マッカの史跡と帰国の日【メッカ巡礼に行きました (13) 完】 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

6日間のマッカ滞在のあいだ、基本的には🕋で1日中さまざまな崇拝行為を行なって過ごすのですが、

 

隙間時間に、マッカ市内の観光にも行きました。

 

といっても巡礼ツアーですから、周るのはすべて宗教的なスポットです😀

 

 

🌙 ヌール山جبل النور‎ にある ヒラー洞窟 غار حراء

 

預言者ムハムマドがアッラーからの最初の啓示を受けた洞窟が、このヌール山にあります。

 

 

 

預言者はこの洞窟にきては瞑想や思索をしていましたが、40歳のある日、そんな彼の前に天使ガブリエルが降臨✨して、以下の啓示👇を伝えました。

 

誦め、”創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた” と。
誦め、”あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。

     人間に未知なることを教えられた御方である。”と。(クルアーン96「凝血」章 1-5節)

 

↓原文を朗誦で聴いてみる!

 

 

その洞窟まで登っていくこともできますが、

 

サウジ政府🇸🇦も我らがツアー会社も、こういう場所を神聖視するのは違う、という考えなので私たちは遠くから見ただけ🔭

 

ショッピングモールに、その洞窟の等身大レプリカがあったので、そこには入ってみました😁


 

ちなみに、この最初の啓示が降りたのはラマダーン月27日の夜🌙で、

 

ライラトゥ・ル=カドル(みいつの夜)(🇹🇷kadir gecesi)と呼ばるその記念日は、行なった善行が3万倍にカウントされる、一年で最も神聖で恵み多い時と言われています。

 

 

 

🌙サウル山  جبل ثور

 

預言者が迫害を避けてマッカから脱出した際、この山中の洞窟で休憩を取りました。

 

しかし追手が近づいてきて……❗️

 

 

 

その時、アッラーは洞窟の入り口に、蜘蛛🕷に巣🕸を張らせ、鳩🐦には木に巣🐣を作らせました。

 

これを見た追手は、この洞窟には人が入ってないと判断し、預言者たちに気づきませんでした。

 

映画『The Message』より

 

 

🌙「ジンのモスクمسجد الجن」と「樹のモスクمسجد الشجرة

 

ジンのモスク。この20mくらい先に樹のモスクがあります。

 

ある時、ジン(妖怪みたいな人外生物が預言者に、「お前が本当にアッラーの預言者なのか証明しろ」と挑発しました。

 

預言者のが呼ぶと、向こうに生えていたマスティック・ガムの木🌳が、「ラーイラーハイッラッラー(アッラーのほかに神は無し)」と、地面に根で書きながら✍️歩いてきて、預言者であると証言しました。

 

ジンが挑発した場所に「ジンのモスク🕌」、木が生えていた地点に「樹のモスク」があります。

 

 

 

さてさて、我々のおこなったウムラ(小巡礼)は1日で終えることができる内容ですが、

 

ハッジ(大巡礼)は5日がかりで、行く場所も儀礼もたくさんあります。

 

ハッジで周るそれらの場所も、見るだけ行ってみることにしました。

 

 

 

🌙ミナー  منى

 

大巡礼ハッジでは、1日目にマッカでタワーフ👈とサァイ👈をした後、2日目にはミナーに移動🐪して一夜を過ごします🏕

 

そのためミナーには、世界各地からやってくる200万↑の巡礼者たちを野営させるため、見渡す限り一面に延々とテント村が広がっています。

 

これだけの大量のテントが、一年に一度しか使われないというのもすごい話。

 

 

ミナーは、預言者イブラーヒーム(a.s)✝️✡️アブラハム)が、息子イスマーイールの代わりに羊を犠牲に捧げた🐏ナイフ場所なので(←ムスリムにとって。✡️ではエルサレムの岩のドームがその場所とされていますよね)

 

ハッジ巡礼では、最終日にここで犠牲獣を屠ります。

この日は犠牲祭に当たりますので、世界中のムスリムもそれぞれの場所で犠牲獣を屠ります。

 

 

🌙アラファート山  جبل عرفة / عرفات

 

ハッジで3日目に向かうアラファート山は、アーダム(a.s)とハッワ🐍🍎✝️✡️アダムとイヴ)が天国から地上の別々の場所に降ろされた後、ふたたび再会した地点

 

 

 

預言者ムハムマドが人生最後となる「別離の説教」を行なったのもこの山上。

 

ハッジ巡礼者は、ここで日中ウクーフوقوفと呼ばれる滞在をし、祈りを捧げて過ごします。

 

 

 

🌙ジャマラート橋  جسر الجمرات

 

4日目に巡礼者はミナーに移動し、悪魔👿に見立てた石柱(ジャムラ)小石を投げつける儀礼を行い、悪魔の誘惑に打ち勝つ✊決意を表します。

 

これも預言者イブラーヒーム(a.s)=✝️✡️アブラハムの故事にちなんでいます

 

 

ここも普段は閉鎖されているので、私たちはバスから外側を見れただけ。

 

 

 

そんなふうにすぎて行ったマッカでの日々。

 

途中には、一年で2番目に神聖なバラートの夜 ليلة منتصف شعبان があり、一晩中🕋のそばで過ごすことができました。

 

いよいよマッカを離れる日、子供たちと共にカアバ🕋に行って、少しタワーフをしました。

 

 

 

万感の思いを胸に、カアバから少しずつ離れ、マスジド・ハラーム🕌から出ました。

 

バスに乗って、🕌のミナレットが少しずつ遠くなっていく時の寂しさ、不安感といったら!

 

あんな安全で清らかな場所から、汚く乱れて悪意に満ちた俗世に戻らないといけないなんて‼️

 

 

 

空港に着いてラウンジに入ると、テレビでは例の24時間マスジド・ハラームを映すチャンネルが映し出されていました。

 

さっきまでそこに居たのに、もう画面の中でしか見れない場所になっているという事実を突きつけられて、なんとも悲しい。

 

 

 

イスタンブルについて、大都会の夜🌃を車窓からみると、

 

穢れなき空間で清らかになった心身が、欲と俗にまみれた俗世であっという間に汚れていきそうな、恐れに似た感覚になりました。

 

天国から地上に追われたアーダム(s.a)とハッワ🐍🍎の絶望が少し分かるようでした。

 

安心してくださいというか、残念ながらというか、今ではすっかり以前のように俗世をエンジョイしております😅

 

 

それ以降、我が家では毎日、あのカアバ🕋を24時間映し続けるチャンネルを観ています。郷愁でしょうか。

 

その気持ちを胸に私たちが目指すべきなのは、マッカに何度も行くということではなく、

ハッジは別ですが

 

あの何億倍も安らかで清らかな天国に行けるように、日々の自分の行いを正していくことなんでしょう。

 

帰国後 娘が描きました☺️

 

 

長かったウムラ巡礼記、これにてでございます🌙