2017年1月7日(土)

 

新宿武蔵野館で、『湯を沸かすほどの熱い愛』。

 

去年見損ねていたものの1本。たいへん評判がいいので観とかねばと思って観に行った。

 

話の展開の仕方とか、その片付け方とか、普通に考えたらけっこうトンデモなところも少なくないのだが、役者たちの演技がよいので、そういうところもわりと素直に受け入れられる。『紙の月』でも思ったが、宮沢りえはいい女優さんになったものだ。

 

オダギリジョーのダメ男ぶりにシンパシーを感じたのは、自分もダメ男だからだろうか。

 

泣いた。そりゃあ泣いた。お客さんのみんなが同じ場面ですすり泣いていた。泣くようにできてるんだからしょうがない。でもそれはいかにもあざといお涙ちょうだい的な、いやらしい作りとは違う。評判がいいのもよくわかる。

 

2017年1月9日(月・祝)

 

立川シネマシティ2で、『oasis:supersonic』極上音響上映。

 

同世代の友人にオアシス好きはそんなにいないのだが、音楽をやってる30代や20代の友人にオアシス好きはけっこう多い。ストーンズやフーのような反抗姿勢もピストルズのような反抗姿勢もちょっと古くて遠い気がするけど、オアシスは兄貴的な近さもあって憧れる……ということなのかなと考えてみたりするが、どうだろう。で、そういう友人たちの気分を害したら申し訳ないと思いつつ、でも正直に書いてしまうと、僕はオアシスのよさが昔からわからなくて、でもライブはいいって言うからなぁと来日公演も3~4回観に行ったけど、一度もいいと思えなかった。それはきっとあのバンドの最高の状態を目撃することができてないからに違いないと思っていて、この映画でそれを遂に観ることができる、そうしたら考えが変わるんじゃないかと、それを期待しながら観に行った。しかも製作総指揮にあたっているのが傑作『AMY エイミー』の監督アシフ・カパディアということで、それなら内容的にも間違いないだろうと。

 

で。まあ面白いは面白い。思った通り兄弟喧嘩の繰り返しが話の運びの軸になっているので、さほどダイナミックな展開はないのだが、飽きはしない。ギャラガー兄弟にばかり焦点があたっているんだろうと想像していたら、思いのほか丁寧にほかのメンバーの葛藤やらも浮かび上がらせていて、そのあたりが特によかった(わけても解雇されたドラムのトニーまわりの話。僕はそこに一番気持ちが動いた)。またネブワース公演をピークにもってきて、その先を一切描かないあり方も潔くて良い。けど、「そうか、そんなことがあったのか~!」というような驚きや意外性は少なく(兄弟の父親と母親の話は初めて知ったのでそれなりに興味深かったが)、彼らに対する見方が変わるまでには至らなかった。つまり、わりと想定内。あのクレイジーぶりなんだから、もっと吃驚場面や興奮場面が出てくるのだろうという期待も外れた形だ。

 

アシフ・カパディア総指揮ということで、証言者の顔を映すことなく話を展開させていく作り方は『AMY エイミー』と同様。また劇伴のトーンも『AMY エイミー』とまったく一緒。つまり『AMY エイミー』で成功した部分をそのままこの映画に活かしているわけだが、撮り方はともかく、劇伴が似すぎているのはちょっとどうなんだろと思ったりもした。

 

ということで結論。あえてどこがとは書かないでおくが、この映画を観たことで、むしろ自分がオアシスを好きになれなかった理由がわりと明確になったように思う。それともうひとつ。映画のなかでも言ってるけど、インターネットもまだ普及してなくて、SNSももちろんなかったあの時代だったからこそ、彼らはあんなに短期間であれほどの成功をおさめたのだということもハッキリした。いまの時代だったらあの成功はなかっただろうし、だからいい意味でも悪い意味でも、やっぱり奇跡のバンドだったんだと、そのことがよくわかった作品だった。

 

尚、大好きな極上音響上映で観たのだが、彼らの厚塗りのサウンドはそれでもどこかベターっとしていて、過去に体感した極上音響のどれより効果が薄かったようにも感じました。

 

2016年の年間邦楽ベスト・アルバムを選んでみました。

 

まずはトップ10(順不同です)。

 

