香港高裁と北京政府が激突

 

 

北京政府と香港(写真:ロイター/アフロ)

 

 香港高裁が「覆面禁止令」は香港基本法に違反するという判決を出した。それに対して全人代常務委員会は基本法の解釈権は全人代常務委員会のみにあるとして香港の司法を激しく批判。対立構造の原点を解剖する。

◆「覆面禁止令」とは

 このコラムを読んでくださる方の中には、ご存じない方はおられないとは思うが、念のため、「覆面禁止令」とは何かをざっとおさらいしておきたい。

 今年10月4日、香港の林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は「緊急状況規則条例」(緊急条例)を発動し、デモ参加者のマスクなどの着用を禁止した。顔を何らかの形で覆い、見えなくすることを禁止する緊急立法を発布したのである。

 

 デモ参加者が顔を覆うのは、監視カメラがあるからだ。監視カメラ製造を担っているのは、香港にあるハイテク企業のセンスタイム(Sense Time)。

 

これは習近平政権が2017年に指名した「AI国家戦略」を推進するための5大企業BATIS(Baidu, Alibaba, Tencent, Iflytek, Sense Time)の中の一つである。

 

センスタイムが担当するのは顔認証。この企業を創設したのが香港中文大学の教授なのだから、何とも皮肉だ。いまデモ参加者が立てこもった大学の一つには香港中文大学があり、最大の敵の一人は「内部」にいたことになる。

 

 緊急条例はまだイギリス統治時代の1922年に制定されたもので、1967年5月6日から同年12月まで香港で闘われれた「67暴動」の時に発動されて以来、約半世紀ぶりに発動された。「67暴動」は文化大革命の流れの中で、中共側が反英運動として起こしたものである。林鄭月娥は記者会見で「覆面禁止令」の目的は「暴力行為をやめさせるためだ」と述べている。

◆香港高裁「覆面禁止令違憲」判決に中国猛反発

 香港の高等法院(高裁に相当)は18日、「覆面禁止令」が香港基本法に違反しているとの判決を下した。これに対して中国政府が猛烈に反対している。

 

 中央テレビ局CCTVは、例によって噛みつくような勢いで、香港の司法には香港基本法に対する解釈権はなく、全人代(全国人民代表大会)常務委員会にのみ、その権限があると繰り返したが、11月19日付の中国共産党機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」もまた「全人代:香港高裁の判決は基本法と全人代関連規則に合致しない」というタイトルで香港高裁を糾弾している。

 

 それによれば、11月19日付の新華社電は、全人代常務委員会法制工作委員会の報道官が香港高裁の判決に関して以下のように語ったという。

 

 ●11月18日に香港高裁が出した一連の判決の中に、「緊急条例(覆面禁止令)」が香港基本法に符合しないという判決があるが、これは完全に無効である。(中華人民共和国)憲法と基本法は共同で特別行政区の憲法制度を構成している。香港特別行政区の法律が香港基本法に合致するか否かを判断する権限を持っているのは全人代常務委員会にのみあり、当該委員会のみが基本法の解釈権を持っている。

 ●香港基本法第8条は「緊急条例を含む香港の既存の法律は、香港基本法に抵触する場合を除き、そのまま保留する」と定めている。

 ●最も肝心なのは、1997年2月23日に開催された第八期全人代常務委員会第24回会議で「中華人民共和国香港特別区基本法第160条に基づき香港の既存の法律を取り扱う」ことに関して、「緊急条例を香港特別行政区法律として採用する」という決定をしていることだ。したがって、緊急条例は香港基本法に合致している。

 ●このたびの香港高裁第一審の判決内容は、香港特別行政区長官と香港政府の方に基づく管轄統治権を著しく弱めるものであり、香港基本法と全人代常務委員会の関連する決定に合致しない。厳しく抗議する。

 以上の意見を、CCTVは、多くの組織による香港高裁判決への糾弾として、あらゆる角度から繰り返し繰り返し、激しく報道した

ご参考のために、その中の一つである香港法律界の意見をご紹介しておこう。そこでも「中華人民共和国憲法第67条により、法律の解釈権は全人代常務委員会にある」と規定されていることを強調している。

◆今回のデモの真因は香港司法と北京政府との対立構造にある

 9月24日付のコラム「香港最高裁・裁判官17人中15人が外国人――逃亡犯条例改正案最大の原因」にも書いたように、そもそもデモのきっかけとなった「逃亡犯条例改正案」は香港の最高裁判所に外国籍の裁判官が多数を占めていることにあった。

 

 香港の司法は高等裁判所も外国籍裁判官によって占められていて北京政府と対立構造にある。おまけに最高裁判所よりも驚くべき現実があり、高等裁判所にはアメリカ国籍の裁判官さえ複数存在し、アメリカ政府に有利な方向に司法判断をする可能性さえ否定しきれないのだ。

 そのため北京政府は早くから全人代常務委員会の権限を最大限に駆使して、香港司法の力を弱めようとしているが、今般の香港高裁の判決は、香港司法弱体化を狙う北京政府の格好の攻撃材料となるだろう。

 香港最高裁であっても糾弾の対象となろうが、ましてやその下にある香港高裁の違憲判決など必ず撤回に追い込むのが北京政府の決意で、香港司法はこのたびの判決により、弱体化加速を余儀なくさせられていくにちがいない。

 なお、香港司法と香港デモの構造に関しては、拙著『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』で考察した。

 

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』(11月9日出版、毎日新聞出版 )『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20191121-00151801/

 

マスコミに載らない海外記事

2019年11月21日 (木)

エボ万歳! モラレスは打倒されたが、ボリビア社会主義は持続するだろう

VIVA EVO! Morales Overthrown, But Bolivian Socialism Will Endure

 

2019年11月13日

「EVO YES」 - 落書きで汚されている(写真:Andre Vltchek 2019年)

Andre Vltchek
21st Century Wire

 彼らはそうすると誓い、彼らは実行した。ボリビアの封建領主やマスコミ大立者や他の背信的「エリート」連中は、政府を打倒し、希望を壊し、かつて南米で最貧国の一つだった国で極めて成功していた社会主義過程を中断させた

 いつの日か彼らは、自身の国にのろわれるだろう。いつの日か彼らは、扇動のかどで裁判を受けるだろう。いつの日か彼らは、誰が彼らを訓練したのか、誰が彼らを雇ったのか、誰が彼らを意気地なしの獣に変えたのかを明らかにしなければならないだろう。いつの日か! 願わくば、すぐさま。

 だが今、国民に繰り返し選出されたボリビアの正当な大統領エボ・モラレスは最愛の国を去った。彼は、美しい手を差し出し、彼に政治亡命与えた友愛の国メキシコに遥かアンデスを越え飛んでいる。

