【400文字作文】ちいちゃな靴下
好きだけどキライで好き。タツヤは私のこ
とをいつもこう評価する。そんな愛すべき息
子の枕元には彼の15cmの靴下と、愛読してい
る本が置いてある。犬と少年の物語が書かれ
ているその本を読むように何度も私に言うの
は、犬を飼いたいからだ。けど、彼の布団の
上には太ったオス猫が寝そべっている。
シロと呼んでいるこのオス猫が、違う家で
クロと呼ばれているのを見た時、私はそうい
う星の下に産まれてきたんだなと、悟った。
シャワーで香水と化粧と酒の匂いを流した
私はまた、タツヤの寝顔を眺めた。この子は
将来、恋 人にどんな名前で呼ばれるのだろう。
私に似ず、読書家の彼はサンタがいないこ
とを知っているのに、靴下を準備している。
彼のちいちゃな靴下を手にはめて、私は眠
ることにした。タツヤが目覚めたら、サンタ
さんはママをプレゼントしたのよ、と言って
やろう。タツヤは何と言うだろう。
その言葉が私の、クリスマスプレゼントだ。
とをいつもこう評価する。そんな愛すべき息
子の枕元には彼の15cmの靴下と、愛読してい
る本が置いてある。犬と少年の物語が書かれ
ているその本を読むように何度も私に言うの
は、犬を飼いたいからだ。けど、彼の布団の
上には太ったオス猫が寝そべっている。
シロと呼んでいるこのオス猫が、違う家で
クロと呼ばれているのを見た時、私はそうい
う星の下に産まれてきたんだなと、悟った。
シャワーで香水と化粧と酒の匂いを流した
私はまた、タツヤの寝顔を眺めた。この子は
将来、恋 人にどんな名前で呼ばれるのだろう。
私に似ず、読書家の彼はサンタがいないこ
とを知っているのに、靴下を準備している。
彼のちいちゃな靴下を手にはめて、私は眠
ることにした。タツヤが目覚めたら、サンタ
さんはママをプレゼントしたのよ、と言って
やろう。タツヤは何と言うだろう。
その言葉が私の、クリスマスプレゼントだ。
【400文字作文】くちびるストロベリィ

星がキレイね、と彼女が言った。星がキレ
イなわけじゃなくて空気が綺麗なんだ、星は
いつも綺麗だけど星と僕らの間にあるものが
濁ったり淀んでいたりするんだ…と話してい
ると、僕の視界に彼女が吐く白い息が見えた。
よれよれのサラダと平凡なハンバーグを食
べ終えた僕らは、小さいけど素直な僕らの車
に乗り込み、車の中が温まるのを待っている。
彼女は車の運転は好きだけど、冷たいハンド
ルを握るのは、すごく苦手なのだ。
彼女はコートの襟を立てその上からマフラ
ーをアゴまで巻き、小刻みに震えている。ま
るでキングコングに掴まれているヒロインみ
たいだなと思いながら、金魚のように唇をす
ぼめて白い息を吐き出す彼女のホッペを右手
の親指と中指で軽く掴んだ。
彼女は唇をへの字にし、マフラーで隠した。
甘いものが欲しかった僕は、彼女のマフラー
を右手の親指と中指でずらした。彼女の唇は
マフラーと同じ色をしていた。