●ザ・たこさん『カイロプラクティック・ファンクNo.1』
●Kan Sano『kiss』 
●GOOD BYE APRIL 『ニューフォークロア』
●リクオ 『Hello!』
●LITTLE CREATURES『未知のアルバム』
●Seiho 『Collapse』
●宇多田ヒカル『Fantôme』 
●菊 ft.鮎川誠 シーナ&ロケッツ 『ロックンロール・ミューズ』
●坂本慎太郎 『できれば愛を』
●富田ラボ『SUPERFINE』

 

半分くらいは「これは絶対!」とすぐに決まったものの、あと半分くらいは「いや、これよりあれのほうがよく聴いたじゃん」みたいな感じで迷いに迷いました。聴き返したりすると、そっちがまた自分の中でグンと浮上したり。映画も邦画が豊作な年だったけど、音楽もいい邦楽アルバムがたくさんあったなー。ということで、あと10枚選ぼうと思ったけど、それでも全然足りないので、あと25枚、「これ、スバラシー!」「これ、大好き!」な盤をダーっと並べておきます。

 

●KIRINJI 『ネオ』
●GLIDER 『STAGE FLIGHT』
●The Familytone 『南部の掟』
●水曜日のカンパネラ 『UMA』
●BOMI 『A_B』
●W.C.カラス 『耐えて眠れ』
●チャラン・ポ・ランタン 『女の46分』
●広沢タダシ 『真夜中の散歩』
●中山うり 『マホロバ』
●黒田卓也 『ジグザガー』
●麗蘭 『25』
●Capeson 『HIRAETH』
●小林うてな 『VATONSE』
●堀米泰行 『One』
●スリック・チックス 『G7OSS』
●Rei 『ORB』
●yahyel 『Flesh and Blood』
●スピッツ 『醒めない』
●松任谷由実 『宇宙図書館』
●GLIM SPANKY 『Next One』
●TAMTAM 『ニューポエジー』
●三浦雅也 『三浦雅也の肖像』
●ビッケブランカ 『Slave of Love』
●D.A.N. 『D.A.N.』
●KANDYTOWN 『KANDYTOWN』

 

いろんな雑誌やウェブ媒体の年間ベスト10に選ばれているものもいくつかあるけど、そうじゃないものもけっこうあって(例えばザ・たこさんとかW.C.カラスとか菊ft.鮎川誠とかリクオとか、若手ならGOOD BYE APRILとかGLIDERとか)、「なんでこんなにいいものがひっかからないかなー」と思ったりもするのだが、それは去年に限ったことじゃなく、昔からで。特に40オーバーでインディーで活動を続けてるバンド~シンガーに対してや、地道に活動を続ける中堅どころに対して、この国のメディアは理解も愛もないなと前から思ってるんだが、そのあたりをきちんと評価・紹介・応援するのが僕の役目かなとも思ったりするし、それが自分のライターとしてのスタンスだとも思ってるので、まあいいんです、これからも惑わされずに自分の好きなものを好きと言い続けますよ、はい。

 

2016年の年間ベスト映画トップ10を選んでみた。

 

1. ケンとカズ 

2. AMY エイミー 

3. FAKE 
4. 葛城事件 

5. お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました

6. この世界の片隅に 
7. シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
8. シング・ストリート 未来へのうた 
9. ディストラクション・ベイビーズ 
10. ブルーに生まれついて


そして、もう10本選ぶなら、こんな感じ。(順不同)


●SCOOP!
●ザ・ウォーク
●ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
●淵に立つ
●ヒメアノ~ル
●デッドプール
●サウルの息子
●ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK
●10クローバーフィールド・レーン
●二重生活

暴力。狂気。絶望。選んだ多くの作品に通底するのはそれだ。これまで圧倒的な強度でそれを表現することにおいては韓国映画のほうが遥かに上だったわけだが、去年の日本映画は凄かった。日本映画らしい表現の仕方で韓国映画とのその差を一気に縮めた印象がある。『ケンとカズ』『葛城事件』『ディストラクション・ベイビーズ』『淵に立つ』『ヒメアノ~ル』。その暴力性と狂気と絶望感の深さ、出口のなさに打ちのめされた。引き込まれたが、犯人の動機がどこか腑に落ちなかったので選ばなかった『怒り』も、そのひとつだ。


子供の頃から暴力が大の苦手で、平和で呑気に暮らしている僕ではあるが、抗しがたく暴力や狂気や絶望を表現した映画に惹かれるのはなぜなのか。心理学的にどういうことなのか、教えてほしいものである。