 これが今だ。ラパスの目を見張る道路は煙で覆われ、兵士だらけで、血で汚れている。人々が行方不明になっている。彼らは拘留され、打ちすえられ、拷問にかけられている手を背後で縛られ、壁に面して、ひざまずいている先住民の男性や女性の写真がソーシャル・メディア上で流布し始めている。

 子供用の遊園地や、かつて赤貧だった共同体を優雅なケーブルカーが結んでいる最近まで希望の場所だったエルアルトは、今や地元の息子や娘たちを失い始めている。戦いは過熱している。人々が、圧制者たちに旗を持って突進し、死んでいる。

 内戦、あるいは、より正確には、社会主義存続のための戦争、社会正義のための、先住民のための、帝国主義に対する戦争だ。人種差別主義に対する戦争。ボリビアのための戦い、植民地前の素晴らしい文化のため、暮らしのための戦争だ。パリやワシントンやマドリッドで見られるような暮らしではなく、アンデスあるいは南米の雨林深くで見られる暮らしだ。

 エボ・モラレスの遺産は明白で、理解するのは容易だ。

 政権を握っていたほぼ14年の間に、ボリビアのあらゆる社会的指標は急上昇した。何百万人もが貧困から救い出された。何百万人もが無料医療、無料教育、政府補助住宅や、インフラ、比較的高い最低賃金の恩恵を受けたが、スペイン人コンキスタドール、征服者の子孫や、ヨーロッパ人金採掘者たちの不正で無情な「エリート」に支配されてきた、この歴史的に封建制の国の過半数を占める先住民に返された誇りからも恩恵を受けた。

 無料医療を待つラパス市民(写真クレジット:Andre Vltchek 2019年)

 エボ・モラレスはアイマラ語とケチュア語を、スペイン語と同等の公式言語にした。彼は征服者の言語を使う人々と、これらの言語で会話する人々を同等にした彼は素晴らしい土着文化を本来の位置に高め、それをボリビアの、地域全体のシンボルにした。

 (「一時的に」権力を奪取したが、それでも徹底的に違法な、ヨーロッパ風容貌のハニーネ・アニェスの周囲に再び現われた十字架をご覧願いたい)キリスト教の十字架へのキスがなくなっていた。その代わりに、エボは、ユネスコによれば「南アンデスと、更に広範囲を支配し、西暦500と900年の間にその絶頂に達していた強力な古代帝国の首都」ティワナクに、最少年一回は旅したものだった。そこは彼が精神的平和を求めた場所だ。そこは彼のアイデンティティの出所だ。

 欧米植民地主義者や帝国主義者文化、残忍な資本主義崇への畏敬はなくなっていた。

 これは、いにしえの深く根ざす新世界だった。ここに南米は再編成していたのだ。ここでも、コレアのエクアドルでも、コレアと彼の信念は裏切り者モレノに粛清され、追い出された。

 さらにまだある。クーデター前、ボリビアは経済破綻で苦しんではいなかった。経済は極めて順調に行っていた。経済は拡大し、安定し、信頼でき、自信に満ちていた。

 巨大ボリビア企業の所有者さえ、もし彼らが、いささかでもボリビアとその国民を思いやっているのであれば、大喜びする無数の理由があったのだ。


 モラレス下で成功したインフラ計画には、ラパスをエルアルトと結びつけるケーブルカー・ネットワークもある(写真:Andre Vltchek 2019年)

 だがボリビア財界は、実に多くの他の中南米諸国同様、唯一無二の「指標」に取りつかれている。「一般市民より、どれだけ上にゆき、どれだけ稼げるか」。これは植民地主義者の古い心理、封建制の、ファシストの心理だ。

 何年も前、ラパスで私は上院議員でマスコミ所有者の古い家族に晩餐に招待された。私が誰か知っているにもかかわらず、恥も恐れもせず、公然と彼らは話した。

 「我々はこの先住民野郎を追い出すつもりだ。奴は自分を誰だと思っているのだ? 1973年にチリでしたように、そして今ベネズエラでしているように、その過程で我々が何百万ドルも失なおうとも、我々はやるつもりだ。我々の秩序復活が最優先事項だ。」

 こうした人々を説得する方法など皆無だ。彼らをなだめるのは不可能で、押しつぶし、破るしかないのだ。ベネズエラ、ブラジル、チリ、エクアドル、あるいはボリビア。彼らはアルベール・カミュが書いた小説『ペスト』、有名なファシズムのシンボルの伝染病のよう、ネズミのようだ。彼らは隠れることができるが、決して完全に姿を消さない。彼らはいつでも、通告無しで、どこかの幸福な都市を侵略する用意ができている。

 彼らのルーツは欧米にあるので、彼らは常に欧米に協力する用意ができている彼らはまさに北米の帝国主義者のように、ヨーロッパの征服者のように思考する彼らは二重国籍を持ち、世界中に家がある。彼らにとって、中南米は単に、暮らし、自然の資源を略奪し、労働を搾取する場所に過ぎない。彼らはここで強盗し、他の場所で金を使う。どこか余所で子供を教育し、どこか余所で手術を(整形も、普通の手術も)受ける。彼らはパリでオペラ劇場に行くが、決して自国では原住民と混じらない。たとえ何らかの奇跡で、左翼に加わっても、それは決してヨーロッパ以外の国々の本当の反帝国主義革命左翼ではなく、北アメリカやヨーロッパのアナルコ・サンディカリスト左翼だ。

 彼らは自国の成功を必要としていない。彼らは偉大な繁栄するボリビア、全国民のためのボリビアを必要としていないのだ

 彼らは繁栄する企業だけが必要なのだ。彼らは自分の家族と一族のため、彼らの山賊グループのため、彼ら自身のために金、利益を欲している。彼らは崇拝され、「例外的で」、優位にあると考えられるのを望んでいる。誰も聞いていない時、彼らが先住民をそう呼ぶ「汚いインディアン」との大きなギャップなしでは生きられないのだ!

 モラレス大統領時代に完成した多くの業績の一つ、エルアルトの大規模公営住宅プロジェクト(写真:Andre Vltchek 2019年)

 それが、今そうし始めているように、ボリビアは戦い、自身を守るべき理由だ。

 もしこれが、エボと彼の政府に起きていることが「終わり」なら、ボリビアは数十年後退するだろう。再び、あらゆる世代が、水も電気も無し、希望無しで、土から作られた田舎の小屋で、絶望で、生きたまま朽ち果てるだろう。

 「エリート」は今平和について話をしているが、一体誰のための「平和」だろう? 彼らのためだ! エボ以前にあった平和だ。金持ちはゴルフや買い物で、彼ら最愛のマイアミやマドリッドに飛ぶことができるが、国民の90%がいじめられ、恥をかかされ、侮辱される「平和」。私はその「平和」を覚えている。ボリビア国民はもっと良く覚えている。

 私は90年代に数年間隣国のペルーで内戦を報道し、しばしばボリビアに入った。私はそれについての小説 「Point of No Return 後戻りできない場」を書いた。全く恐ろしいものだった。私はコンサートや、きちんとした場所で、一杯のコーヒーを飲むために現地カメラマンを連れて行くことさえできなかった。彼らが先住民チョロ(インディオやメスティーソを指す言葉)だったから。自国内では、とるにたらない人なのだ。それはアパルトヘイトだった。もし社会主義が復帰しなければ、再びアパルトヘイトになるだろう

 数カ月前、私が最後にボリビアに行った時、それは全く違う国だった。自由で、自信に満ちていた。衝撃的だった

 私がボリビアとペルーで四半世紀前に見たものを思い出して、私は、はっきり決定的に宣言する。「このようなエリートに提案される「平和」など、くそくらえ」!

