この解決はもちろん、自分が苦労して苦労した人の気持ちがわかるようになる、など受験そのものを通じた経験が必要になる側面があり、成長を待たねばならない部分があります。今すぐにどうこうなる、というものではありません。直前に入試がせまっているなら、ある意味国語は、語句固めなどに終始し、国語以外の他教科でしっかり押さえていく方が良いでしょう。その方が、国語も上がったりします。
また、ここから年少時に何かを一生懸命させる、ということがもっとも大事になる、と言えます。一生懸命何かをやったことがないと、物語などの主人公が経験するいろんなことがわからないのです。また、ただ一生懸命させる、というのでなく、成功体験を得るまでさせる、辞めたいからといってすぐ辞めさせないというのが大事ではあります。
でも、最近の子は、何かに一途に打ち込む、ということが本当にできないんだな、とよく感じます。勿体無いことです。
<説明文系ができない>
これは、論理部分が日本語から読み取れないことが原因となります。小学生には結構多いです。
やはり他人に何かを説明する時には、最初に結論めいたことをほのめかし→具体例→まとめ→展開→結論もう一回、などの形をとるのが最も他人に伝わり易いし、分かり易い文章となります。その構造部分が大局で追えないという子が、説明文が苦手になる一因となっています。
コツとしては、長い文章のどこが結論(作者筆者の言いたいところ)で、どこが具体例で(これは分かり易いはず)、どこが論理の展開(主張などをまとめたり、逆にいったり、二つを比べたりといったもの)かを判断しながら読むとよいです。そのような意識すらしたことがない、という子が大半のはずなのです。
少しそのようなことを分析してみながら読んでみると、日本語の構造などの知見が深まり、よい発見もあることでしょう。小学生だと一人では厳しいので、親御さんと一緒にやってみる必要があるかもしれません。
以上のことは、やはり読書経験がたくさんあると言われなくてもできてしまう側面があります。
間違っても、「つまり」の後ろはチェック、「ところが」があると段落変わる、などの記号による「暗記」のようにとらえないようにしていただきたいです。言語はある種記号ではあるのですが、内包する「意味」を持ちます。しっかり文章の流れと内容でその辺も判断できるように目指していくことが大事です。ここで、そのような「楽さ」に流れてしまうと、経験上、もう本格派にはなれないと思います。
国語の点数を安定させようと思うと、読書をたくさんしてきた子でも意外に厳しいことが結構あります。そのような時に、得意意識を持っていても、謙虚に上記のような分析をしてみると、確実にセンターで8割くらいは取れるようになります。
国語こそは、特に習わなくてもそこそこ日本語ができれば皆でき、且つ、文章からの純粋な論理の駆け引きでできるものです。やはり僕はこの教科を最も重要だと位置付けします。やはり、有名私立の子ほど、たくさんの課題図書が課され、また、言われなくても本を読んでいます。
また、読書の効果は、読んでみた者にしか本当にはわかりません。周りの大人や友達などの刺激が読書に向かわせるには大事になるのです。お子さんが本に興味を示しそうであれば、少々はお金をケチらずに使っていただきたいなと思います。よい先行投資でしょう。
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