邦画が豊作だった年とは誰もが言ってることだが、僕も20本選んだうち半分が邦画で、迷った末に結局選から漏れたけど『シン・ゴジラ』もいまのエンターテインメントのあり方として実に面白かった(ただあまりにも評価されすぎの感があってねぇ。映画としてはあれはある意味反則なわけだからして)。


音楽映画が一昨年よりもさらに増えて、自分もJ.B.、ジャニス、ダムド、ジャコのドキュメンタリーやら、裏方のアーサー・フォーゲルの映画やらと、けっこう観たけど、とりわけしびれたのがやっぱり『AMY エイミー 』。故人への思い入れが大きいというのも確かにあるが、それをヌキに考えてもあれは傑作。ドキュメンタリーでありながら証言者の顔を映さず進めていくあの作り方は、監督のひとつの発明だと思う。あと、遠藤ミチロウの初監督作『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』も、自分で自分の物語を撮ったものでありながら踏み込みと客観性のバランスが素晴らしく、何度もグッときた。


『デッドプール』や『ローグ・ワン』など観終えたばっかの段階では「うぉ~、めっちゃ面白れ~」と大興奮したものもいくつかあるが、結局自分はドスンと沈んでしばらく椅子から立ち上がれなくなるような映画のほうに深く思い入れてしまう。『ケンとカズ』も『AMY エイミー』も『FAKE』も『葛城事件』も『この世界の片隅に』もそういうものだった。


因みに本来はビデオ用の映像作品だが、劇場でも1日だけ(あるいは数日)公開されたので観に行ったものの中にド級の傑作が2本あった。七尾旅人のライブ作『兵士A』とローリング・ストーンズのドキュメンタリー『ストーンズ オレ!オレ!オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ』だ。所謂劇場用映画ではないので外したが、この2本は心底劇場で観てよかった。


で、ワーストはこの3本。
●バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
●インディペンデンス・デイ:リサージェンス
●ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-
製作費の無駄。時間の無駄。まあうっかりこういうのにあたっちゃうのもそれはそれで話のネタ的に楽しいんだがね。

 

2016年に書いてアップされたインタビュー記事、コラム、ライブレポートのなかから、いまもウェブで読めるものをまとめておきます(ま、自分用備忘録ってことで)。よければお時間のあるときにでも。


〇インタビュー


●チャラン・ポ・ランタン メジャー2ndフルアルバム『女の46分』インタビュー 
http://musicshelf.jp/pickup/id18859/


●Char ロングインタビュー ~Histry of 1978-2015~(最終回)
http://musicshelf.jp/pickup/id15045/9/


●GLIDER  2ndアルバム『STAGE FLIGHT』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id19352/


●GOOD BYE APRIL 『ニューフォークロア』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id20075/


●リクオ 『Hello!』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id20245/


●ヴィンテージ・トラブル 来日直前インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id19992/


●柴山俊之&鮎川誠『ロックンロール・ミューズ』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id20953/2/


●石橋凌 R=60 スペシャルインタビュー 『LIVE Neo Retro Music 2015』
http://musicshelf.jp/pickup/id19673/2/


●石橋凌 『RYO ISHIBASHI BIRTHDAY LIVE』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id19673/7/


●Rei 『ORB』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id22971/


●ザ・たこさん 6thアルバム『カイロプラクティック・ファンクNo.1』とびっきりインタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id23678/


●小坂忠 デビューから50年を語る~『CHU KOSAKA COVERS』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id24905/


●リア・ドウ 1stアルバム『ストーン・カフェ』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id23249/

 

●BOMI  3rdアルバム『A_B』インタビュー
http://musicshelf.jp/pickup/id25721/

 

●リトル・クリーチャーズ 『未知のアルバム』インタビュー
http://e.usen.com/enjoy-u/10123/
http://e.usen.com/enjoy-u/10182/

 

●キャンディス・スプリングス 『Soul Eyes』インタビュー
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/11486

 

●キャンディス・スプリングス 来日公演直前インタビュー
http://www.bluenote.co.jp/jp/news/features/7611/

 

●オカモトショウ × Rei  対談: ローリング・ストーンズ『Blue & Lonesome』が傑作である理由
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12836

 

●ライアン・モロイ 日本初アルバム『Turn On The Night』インタビュー
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10492

 

●GLIM SPANKY ミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』インタビュー
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10025

 

●Anly  2ndシングル「笑顔 / いいの」インタビュー
http://music.emtg.jp/special/2016030711420d039

 

●Anly 3rdシングル「EMERGENCY」インタビュー
http://music.emtg.jp/special/201606076196869ef

 