 もちろん、これは欧米マスコミは、少しも言及しない。私はニューヨーク・タイムズからロイターに至るまで彼らをモニターしている。アメリカ、イギリス、そしてフランスさえ。彼らの目は輝いている。彼らは興奮を隠すことができない。陶酔感を。

 ニューヨーク・タイムズは、アメリカが計画した1965-66年のインドネシア軍事クーデターも、あるいは1973年9月11日のチリ大虐殺も祝っていた。

 予想通り、今はボリビアだ。欧米中いたる所で大きな微笑。再三再四、OAS(米州機構)の「調査結果」は、事実であるかのように引用されている。西側の権益、特にワシントンの権益に全く従属的な組織の「調査結果」を。

 こう言っているかのようにだ:「クーデターをした連中が、それは実際に起きていないと言っているのだから、我々はクーデターが行われなかった証拠がある。」

*
 11月10日、パリのレピュブリック広場の真ん中で、背信的なボリビア人の大群衆がエボの辞職を要求して集まった。私はこの人々を撮影し、写真を撮った。私は、この場面を、子孫のために持っていたかったのだ。

 彼らはフランスに住んでいる、彼らの忠誠心は欧米に対するものだ。他の人々は、先住民だが、一部はヨーロッパ血統でさえある。

 精力的に彼らの元母国を破壊するために働いて、アメリカとヨーロッパに住んでいる何百万人ものキューバ人、ベネズエラ人、ブラジル人がいる。彼らは新しいご主人を喜ばせるため、儲けるため、さまざまな他の理由でも、そうしている。

 これは平和ではない。中南米だけでも既に何百万もの命を奪った酷い残忍な戦争だ。

 この大陸で、富は地球上最も不公平に分配されている。何億人もの人々が窮乏で暮らしている。一方、他の連中、ボリビア封建制の人間クズの息子や娘が、欧米に仕えるため、知的に条件付けされるべく、ソルボンヌやケンブリッジに通っている。

 私は毎回繰り返すが、まともで誠実な政府が人々によって民主的に選出されるたびに、誰かが、この緊急状況を改善するため素晴らしい解決策や堅実な計画を発明するたびに、時計はカチカチいい始める。そうした指導者は何年も(時には数カ月も)もたない。彼や彼女は殺されるか、打倒されるか、屈辱を受け、権力の座から無理やり追放されるのだ。

 その国はそれから、最近(モレノ下で)エクアドル、(マクリー下で)アルゼンチン、(ボルソナーロ下で)ブラジルに起こったように、文字通り最低のものに戻る。残忍な現状が維持される。何千万人もの生活が破壊される。「平和」が戻る。欧米政権と、その従僕のために。

 そこで、レイプされた国が痛みで叫ぶと、無数の国際NGOや国連政府機関や資金団体が、突然「難民に手を貸し」、「女性に権利を与える」べく子供を教室に入れたり、栄養失調と空腹感と戦うと決めたりするのだ。

 もし自国民に奉仕する選出された政府が、そっとしておかれれば、本物の平和の状態で残されていれば、このどれも必要でないはずなのだ!

 この全ての病んだ感傷的偽善をマスコミは決して公に論じない。進歩的な中南米の国(そして世界中の多数の他の国々)に浴びせられる全ての欧米テロはもみ消される。

 もうたくさんだ!

 中南米は、再び目を覚ましている。人々は憤激している。ボリビアでのクーデターは抵抗に会うだろう。マクリー政権は倒れた。メキシコは慎重に社会主義の方向に進んでいる。チリは社会主義を取り戻したいと思っている。1973年、軍靴に押しつぶされた国が。


 母と子:何世紀もの中で初めて、モラレスが、先住民ボリビア人を社会の中の平等な一員として威厳を持って生きることを可能にした(写真:Andre Vltchek 2019年)

 人々の名において、素晴らしい先住民文化の名において、大陸全体の名において、ボリビア国民は今抵抗し、ファシスト、親欧米勢力と対決して奮闘している。

 革命的な言語が再び使われている。それはパリやロンドンでは時代遅れかもしれないが、南米ではそうではない。ここでは、それが重要なのだ!

 エボは負けなかった。彼は勝った。彼の国は勝った。彼の指導の下、ボリビアは素晴らしい国になった。希望に満ちた国、パトリア・グランデ(大祖国)至る所の何億人もの人々に大きな希望を与える国になった。リオグランデ川の南にいる全員それを知っている。彼に亡命を認めた素晴らしいメキシコも、それを知っている。

 エボは勝った。それから、彼は背信的な軍、背信的な財界凶悪犯、封建制土地所有者、ワシントンに追い出された。エボと彼の家族と僚友は、自身をキリスト教徒と呼ぶ極右の準軍事組織リーダー、ルイス・フェルナンド・カマチョに残忍に取り扱われ、彼の部下の男女にも残忍に取り扱われている。

 ボリビアは戦うだろう。ボリビアは彼が属する場所、大統領官邸に正当な大統領を連れ帰るだろう

 エボを北のメキシコに運ぶ飛行機は、実際は、彼をボリビアに連れ返るのだ。それは実に大きな迂回だ。何千キロメートル、何カ月も、多分何年も。だが飛行機が離陸した瞬間から、ラパスへと戻る壮大な叙事詩的な旅が始まったのだ。

 ボリビア国民は彼らの大統領を決して見捨てるまい。エボは永久に彼の国民とつながっている。ボリビア万歳!なんてこった!

