こんにちは。

里親歴13年のじゅんこです。

我が家は現在8人家族。
夫、私、長男、次男、三男、双子の娘、そして委託中の里子いっ君。

いっ君はやんちゃ盛りのかわいい5歳の男の子。

もうすぐ我が家に来て3年になります。

そんな彼とのリアルな日常をお伝えしています。

 

前回の続きの乳児院でのマッチングを振り返ります。

当時のいっ君は2歳2ヶ月。ちょっぴり茶髪でイケメンニコニコ

髪が伸びるのが遅くて、

一度も切ったことがない部分が金髪だったのです。

ちなみに現在もイケメンは変わりませんが、

髪の毛を切ったら黒髪になりました。

 

 

※前回の話はこちらから

 

 


いっ君とのマッチング開始。

マッチングは私が乳児院に通って

いっ君との関係を構築していくことが目的です。

他にも、

マッチング中にお互いの相性を見極めたり、

里親の適性を確認することも目的です。

残念ながらマッチング期間中に

里親委託を見直すケースもあったと聞いています。

 

 

開始するにあたり、

新しいことが苦手ないっ君が

警戒心を抱かないように

いっ君の担当職員と作戦を練りました。

 

 

 

第一段階::里母(私)への警戒心をなくす

 

私は新しい職員のように振る舞うことになりました。

他の職員同様エプロンをつけて、

いっ君以外の子どもとも遊びながら距離を縮める作戦です。

 

もともと保育園で15年働いていたので

この方法は全く問題なく、

本当の職員のように動いていた私。

いっ君以外の子どもとも仲良くなれました。

 

週に2~3回の頻度で通いました。

 

最初は午前中の外遊びの時間に行き

一緒に遊ぶことから始めます。

 

私は得意分野なので問題ありませんでしたが、

里親さんによっては、

子どもと遊べなくて戸惑う方もいます。

 

午前中に一緒に遊ぶ

遊んでからお昼を一緒に食べる

お昼寝の寝かしつけをする

午後のおやつを食べてから遊ぶ

 

いろいろなパターンで関わりながら

いっ君との距離を縮めていきました。

 

 

保育園での仕事内容と変わらず

私の場合、問題なく進めていくことができました。

正直に言うと、マッチングというより

仕事をしている感覚になるときもありましたがあせる

 

ここでお互いに慣れることができないと

長引くケースもあるようです。

 

 

いっ君と私は、第一段階クリア飛び出すハート

次の段階に進むことになります。

 

 

 

乳児院は原則として2歳までの子どもが過ごす施設です。

家庭引き取りとならず

里親委託や養子縁組が成立しない場合は

その後、養護施設で過ごすことになります。

 

いっ君の場合、

乳児院後の生活の場を検討する中で

里親委託になったケースです。

 

 

乳児院は大きな保育園のような場所です。

職員1人につき、子ども1人を担当します。

その担当職員が文字通り親代わりとなって養育します。

子どもと担当職員との結びつきは強く

全幅の信頼を持って甘えている姿をたくさん見てきました。

子どもにとって担当職員の位置づけは

お母さん(男性職員ならお父さん)と同じです。

 

最近の施設は小さな集団で保育するのが主流です。

いっ君の乳児院では、

子ども4~5人ごとに

グループに分かれて

きめ細かく対応できる体制をとっていました。

 

とはいっても

24時間の交代勤務のため

自分の担当職員が常にいるわけではありません。

日中は2~3人の職員で保育して、

夜勤は1人でグループ全体をみるというのが一般的な勤務状況です。

 

昼にお母さん(担当職員)がいる日は

夜お母さんと一緒には寝れず、

夜一緒にすごした次の日は

昼になるとお母さんがいなくなる。

そして週に1~2日(職員の休日)お母さんに会えない日がある。

乳児院の子ども達はそんな生活を送っています。

 

だから、

担当職員がいるときは全力で甘えて

かまってもらいたがります。

常に密着したくて片時も離れない子、

逆に気を引きたくてイタズラをする姿もありました。

 

担当がいなくなる不安感。

自分だけを見てほしいのに

他の子のお世話をする担当に嫉妬。

集団で生活しているので制約もあります。

必死で生きている子ども達を

間近で見て湧き出てきた感情は

上手く言葉では言い表せません。

 

乳児院の存在は知っていましたが、

実態を目の当たりにして大きな衝撃を受けました。

 

 

誤解しないでほしいのですが

乳児院を否定しているのではありません。

職員の皆さんは子ども達のために

体を張って日々関わってくださっています。

腰、背中、腕、手首・・・

常に赤ちゃんを抱っこするので痛めている方が多いです。

手術をされた方もいるそうです。

 

 

乳児院は子どもを救うために

必要不可欠な施設であることは間違いありません。

 

でも、家庭養育を越えることはできません。

 

同じ養育者が常に子どもの側にいる。

 

これは施設では絶対に出来ないんです。

 

 

里親は常に子どもに寄り添うことができます。

子どもの近くで成長を見守ることができます。

 

子どもにとって

自分を養育してくれる人が

常にいるだけで

大きな安心感を持つことができます。

 

これが里親家庭で過ごす最大のメリットだと感じています。

 

 

 

次回は、

乳児院マッチングの第二段階のお話です。


※続きの内容はこちらから読めます