●焚吐 2ndシングル「ふたりの秒針」インタビュー
http://natalie.mu/music/pp/takuto02

 


〇コラム

 

●【追悼プリンス】3度の対面から浮かぶ天才の素顔(前編):貴重なサイン会と96年来日インタヴュー時のドキュメント
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10829

 

●【追悼プリンス】3度の対面から浮かぶ天才の素顔(後編):新しい音に惑わされたりしない、99年インタヴューとスター復活
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10836

 

●ブルーノ・マーズの最高傑作! 娯楽性に振り切った『24K・マジック』が爆発的に売れる理由
http://realsound.jp/2016/11/post-10314.html

 

●ビッケブランカが体現する、“誰とでも接点がもてるポップス”とは? “遅咲きの大器”の個性と才能
http://realsound.jp/2016/11/post-10091.html

 

●ラリー・グラハム&プリンス ~今あらためて振り返る“師弟”の関係~
http://www.billboard-japan.com/special/detail/1636

 

●リアーナら魅了する〈時の人〉、シーアの世界 ~新作『This Is Acting』と関連作品から売れっ子ソングライターの魅力を探る
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10320

 

●SOUL CAMP 2016 LINE UP COLUMN #2 JILL SCOTT
http://www.mtvjapan.com/blog/mtvblog/2016-09-02/6348

 

●ジェイミー・カラムやメロディ・カルドーら参加、ジャズ×ディズニーの相思相愛カヴァー集『Jazz Loves Disney』を全曲解説
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12796

 

●BONNIE PINK 初期の3作品が初のリマスターで再発!
http://okmusic.jp/#!/ups/interviews/2752

 

●ウソツキ『一生分のラブレター』オフィシャルライナーノーツ
http://usotsukida.com/archives/2284

 


〇ライブレポート

 

●ウソツキ「劇場版 USOTSUKA NIGHT」2016.04.01(Fri.)@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
http://ukproject.com/column/2016/04/10584/

 

●ウソツキ ワンマンライブ「地獄のUSOTSUKANIGHT FEVER」2016.09.10@新代田FEVER
http://ukproject.com/column/2016/09/11779/

 

●菊 / ft.鮎川誠 シーナ&ロケッツ ROCK’N ROLL MUSE TOUR 2016.6.9@渋谷クラブクアトロ
http://musicshelf.jp/pickup/id21061/

 

●石橋凌「Neo Retro Music 2016」2016年3月6日(日)@EXシアター六本木
http://musicshelf.jp/pickup/id19673/5/

 

●石橋凌 BIRTHDAY LIVE 『SOULFUL CARNIVAL』/2016年7月20日@赤坂BLITZ
http://musicshelf.jp/pickup/id19673/6/

 

●ディスコ~ファンクのレジェンドにして、いままた再評価されるシックfeat.ナイル・ロジャース。ダンスミュージックに終わりはない!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003060.000001355.html

 

新年、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

本日、1月3日。ようやく穏やかな気持ちで先ほど初詣に行ってきました。

 

さて、今日は年末に起きたある「事件」について記しておきましょう。

 

羽田まで行ったはいいけど、パスポートの残存有効期限の関係でベトナム旅行に行けなくなり、ヨメひとりを送り出してトボトボ家に帰ってきた……というのは12月23日のこと(詳しくはこちら→夜のストレンジャーズ、ザ・プライベーツ@新宿紅布)。さすがに落ち込んだものの、日が経つにつれて気分も持ち直し、「いや~、ホント、あれはまいったよ~」と、この正月には笑い話にするつもりでいました。ところがこの話には、まさかの続きがあったのです。

 

ヨメがようやくベトナムから帰国する28日の夜、僕は渋谷で映画『淵に立つ』を観てました。絶望しかない凄まじい作品。22時50分くらいに映画が終るとプロデューサーの登壇があり、どんよりした気分のまましばらく話を聞いていたのですが、そういえばそろそろヨメが羽田に着いてる頃だよなとスマホの電源を入れたところ、ラインにメッセージが。「検疫にいます」「高熱。40.5度!」。

 

慌てふためいて外に飛び出し、タクシー拾って羽田空港へ。そしてグッタリしたヨメをタクシーに乗せて病院に向かい、診てもらったところ、なんとそのまま緊急入院。隔離病棟へ……。えらいこっちゃ!