***

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者と調査ジャーナリスト。彼の21WIREアーカイブをここで見る。彼は多数の国で、戦争と紛争を報道している。彼の最新刊の4冊は、ジョン・B・カブ・ジュニアと共著の『China and Ecological Civilization』、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』、革命小説『オーロラ』と、ベストセラーの政治ノンフィクション『Exposing Lies Of The Empire』。彼の他の本をここで見る。ルワンダとコンゴ共和国に関する彼の画期的なドキュメンタリーRwanda Gambitや、ノーム・チョムスキーとの対談本『On Western Terrorism』((日本語翻訳版は チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで)を見る。Vltchekは現在東アジアと中東に住み、世界中で働いている。彼のウェブサイトツイッターで連絡を取ることができ、Patreonで彼を支援できる。

記事原文のurl:https://21stcenturywire.com/2019/11/13/viva-evo-morales-overthrown-but-bolivian-socialism-will-endure/

----------

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-27cb6c.html

 

There are 7.55 billion human beings on earth living in hell, in permanent financial insecurity and in the horror of becoming homeless while about 1 in 100 million (not 1%) lives paradise on earth. This ultra minority generated by capitalism lives in a luxury that almost no one imagines. A small example with luxury cars: the new Ferrari or Rolls Royce models are always booked and sold in advance regardless of their price (usually more than 2 million euros), ditto for luxury yachts has 100 million euros , or private jets, super luxury hotels at 10,000 euros a night do not fill up and... all this while hundreds of homeless people are starving and cold on the streets

ほぼ1億人の中の一人(1%ではなく)が地球上の天国で暮らしていて、永久的な金銭上の不安やホームレスになることの恐怖の中で地獄に住んでいる75億5000万人の人間がいます。資本主義により生みだされたこの極端な少数は、ほとんど誰も想像しない贅沢の中に住んでいます。豪華な車についてちょっと例を挙げれば: フェラーリとかロールスロイスの新型車はその値段(通常200万ユーロ以上)にかかわらずいつも前もって予約され販売されていて、同様に豪華ヨットとかプライベートジェット機が1憶ユーロとか、超豪華ホテルが一晩1万ユーロは何でもなく。。。この全てが多くのホームレスの人々が飢えて、寒い路上に居て。

 

Never in the history of Humanity has a king or emperor have possessed as much money as half of Humanity. And yet peoples made revolutions when kings became too rich. It is time for a global revolution to take place, without any consideration, the fortunes of these super billionaires and redistributing them to all. Then all humans will live on a land that becomes a paradise, or no one will be forced to work and or the world will reap the fruits of science and technology. This is not at all a utopia because it is immediately realized thanks to Paradism. The immediate confiscation of the fortunes of these ultra-capitalists can take place in a matter of hours. So what are you waiting for?

人類の歴史上、王とか皇帝が人類の半分のお金を持っていた例は一切ありません。それでも、王たちが豊かになり過ぎた時には、人々は革命を起こしました。世界革命を起こす時が来ています。このような超富豪の富をどんな配慮もなしに皆に再配分するのです。すると全ての人間が楽園となる土地に住むことになり、誰も、働くことを強制されず、そしてまた、世界は科学技術の果実を得ることに。これは全くユートピアではありません、というのもそれは直ちにParadism・楽園主義によって実現されるからです。このような超資本家たちの富を直ちに没収することは、数時間でできることですなので、あなた方は何を待っているのですか?

 

nouvelobs.com
 
The richest 26 hold as much money as half of humanity

26人の大富豪が人類の半分のカネを持っている

"La richesse est tout particulièrement sous-taxée", estime l'ONG Oxfam.
"Wealth is particularly undertaxed," says the NGO Oxfam.

”富豪は特に課税が低い” NGO Oxfam談

 

 

マスコミに載らない海外記事

2019年11月20日 (水)

ウォールストリート・ジャーナル調査、Googleが検閲ブラックリストを運用しているのを確認

Wall Street Journal investigation confirms Google operates censorship blacklist

 

2019年11月18日
wsws.org

 ウォールストリート・ジャーナルによる調査が、2017年、World Socialist Web Siteが、Googleインターネット検閲に関して行った主張の多くの主要部分を確認した。

 

 金曜、ジャーナルが掲載した包括的な記事で、Googleは繰り返す主張に反し、同社は個別ウェブサイトのブラックリストを維持し、個別の検索結果を操作するため直接介入していると結論している。

 

 2017年7月27日、同社内で「プロジェクト・アウル(フクロウ)」と名付けられたGoogleの検索アルゴリズムに対する変更が、左翼、反戦、進歩派ウェブサイトの検索トラフィックを劇的に減らしたとWorld Socialist Web Siteが報じた。

 

 「より信頼できる内容を表に出し」、「異なる意見」の順位を下げるよう取り組んでいるというGoogleの公開発言や、WSWSの解析システムの詳細データや他のウェブサイトに提供されたデータや、公的に利用可能なWebや検索トラフィック推計にWSWSは基づいていた。

 

 これらデータに基づき、WSWSはGoogleが反政府報道機関のブラックリストを操作し、その主要な影響は、左翼、反戦ウェブサイトへのアクセスの制限だったと結論した。

 

 WSWSはこの構想の主標的だった。我々が説明した通り「Googleは、World Socialist Web Siteと、それ以前読者をWSWSに導いていた最も人気ある45の検索単語とのリンクを切断したのだ。

 

Googleが実施した物理的検閲は非常に大規模で、2017年4月、読者をWSWSと結んでいたトップ150の検索単語のうち、145の単語が、もはやそうではない。」

 

 2017年8月25日、WSWSインターナショナル編集委員会委員長デイビッド・ノースは、Googleに対する下記のように主張する公開書簡を公にした:

これだけの規模の検閲は政治的ブラックリストだ。Googleの検閲アルゴリズムの明白な意図は、御社が報道されるのを望まないニュースを阻止すること、御社が同意しない意見を抑制することだ。政治的ブラックリストは、営利企業としてのGoogleの、何が特権であるかにかかわらず、合法的行為ではない。それは独占的権力の露骨な乱用だ。御社がしているのは言論の自由に対する攻撃だ。

 

 これらの主張は、ウォールストリート・ジャーナル調査によって劇的に裏付けられた。 記事はこう結論している。

 

公的にそうしているのを否定しているにもかかわらず、Googleが特定サイトを排除したり、他のサイトが、特定の検索結果で上位に浮上するのを阻止したりするブラックリストを維持している。

 

こうした動きは、児童虐待を呼び物にする物や著作権侵害サイトを排除することを要求するアメリカ合州国法や外国法に要請されたり、より上位結果に表示させようと操作するスパムサイトの順位を下げるよう意図したりする変更とは別物だ。

 

 記事は続いて、同社の行動は公的な陳述と矛盾するという主張を実証した。

 

Googleは議会証言で、ブラックリストを使用していないと言った。記録によれば、2018年の聴聞会でGoogleが今まで「政治的理由で、会社や集団や個人やマスコミ」をブラックリストに載せたことがあったかどうか尋ねられて、Google公共政策副社長カラン・バティアは答えた。「いいえ、我々は検索結果に影響を与えるために、ブラックリスト/ホワイトリストを使用していません」。

 

 だがこの新聞社調査は、Googleは特定ウェブサイトに対し「手作業行為」と呼ぶもの」を行っており、「同社は、あるウェブサイトをブラックリストに載せたり、完全に削除したりすることができる。」と付け加えて結論した。

 

 ジャーナル記事は「Google初期の検索幹部の一人」ベン・ゴメスが、検索用語に直接の手動介入の初期提唱者だったと主張している。2017年4月25日「検索に対するわが社最新の品質改良」という題名で、後に「プロジェクト・アウル」として知られるものをブログ投稿で発表したのはゴメスだった。

