カアバ🕋のまわりを回るタワーフのあとには、サァイالسَّعيという儀礼に進みます。
サファーالصفاとマルワالمروةという、カアバちかくの2つの丘⛰の間を7往復するもの。
丘⛰️といっても、今ではマスジド・ハラーム🕌内に取り込まれていて、
丘と丘をつなぐ往復の通路は、やたら近代的✨に整備され、まるで空港かなにかの建物みたいです。
この儀礼は、イブラーヒーム(s.a)(✝️✡️アブラハム)の息子イスマーイール(✝️✡️イシュマエル)の母ハージャル(✝️✡️ハガル)の体験に因んでいます。
老年まで子に恵まれなかったイブラーヒーム(s.a)は、老妻サーラーの勧めで若い女奴隷ハージャルから子を得ようとします。
しかし、ハージャルが妊娠した後、高齢のサーラーも身篭ったため、ハージャルとその子イスマーイール(s.a)は砂漠に追放されてしまいます。
旧約聖書📖のアブラハムの話と同じです
持たされた食料も水も尽き果て、幼い息子が死にそうになり、
ハージャルは何か見つけられないかと、必死で二つの丘の上に登っては、急いで我が子の様子を見に戻る……を7回繰り返しました。
現在のサァイの通路は大理石の平らな床ですが、ハージャルが走ったのは谷の道、歩いたのは岩の丘。
それを追体験するため、ハージャルが走ったとされる箇所は天井には緑色のライトが灯されていて、男性はそのゾーンでは小走りする決まりです🏃♂️
小走りになる男性たち
ハージャルは女性なのに、なんで女性じゃなく男性が走るのかな?と思いましたが、まぁ女性達はすでに子供たちのために毎日走り回ってますしね〜
それにしても、マディーナから6時間バスに揺られ、1時間強かけてタワーフしたあとに、3.2kmのサァイを歩くのは、けっこうキツいです暑いし……
これが体力的に難しい人のためには、車椅子👩🦼とそれを押してくれる係員のサービス、車椅子専用レーンなどが整備されてましたよ。
さて、ハージャルはその後どうなったのかというと……
7往復目に息子のもとに戻ると、そこには天使ジブリール(✝️✡️ガブリエル)がいて、足元から湧く水を飲んでいるところでした。
飲み終わってもどんどん流れ出てくる水に、思わず「ザム!ザム!(止まって、止まって!)」と叫ぶハジャール。
つまりサァイという儀礼では、
ハージャルの苦難につづく神の慈悲の経緯を追体験することで、どんな事象にも神の恵みと采配があることを実感することができます。
ザムザムの水はあらゆる病いの癒しと言われ、これを飲むこと🥛も巡礼のリチュアルの一つ。
マスジド・ハラームの内外あちこちに、汲んだザムザムを提供する場所があり、マディーナの預言者モスク👈にも毎日輸送されているので、
巡礼者は、マディーナとマッカの両方の聖地で、毎日好きなだけザムザムを飲むことができます。
預言者ﷺもマッカからザムザムを土産に頼んでいた、ということもあり、ザムザムは大昔から巡礼者の故郷への土産品🎁です。
誰かが巡礼から戻ると、持ち帰った貴重なザムザムは、ほんの一口ずつでも多くの人に振る舞い、もらった人は祈りを唱えてから口にします。
私もこれまでに何度か、そういうザムザムの御相伴に預かったことがあります。
この伝統もあり、商業目的での国外持ち出しは厳禁🚫のザムザムの水を、巡礼者は一人5ℓを上限に持ち帰ることが可能です。
しかも、トルコ航空は✈️は、ザムザムは預入荷物の重量に含まない⚖️、という、これまた巡礼者への特別配慮🙌をしてくれるので、やはり応援されてる感があって嬉しいです。
これを我が家は子供の分も含め4本、20ℓ持ち帰ることができました💕
話が前後しますが、ザムザムの水を飲んで、サァイを終えると、ウムラの儀礼をすべて達成したことになります。
男性は髪を剃って、女性は一つかみの髪の束を切ったら、やっと巡礼の諸々の禁忌から解放されます〜🙌
髪を剃ってもらうオット。地下に床屋が並んでいますが、オットたちはホジャにやってもらいました。
というわけで、الحمد لله ついにウムラ小巡礼を終えることができました‼️
子供たちも、大人ですら体力ギリギリのところ、本当によくがんばりました💮💯😭
子連れで来る人もいないわけじゃないですが、置いてくる人が圧倒的に多いです
読んでくださる皆様も、こんなディープな宗教ネタにお付き合いくだり、ありがとうございます💕
もう少し巡礼旅行記は続きますが、息抜き的に、違う話題も挟んでいく予定です😀
モスクの外側から見た丘部分