【400文字作文】下半身は地球を救う。 -17ページ目

【動画で読む400文字作文】ちいちゃな靴下

【400文字作文】ちいちゃな靴下

 好きだけどキライで好き。タツヤは私のこ
とをいつもこう評価する。そんな愛すべき息
子の枕元には彼の15cmの靴下と、愛読してい
る本が置いてある。犬と少年の物語が書かれ
ているその本を読むように何度も私に言うの
は、犬を飼いたいからだ。けど、彼の布団の
上には太ったオス猫が寝そべっている。
 シロと呼んでいるこのオス猫が、違う家で
クロと呼ばれているのを見た時、私はそうい
う星の下に産まれてきたんだなと、悟った。
 シャワーで香水と化粧と酒の匂いを流した
私はまた、タツヤの寝顔を眺めた。この子は
将来、恋人にどんな名前で呼ばれるのだろう。
 私に似ず、読書家の彼はサンタがいないこ
とを知っているのに、靴下を準備している。
 彼のちいちゃな靴下を手にはめて、私は眠
ることにした。タツヤが目覚めたら、サンタ
さんはママをプレゼントしたのよ、と言って
やろう。タツヤは何と言うだろう。
 その言葉が私の、クリスマスプレゼントだ。

【動画で読む400文字作文】くちびるストロベリィ

【400文字作文】くちびるストロベリィ

【400文字作文】下半身は地球を救う。-090317


 星がキレイね、と彼女が言った。星がキレ
イなわけじゃなくて空気が綺麗なんだ、星は
いつも綺麗だけど星と僕らの間にあるものが
濁ったり淀んでいたりするんだ…と話してい
ると、僕の視界に彼女が吐く白い息が見えた。
 よれよれのサラダと平凡なハンバーグを食
べ終えた僕らは、小さいけど素直な僕らの車
に乗り込み、車の中が温まるのを待っている。
彼女は車の運転は好きだけど、冷たいハンド
ルを握るのは、すごく苦手なのだ。
 彼女はコートの襟を立てその上からマフラ
ーをアゴまで巻き、小刻みに震えている。ま
るでキングコングに掴まれているヒロインみ
たいだなと思いながら、金魚のように唇をす
ぼめて白い息を吐き出す彼女のホッペを右手
の親指と中指で軽く掴んだ。
 彼女は唇をへの字にし、マフラーで隠した。
甘いものが欲しかった僕は、彼女のマフラー
を右手の親指と中指でずらした。彼女の唇は
マフラーと同じ色をしていた。

【動画で読む400文字作文】White bed,Red love