 

 そのブログ投稿で、Googleが「信頼できる」ニュースソースを奨励する取り組みは「検索結果で、我々のシステムに、より上位に表示させるようにする操作」と戦う取り組みの拡張だと主張していた。だがウォールストリート・ジャーナル」による調査は、これが完全なウソであることを明らかにしている。

 

 「検索アルゴリズムは全て中立で、活動して、ウェブを検索し、戻って来て、見つけたものを示すという考えがあるが、それはまったくたわごとだ」と匿名元幹部が言っていると同紙は述べている。

 

「Googleは常に特殊事例に対処している。」

 

 記事は同社がどのように、ブラックリストを維持しているか文書で立証している。

「保守係」として知られているエンジニアが、ブラックリストに対して変更し、承認する権限を与えられている。これをするためには、少なくとも二人が必要だ。この件に精通した人によれば、一人が変更し、もう一人が、それを承認する。

 

2018年8月から、ある特定の発行者が、Googleニュースや他の検索結果に表れることを妨げるのを目指す「反誤報」ブラックリストを、Google従業員がどう実行すべきかについて概説する政策文書草稿をジャーナル紙は再検討している。

 

 記事は続く。

 

結果を変えるという要求に公的に抵抗するGoogle文化は衰えたと現在と元の従業員が言っている。変更に詳しいある人物によれば、裁判で、Googleがこうしたいくつかの戦いで負けたことも理由の一部で、同社は数年前、言論の自由問題、とりわけ検索結果の変更と戦う同社の法的戦いの宣伝に注力するグローバル・チームを廃止した。「表現の自由は、もはや人気者ではありませんでした」とその人物は言った。

 

 ウォールストリート・ジャーナルによる調査は、Googleの検閲についてのニューヨーク・タイムズ報道に、重大な疑問を提起する。

 

Googleの検閲に反対するWSWSの公開書簡に関し、2017年9月27日、デイビッド・ノースとのインタビューを含め、ビジネス欄一面で記事を掲載した後も、タイムズは、Googleが政治的検閲を行っているという非難をくつがえそうと試みた。

 

 続く記事で、ノースにインタビューした若林大介は、同社の虫のいい否定に合わせて、事実のいかなる本格的な検証もせずに、Googleの検閲体制をごまかそうとした。若林はこう書いた。「Googleは検索結果のいかなる局面においても、政治イデオロギーは要因ではないと言った。Googleは、ユーザーが保守的かリベラルかどうかは、同社が集める情報の一部ではなく、政治的傾向で、Webページを区別することはないと言った。」

 

 これもウソだった。どのサイトが「信頼できる」かというGoogleの判断は、本質的に明らかに政治的だった。

 

 2018年、ニューヨーク・タイムズが報じたように、Googleは「フェイク・ニュースを排除する」ためのニュースイニシアティブを設立した。パートナーにはニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストやガーディアンがいるが、全員が無数の偽声明、中でもブッシュ政権による、イラクのいわゆる「大量虐殺兵器」を流布した

 

 「信頼できる」報道機関を推奨するというGoogleの発言は、アメリカ合衆国外交政策を支持する報道機関を宣伝するコードとそれを下から支える嘘であるという存在している、なぜなら、ジャーナルが書いている通り「検索はゼロ・サム・ゲームだ。ある結果を上位に上げる変更は、必然的に別の一つを押し下げる。」

 

 ニューヨーク・タイムズの最初の報道と、ローリング・ストーンのマット・タイビによる記事を除いて、圧倒的多数の商業報道機関はWSWS報告をひたすら無視した。

 

 だが注目すべきことに、彼がさるぐつわをされて逮捕される前に、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジは、WSWSが主催したオンライン・イベントに、インターネット検閲の危険について警告する手紙を寄せた。それにはこうある。

 

インターネットは、自身や他の人々を教育する、人々の能力に大転換をもたらしたが、結果として生じた民主的現象は、既存支配体制を心底動揺させた。GoogleやFacebookや、それに匹敵する中国のものが、社会的、ロジスティクス的、財政的に既存エリートと統合され、彼らによる言説支配を再確立しようと動いている、この事象に注意を向けるWSWSを、私はお勧めする。

 

 Googleが「異なる視点」を葬り去る取り組みを発表して以来三年で、主要ハイテク企業による検閲の勢いは激化するばかりだ複数の大規模削除で、FacebookとTwitterは、何百万というフォロワーや左翼の意見やページを削除した。

 

 先月Twitterは、プラットホーム上で、あらゆる政治広告を禁止すると告知したが、他方Facebookは、政治的検閲をしないというマーク・ザッカーバーグの宣言にもかかわらず、トランプ弾劾調査で、CIAの「内部告発者」と名指された人物の名を含むあらゆる投稿を削除すると発表した。

 

 政治支配層の全派閥が推進する容赦ない政治検閲の取り組みの動機は、社会主義にむかって増えつつある聴衆と固く結ばれた世界至る所の労働者階級による反対の成長に対する恐怖だ。

 

アンドレ・デイモン

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2019/11/18/pers-n18.html

----------

 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-0e0638.html

 

 

韓国人を苦しめる「超格差無限競争社会」という生き地獄

11/19(火) 6:31配信

現代ビジネス

----------
日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の有効期限である11月22日が迫り、日韓関係の深刻さが、改めて浮き彫りになっている。

 

そんな中、ソウル在住女性ジャーナリストで、11月12日に日本で出版した『韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩』 (講談社現代新書) が大きな話題を呼んでいる金敬哲(キム・キョンチョル)氏と、東アジア取材30年のジャーナリスト、近藤大介氏が、「悩める韓国」について、2時間にわたって激論を交わした――。(撮影/西﨑進也)
----------


【現場はパニック!】日本人は知らない、いま韓国でほんとうに起きていること…

等身大の韓国を知ってほしい
 

 近藤: 金敬哲さんの新著『韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩』を、一気呵成に読みました。書いてあることは極めて悲観的なのに、悲劇ではなく喜劇を観たような気になる不思議な本でした。

 金: それは、どういう意味でしょうか?

 
 近藤: シェイクスピアの芝居ではありませんが、韓国社会の人間模様が活写されていて、抜群に面白かったという誉め言葉です(笑)。

 金: カムサハムニダ! 

 近藤: この本は、韓国語版の翻訳ではなくて、日本版がオリジナルですよね。日本人に向けてこのような本を出そうと思ったきっかけは、何だったのですか? 


