皆さんこんにちは。
JWCの佐草です。
早速ですが、今回はご報告があります。
3月31日、4月1日と、連日で保護されてきた二頭の疥癬症のタヌキですが、先月の半ば、残念ながら亡くなりました。
二頭とも、かなり重篤な疥癬症で、最初に運ばれてきた子は肺炎も併発しており、翌日に保護されてきた子はそもそもがかなりの高齢のようでした。
二頭とも、常に予断を許さない状況で、容態は一進一退を繰り替えしていました。
そんな中でも、皮膚の状態は日に日に改善していき、一時は食欲も出て、餌を完食する様子もありました。
保護当初の皮膚
保護から2週間経った頃の皮膚
しかし、やはり疥癬症にかかってしまった際の身体の負担は大きかったようで、約3週間経った頃、最初に保護された子が亡くなり、その後、後で保護された子も残念ながら息を引き取りました。
二頭とも、症状が重い中、ここまでよく本当に頑張ってくれました。
回復させ、また自然の中に帰してあげることを目標に、その時々で最善を考えて治療にあたったものの、こういう時は、もっと他にしてあげられることはなかったのかと、悔しい想いばかりが募ります。
疥癬症は、様々な文献でも非常に致死率の高い病気とされています。
実際に、当団体にも毎年疥癬症のタヌキが多く保護されてきますが、そのほとんどが亡くなってしまい、自然の中へ帰してあげられる子はほんの一握りです。
今回の二頭も含め、そういった子達を見送る度に思うのは、『疥癬症にかかってしまう子を少しでも減らせたら』ということです。
だからこそ、『野良猫の餌を外におきっおぱなしにしないで欲しい』『タヌキの餌付けをしないで欲しい』ということを、毎度私たちはお願いしています。
実際には生体実験を行った科学的根拠があるものではなく、『ペットのワンちゃんが、キャットフードを常食すると体を壊す傾向があることから、イヌ科のタヌキにも同じことが考えられるのではないか』『タヌキは、雑食性とはいっても自然の中では木の実や昆虫など、そもそも粗食で生きている為、ペットフードは体に合わないのではないか』という見解、そして、当団体のこれまでの聞き取りにより、疥癬症のタヌキが発見された場所で、タヌキがキャットフードを食べていた、もしくは与えていた、という情報による、あくまでも推察です。
ただ、その可能性が1%でもある限り、私達はこのことをお伝えし続けたいと思っています。
今回は訃報のご報告が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
亡くなってしまった二頭の命を無駄としないよう、これからの子達の為にできることを模索して参りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【保護時のブログ】
ハルミ、カブラ、よく頑張ったね。お疲れ様。
次生まれ変わったら、もっと長く生きていけますように。