【保護情報】3月の最後に運ばれてきた疥癬のタヌキ | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは
室中です🍀

さっそくですが、今回は新しい保護情報です。
昨日、疥癬症のホンドタヌキがセンターへと運ばれてきました。
保護した方が発見した時には、歩道で動けなくなっていたそうです。

センターに運ばれ、その姿を目にすると……

背中とお腹の毛はもう既にありませんでした。
目もうつらうつらとして、心臓疾患も併発しているのか、苦しそうな呼吸をしていました。


※今回保護されてきた子は重篤な疥癬症でした。写真の閲覧にはご注意ください。




↓背中


まずは、センターに到着してすぐに駆虫薬を滴下しました。

少しでもご飯を食べることができればと、すり潰したサツマイモと細かく刻んだ鳥の胸肉・レバー・リンゴとお水も入れてみましたが、食べる素振りが全くなかった為、皮下点滴で水分補給と、ビタミン・抗生剤の投与を行いました。




その後、しばらく落ち着いた様子で横になっていましたが、やはり苦しそうな呼吸を繰り返していて、正直昨日の夜がこの子にとっての山場だと思いました。

しかし、頑張って朝まで乗り切ってくれたので、昨晩から今日の朝にかけて静脈点滴を続けました。

その後、栄養価が高い療法食をお湯に溶かしたものをシリンジに入れて口の中に少しづつ入れるとペロペロと舐める様子が!



そのあと、今度はお湯に溶かさずに与えてみると起き上がって少しずつ食べてくれました!



自分で水を飲む様子も確認できました!



お世話は、感染予防の為、隔離室で人数を制限し、防護服を着て行っています。





また、疥癬症のタヌキの保護やお問合せがあった際、必ずJWCでは『発見場所近くで猫餌をあげている所はなかったか』、というヒアリングをさせていただいているのですが、今回も同様のご質問をさせていただいたところ、やはり、お近くで野良猫に餌をあげている場所があり、「タヌキが食べに来ていた」とのことでした。
皆さん、お優しいお気持ちでしてくださっていたことだと思うので、毎度、疥癬症とペットフードの関係についてお話するのはとても心苦しいのですが、今回、保護してくださった方にも、もし宜しければこのことを周りの方にもお伝えいただければ、とお話しさせていただきました。


まだ予断を許さない状況ではありますが、一生懸命頑張っているこの子の為に、少しでも回復することを願って最善のことをしていければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました

※感染予防の為に、施設にいる他のタヌキ達にも駆虫薬を滴下しています。


《JWCからのお願い》

近所に、タヌキがいたら、ついつい餌をあげたくなってしまう気持ちはよくわかりますが、決してドッグフードやキャットフードを与えないでください。


普段、野山にある果物やお芋、ネズミなどの小動物や昆虫を食べているタヌキにとって、ドッグフードやキャットフードは過栄養となり、結果、疥癬症を発症、悪化させる要因のひとつとなってしまう可能性が考えられています。



※疥癬症に関する詳細は下記の記事をご参照下さい


もし、お近くで疥癬症のタヌキを見かけた際は、野良猫ちゃんの餌を置きっぱなしにしている所はないか、ゴミが漁られている場所がないかを気にしていただけたら幸いですほっこり



※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。

一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します。

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