 金: それは、まず私の日本での原体験があります。私は1993年、生まれ故郷のソウルを離れて、上智大学新聞学科の大学院に留学しました。その時、東京で強いカルチャーショックを受けたんです。それは、当時の日本人が、韓国についてあまりに無知だったということです。

 「韓国から日本までは船に乗って来たの?」「韓国人は毎日キムチばかり食べてるの?」……。

 それから26年の月日が経ち、私はいまでも年に数回、日本へ来ていますが、日本人の韓国社会に対する理解不足は、基本的に変わっていません。そこで現在、韓国社会で何が起こっていて、韓国人はどんな生活を送っているのか、いわば等身大の姿を、日本人に理解してほしいと思ったのです。

 近藤: なるほど。私も最初にソウルへ行ったのは、ソウル五輪が開かれた「パルパル」(1988年)の年でしたが、日韓相互の理解不足は甚だしかったですね。金さんは日本人のことを言いますが、現地で出会った韓国人たちも、日本人は鬼か悪魔の化身のように錯覚していましたよ(笑)。

 その時は、日韓の学生会議で訪韓したのですが、互いに「こんにちは」「アンニョンハセヨ」という初対面の挨拶言葉すら相手の言葉で言えず、「ハロー」「サンキュー」などと英語を使うしかなかった。隣国なのに、挨拶ですら太平洋の向こう側の国の言葉(英語)を使うのはおかしいと思い、帰国後に韓国語の勉強を始めたんです。

 金: 韓国は確かに、1998年に金大中大統領が日本文化開放を宣言するまで、日本文化を全面禁止していました35年間続いた日本の植民地支配(1910年~1945年)への反発からです。

 それでも、韓国の若者の間では、日本文化が密かなブームになっていました。私も若い頃、女性誌の『anan』や『non-no』、それに「X JAPAN」などのJ-POPに憧れたものです。

 近藤: 確かに私も、1990年代には韓国へ行くたびに、日本の音楽テープや本などを韓国の友人に持って行ってあげました。あの頃は、韓国人が一方的に日本文化に興味を持っていた時代でしたね。

 

「タマネギ男」も結構ですが…
 

 近藤: 日本人が韓国文化について本格的に目覚めたのは、2004年にヨン様ブームが起こってからでしょう。私は当時、韓国を代表する月刊誌『月刊朝鮮』から寄稿を頼まれ、「1000年ぶりに日本人が韓国人に熱中した」と書きました。

 金: その記事は、読んだ記憶があります。奈良時代や平安時代初期までの日本人は、先進的な朝鮮半島の文化を尊敬していたけれども、それ以降はなくなったという話でしたよね。

 近藤: そうです。江戸時代には朝鮮通信使という交流があったけれども、徳川家康があれを始めたきっかけは、「元上司」の豊臣秀吉が行った朝鮮征伐に対する罪滅ぼしと関係修復の意味合いが強かった。

 それが2004年になって、『冬のソナタ』というNHKが放映した一本の韓国ドラマによって、突然の大ブームが起こったわけです。本当に、あの時のヨン様ブームは凄まじかった。ヨン様が来日した時、宿泊先のホテルにインタビューに行ったら、帰りにロビーでオバサンたちに取り囲まれて、着ている服を破かれそうになりました。「ヨン様と握手した手を触らせろ」というわけです(笑)。

 金: ペ・ヨンジュンは当時、韓国ではトップスターではありませんでした。しかし日本での大ブームを受けて、サムスンやキムチなどと並んで、韓国を代表する「ブランド」になったのです。そして韓国が自国の文化に自信を持ち、その後のアジアにおける韓流ブームの起爆剤になりましたね。

 近藤: あれから15年になりますが、日本での韓流ブームは、定着した感がありますよ。韓流ドラマもK-POPも相変わらず人気です。「防弾少年団」(BTS)の『Airplane pt2』の日本語バージョンなんか、ユーチューブで9693万回も視聴されている。まもなく1億回! 

 それから、これは韓国ブームと言ってよいか分からないけど、今年秋には「チョ・グク(曹国)ブーム」に沸きました。私がテレビのワイドショーで「タマネギ男」と命名したら、それが曹国前法務長官のニックネームになってしまい、いまでは日本で「タマネギ男」と言うと通じます。日本の法務大臣(森まさこ氏)よりも、はるかに有名人です。

 金: 曹国氏は、韓国ではもともと、「カンナム・ヤンパ」(江南のタマネギ)というニックネームでした。富裕層が暮らす江南の、タマネギのように剥いても剥いても疑惑が出てくる人という意味ですね。しかしいまでは、日本からの逆輸入で、「ヤンパナム」(タマネギ男)に変わりました(笑)。

 ただ私は、日本人に、もっと地に根を張った韓国社会を理解してほしいのです。「タマネギ男」も結構ですが、なぜあのような人物が韓国で生まれたのか、なぜあのような疑惑の数々が起こってしまうのか、韓国人は「タマネギ男」の何に怒っているのか……。そういった韓国の社会背景を理解してほしいのです。

 

「ケジョッシ(犬オヤジ)」とは何か
 

 

 

 何より衝撃的だったのは、深夜11時ごろに大峙洞へ行くと、あちこちで小学生向けのスポーツ教室が開かれていることでした。学習塾による教育の過熱を緩和しようと、ソウル市が夜10時以降の学習塾を禁止しました。そうしたら、夜10時以降は学習塾が、規制のないスポーツ教室に様変わりしたのです。受験の際には、体育の内申書成績も大事なので、完全に「受験のためのスポーツ教室」です。

 金: そうなんですね。私も取材していて、子供たちが不憫でなりませんでした。

 例えば、「大峙洞(テチドン)キッズ」。ソウル江南の大峙洞に集中する学習塾で、幼少期から死ぬほど勉強させられる子供たちのことです。韓国の大学進学率は約70%に達し、教育熱は世界一と聞きますが、それにしても「大峙洞キッズ」たちは凄まじいですね。

 しかし、『韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩』で紹介された流行語には、日本では考えられないようなものも多いですね。

 近藤: その通りですね。私自身、どれとは言いませんが、当てはまるものが2つありました(汗)。

 金: この10項目の中には、日本社会にあてはまるものも、少なからずあるのではないでしょうか。

 この中で一つでも当てはまるものがあれば、ケジョッシだという。韓国社会、恐るべしです(笑)。

10)その気になれば、10歳以上年下の女性とも付き合えると思っている。
9)酔っぱらって、公共の場所で大声を出したことがある。
8)自分の価値観を他人に押し付ける
7)部下に業務以外の個人的な仕事もさせる。
6)飲み会に一人残らず出席させようとする。
5)他人との会話の中で私生活を詮索する。
4)地下鉄で周囲を気にせず、足を広げて座る。
3)自分が間違っていても、後輩や部下の前では自説を言い張る。
2)女性や店の従業員が自分より若そうだと、すぐにため口を使う。
1)お茶やコーヒーは、女性が淹れてくれた方がうまいと思う。

 近藤: まずは、第3章で書かれた「ケジョッシ」ですね。日本語に直訳すると「犬オヤジ」。若者たちが「品の悪い中年男性」を指して言う言葉で、ケジョッシの特徴は以下の通りだそうですね。


 金: 韓国の庶民には、自分の恵まれない身の上を、流行語にして笑い飛ばす文化があるんですね。印象に残った言葉がありましたか? 

 それにしても、この本の中で金さんが紹介した最新の韓国の流行語の数々は、実に面白いですね。数えてみたら、66個もあった! 

 近藤: 韓国社会の現状については、『韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩』を読んで、深く理解できました。

 

 

受験地獄と「エデュプア」現象
 

 

 

 近藤: スポーツの話で驚いたのは、韓国の小学校で水泳が必修になったのは、「セウォル号事件」(2014年4月15日に発生した遊覧船沈没事件で高校生ら299人が死亡)の教訓だと書かれていたことです。日本では小学校から水泳は必修ですが、韓国では違ったんですね。

 金: 韓国では受験に関係しないもの、例えば放課後のクラブ活動のようなものは、基本的にないんです。野球やサッカーが得意な少年は、学校ではなく地域の選抜チームに入ってプロを目指すわけです。

 「セウォル号事件」では、海に飛び込んでも泳げなくて溺死した高校生が続出したことから、当時の朴槿恵政権が水泳を必修科目にしました。ところがいまや、当初の目的からずれて、水泳が事実上、大学入試で内申書の成績を上げるための道具になってしまいました。

 近藤: それは問題ですね。ところで子供の教育に関して、「一打講師」(イルタカンサ)という流行語も興味深いですね。日本語で似た言葉を探すと、学習塾の「カリスマ講師」でしょうが、カリスマ度が日本の比ではない。

 金: 「一打講師」たちの年俸は、日本円で軽く10億円を超えます。一介の塾講師が、秘書やマネージャーはもちろんのこと、専属のヘアメイクやスタイリストまで抱えているのです。昨年、江南に日本円で32億円のビルを購入した31歳の「一打講師」もいました。

 近藤: まさに受験地獄が受験ビジネスになっているわけですね。しかし幼少期から、日がな勉強漬けだと、正常な子供に育つのでしょうか。

 私は週に一度、明治大学で東アジア国際関係論を講義しているのですが、数年前に大変優秀な韓国人留学生がいました。聞くと朝鮮王朝時代から続く名門一族の子弟で、まさに幼少期から「大峙洞キッズ」をやらされた。それで精神的に参って引きこもりになり、韓国から逃げるように日本へ来て、明治大学に入ったと言っていました。

 金: そうした現象は「バーンアウト」(燃え尽き症候群)という流行語になっています。「大峙洞キッズ」は大きな社会問題ですが、韓国の深刻な格差社会で上へ上がっていくには、高い学歴を持つしかない。だから一家のすべてを賭けて、子供を一流大学に入れようとするわけです

 近藤: 本に書かれていた、いわゆる「エデュプア」現象ですね。過度な教育費によって家庭が貧困になっていくという

 金: そうです。毎年11月の「修能」(スヌン=大学入試)の日には、遅れそうな受験生をパトカーが会場まで運びますし、英語のヒアリングが行われる午後1時から1時半までは、騒音を抑えるため、韓国全土の飛行機の離着陸が禁止されます。

 ここまで受験に神経を使う韓国社会なのに、裏口入学のようなことをやったから、韓国国民は曹国(チョ・グク)法務長官を許さなかったのです。

 近藤: 大学入試と兵役の義務(約2年)、この二つには韓国人は敏感だということですね。

 

 

 
韓国社会全体の病理
 

 金: これだけの格差社会であっても、大学受験と兵役だけは平等にやってくるということが、韓国社会の生命線なわけです。だからそこを擦り抜けていく富裕層に対しては、右派と左派とに関係なく怒りが爆発する。

 朴槿恵前大統領が「ろうそくデモ」と弾劾で引きずりおろされたのも、親友の娘が名門大学に不正入学したことが、直接のきっかけでした。彼女は右派ですが、今回、左派の曹国法務長官にも同様のことがありました。

 近藤: 現在、世論調査で次期大統領候補のトップに立っている左派の李洛淵(イ・ナギョン)首相も、息子が兵役を免除されていて、これからその疑惑が取り沙汰されるでしょうね。また、「タマネギ男」の追及で有名になった「氷姫」こと右派の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)自由韓国党院内総務も、子供の名門大学入学時の疑惑があります。

 金: 本当に、右派も左派もなく、韓国社会全体の病理だということです。

 近藤: 私は中国に4年暮らしたことがあるんですが、中国社会というのは結果がすべてで、その過程は問われない。極端な話、カネやコネで何らかの成果を得ることが横行している社会でした。韓国社会もそれに近いということなんですかね。

 金: 韓国では5年に一度、政権が変わりますが、右派も左派も「不正と格差社会を是正します」と公言して政権に就きます。それでも不正はなくならないし、格差社会は広がる一方です

 いまの文在寅政権は、「所得主動成長」を目玉政策に掲げて、2017年5月に発足しました。これは庶民の最低賃金を大幅に引き上げると、所得が上がって消費が増えるから、経済が活性化するという政策です。しかし、その後2年で3割近くも最低賃金を上げたため、社員の給与を払えなくなった中小企業の倒産ラッシュが起こった。

 その一方で、「エスケープ・コリア」という流行語になりましたが、大企業が賃金の安い国へ工場を移転し始めた。結果として、大量の若年失業者を生んでしまったわけです。

 近藤: そうした中で起こったのが、「ビットコイン・ゾンビ」ですか。ビットコインで一攫千金を狙う若者たちという意味ですね。

 金: その通りです。昨年1月6日、3大TVネットワークの一角であるSBSが、衝撃的なインタビュー番組を放映しました。それは、仮想通貨にわずか8万ウォン(約7400円)投資して、280億ウォン(26億円)儲けたという23歳の青年へのインタビューです。

 私も番組を見ましたが、その青年はインタビュー中にも資産を30億ウォン(約2.8億円)も増やし、その場で2000万ウォン(約180万円)を現金に換金していました。この番組がきっかけとなって、仮想通貨で人生の一発逆転を狙う若者が急増したのです。現在でも、全国に300万人以上いると言われている仮想通貨への投資者の約6割が、20代と30代です。

 近藤: それは健全な状態ではないですね。

 

いまや大学生は「N放世代」

 

 

 

 近藤: また明治大学の話ですが、卒業後に帰国した韓国人留学生が、先日日本に戻って来て、大学院入試を受けたんですね。聞くと、韓国に戻って就活で100社以上を受けたものの、1社も引っかからなかったというんです。日本では空前の大学生の高い就職率が続いているというのに、韓国は真逆なんですね。

 金: その通りです。2008年のリーマン・ショックの後、「三放世代」という言葉が流行語になりました。貧しさゆえに、恋愛・結婚・出産の3つを放棄せざるを得ない若者世代という意味です。

 ところがその後、放棄するものに就職とマイホームが加わって「五放世代」になり、さらに自分の夢と人間関係も加わって「七放世代」になった。そしていまや、若者が放棄せざるを得ないものが増えすぎて、「N放世代」(Nはナンバーの頭文字)になっているのです。

 近藤: そして、格差社会が固定していくことから、「スプーン階級論」という言葉も生まれたわけですね。

 金: そうです。生まれてくる子供が富裕層なら「金のスプーン」、中間層なら「銀のスプーン」、庶民層なら「銅のスプーン」、そして貧困層なら「土のスプーン」です。

 近藤: 金さんの『韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩』を読むと、韓国で苦悩しているのは、若者たちだけはないようですね。例えば中高年のサラリーマンも、リストラに遭わないよう必死に耐えている。

 金: 彼らを指して、「サラデント」という言葉も使われ始めています。サラリーマンがスチューデント(学生)のように、英語や各種資格などを勉強していることから、「サラリーマン学生」の意味です。

 また、「チキン共和国」とか「起承転チキン」という言葉もあります。リストラされたサラリーマンたちが、「とりあえずチキン屋」を始めるためです。

 近藤: 「雁(がん)パパ」(キロギアッパ)、「鷲(わし)パパ」(トクスリアッパ)、「ペンギンパパ」(ペンギンアッパ)という流行語にも驚きました。

 金: 子供にはよりよい人生を送ってほしいと、妻と子供をアメリカなどに住まわせるのが「雁パパ」。その中でいつでも妻子のもとへ飛んでいけるのが「鷲パパ」。飛行機代がなくて飛べないのが「ペンギンパパ」です。

 近藤: 不謹慎かもしれませんが、「雁バー」という存在には、思わず吹き出してしまいました。心淋しい「雁パパ」たちをターゲットにしたバーのことだとか。入ったことはありませんが、光景が目に浮かぶようです。

 

 

今日の韓国は明日の日本
 

 近藤: しかしより深刻なのは、「ダブルケア」の問題だと思いました。つまり子供と親の両方の面倒を見ないといけないということですね。

 金: その通りです。昨年のある調査によれば、韓国社会では全体の3分の1の世帯が「ダブルケア」の状態です。

 なぜこうしたことが起こるかと言えば、高齢者人口は14.2%(2017年)にも達するのに、社会保障体制が完備していないからです。韓国では、ソウル五輪の年の1988年に年金制度が本格始動しましたが、いまでも加入者は高齢者全体の4割にすぎません。高齢者の貧困率は45.7%(2017年)にも達しているのです。

 近藤: 確かに最近、韓国へ行くと、寂しげな老人がベンチなどにポツンと座っている姿を、よく見かけますね。以前は儒教社会の韓国では、老人たちが派手な服で着飾ったりして、ワイワイ華やかに映ったものですが。

 金: そうなんですね。韓国はかつて、「世界一の敬老社会」が誇りでしたが、いまや「嫌老社会」という言葉まで生まれています老人の自殺率も、OECD(経済協力開発機構)の加盟国中、最大で、1万人あたり5.48人(2017年)に達しています。

 近藤: ただ日本でも、「老々介護」とか「空き家問題」「8050問題」など、高齢者を巡る様々な問題が起こっています。金さんの本を読んで、日韓はケンカしている場合ではなくて、互いに協力し合って社会問題を解決していくべきだと再認識しました。

 金: 私も日本の読者には、「今日の韓国は明日の日本」と思って読んでいただきたいと思います。

 〈了〉

----------
金敬哲(キム・キョンチョル)
韓国ソウル生まれ。淑明女子大学経営学部卒業後、上智大学文学部新聞学科修士課程修了。東京新聞ソウル支局記者を経て、現在はフリージャーナリスト
----------

 

近藤 大介

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191119-00068390-gendaibiz-kr

 

 

 

 

 

 

 

rt.com
 
これまでで最悪?米軍を受け入れるに5倍の値札をつけようとする米国に韓国が怒り心頭
 
A US demand for South Korea to quintuple spending for hosting American troops earned a stiff rebuke from Seoul, to which Washington responded by walking out of “cost-sharing” talks to give Koreans time to “reconsider.”

 

rt.com
 
(今でも違法な)イスラエル人によるウエストバンクでの入植をトランプ政権が’合法化’したことで、激怒
 
世界の全ての場所で激怒を挑発。人道、法律、そして常識の面で。
The US announcement that it will no longer view West Bank Israeli settlements as inconsistent with international law has provoked outrage in all corners of the globe, on humanitarian, legal, and common-sense grounds.

 

 

関連記事

ビデオ

イスラエルの入植活動「国際法矛盾せず」米国務長官(19/11/19)
https://www.youtube.com/watch?v=N6Sr_rykF7U

ANNnewsCH  

2019/11/19 に公開


アメリカのポンペオ国務長官は国際社会から批判を浴びてきたイスラエルによる、ヨルダン川の西岸地区での入植活動について国際法違反ではないとの認識を示しました。

 ポンペオ米国務長官:「トランプ政権はオバマ政権時代のイスラエル入植に関する政策を取り消す。ヨルダン川西岸での入植は国際法に矛盾しない」
 ヨルダン川の西岸地区を巡っては1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領してから入植活動を進め、国連などの国際社会から「違法だ」と批判を受けてきました。トランプ大統領はイスラエル寄りの政策を続けていて、大統領選挙を来年に控えてアメリカ国内のキリスト教保守派からの支持を固める狙いがあるとみられます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

 

-------------------------------------

舞台裏の見方

田中宇の国際ニュース解説

 

イスラエル傀儡をやめる米政界
 【2019年8月21日】 

トランプはイスラエルに「民主党に味方するな」と圧力をかけ、イスラエルはそれに従わざるを得なかった。

 

民主党からの批判が強まり、イスラエルはトランプに頼らざるを得ず、トランプの策に乗せられてイスラエルは今回さらに民主党と対立してしまい、トランプにしか頼れない傾向がさらに強まった。

 

米国ではイスラエルが支持する候補が勝つ傾向があり、来年のトランプ再選の可能性が強まっている。

 

しかもトランプは、米政界でのイスラエルの影響力を下げ、覇権放棄と多極化を達成している。巧妙だ。

 

 

 

マイトレーヤ・ラエルのコメント:
そして彼らは厚かましくもこういうのです:”何故あいつらは自分たちをそんなに憎んでいるんだろう?”
globalresearch.ca
 
1945年以降今日までに2~3千万人が米国によって殺された

 

アジア、アフリカ、欧州とラテンアメリカ30か国でのアメリカがやった戦争とクーデターの研究文書。
米軍は朝鮮やベトナム他2つの主要な戦争で1000~1500万人の死に責任があることが明らかに。
The study documents the wars and coups d’État executed by the US in 30 Asian, African, European and Latin-American countries. It reveals that US military forces are directly responsible for between 10 and 15 million deaths, caused by the major wars – those against Korea and Vietnam and the two ...