 

夜が明けても高熱が下がらず、退院のメドがたたないまま1日経ち、2日経ち……。そうして結局ヨメはなんと病室で年を越すこととなったのでした。で、僕も昼~夜は病院、夜~朝は実家の石神井という数日を過ごし、年が明けたその瞬間は電話で「アンハッピー・ニューイヤー!」と言い合ったというね。いやぁ、なかなか忘れられそうにない年末年始になりましたよ。

 

そんなこんなで家族と親しい友人数人にはご心配おかけしちゃいましたが、今日・1月2日、ヨメは無事退院。よかった! バンザイ!

 

やっぱ久々に吸うシャバの空気はずいぶん美味しいらしく、「アネキ、お勤めご苦労さんでした」と言いたくなったりも。

 

ってなわけで、僕たちの2017年はここからスタート。どんな1年になりますやら。まあ、ふたりとも健康に過ごせたらそれでOKってのが今の正直な気持ちかな。みなさん、くれぐれもお身体に気をつけて、いい1年にいたしましょう!!

 

 

 

 

 

2016年12月28日(水)

 

渋谷アップリンクで『淵に立つ』。

 

息苦しく、心が押し潰された。

終ってしばし呆然。

絶望オブジイヤー、決定。

 

そして終わった5分後に劇場内でラインをチェックし、この映画の重苦しさをも一瞬で吹き飛ばすほどのとんでもないことがリアルに起きたことを僕は知って、慌てふためきながら外に出た。まさに己が淵に立ったような気持ちで僕はタクシーを拾い、羽田空港へと向かったのだった……。

 

 

 

 

 

 

2016年12月25日(日)

 

浅草・雷5656会館 ときわホールで、小春。

「チャラン・ポ・ランタン小春 アコーディオン生活20周年記念公演 “人生、伸びたり縮んだり”」。

 

 

ここに至るまでの話やら、アコーディオンという楽器に関する丁寧な説明やら、曲が生まれる際のあれこれのエピソードやらを、彼女らしい口ぶりでたっぷりと。アコーディオン漫談とでもいうような完全独演会で、そこには笑いあり照れあり本気あり。

 

この日のために購入したというループマシン(LOOP STATION)を駆使してのひとり多重演奏がとりわけ素晴らしくて聴き入った。あれ、これからのツアーやらレコーディングやらでいろいろ使われることになるんじゃないか。そしてアンコールでは独奏のみならず独唱も。ミスチルの桜井氏が小春ちゃんの歌ったデモに聴き惚れてアレンジを買ってでたという「かなしみ」(1月発売の新作に収録)を、そのデモバージョンで歌ったのだが、これがめちゃめちゃ沁みた&泣けた。彼女の歌はとても優しい。味わいがある。いつかソロアルバムを作ってほしいし、そのなかで何曲か歌ってほしいとも思う。

 

いやぁ、行ってよかった。ベトナムには行けなかったけど、この貴重なソロ公演を観ることができたのだ。十分にいいクリスマスだったじゃないか。うん。というわけで、これがホントに僕にとっての2016年ライブ納め。

 

帰りに雷門でお参りして、珍しくおみくじ引いてみたら…凶。「旅行、行くべからず」とか書いてあって、苦笑した。

 

 

2016年12月23日(金・祝)

 

新宿レッドクロスで、夜のストレンジャーズ、ザ・プライベーツ。

 

22日に今年の原稿仕事を全て終え、23日から6日間をベトナムのリゾートでのんびり過ごす……はずだった。早朝7時に羽田に着き、チェックインを済ませようとしたところ、パスポートを確認する女性が神妙な表情で「お客様、こちらのパスポートですが、有効期限が…」。頭が真っ白になってあとはどう言われたのかも覚えてないが、要するに僕のパスポートの有効期限が来年4月までで、だからまだ大丈夫だと思っていたのだが、ベトナムは去年から出入国のルールが変わって残存有効期限が3ヶ月から6ヶ月になったとのことで(←知らなかった)、つまり……足りないと。行けないと。もう、膝から崩れ落ちましたね。

 

ずっと楽しみにしていたので、さすがにショックが大きく、家に帰ってしばらく落ち込んで途方に暮れていたのだが、FBを見た夜ストの三浦さんから「よければ気分を晴らしに」と誘っていただき、確かに家で鬱々としていてもしょうがないので、夜は新宿に夜のストレンジャーズとザ・プライベーツの2マンを観に行った。

 

まずは夜スト。代表曲に加えて来年発売の新作に収録予定だという新曲もいくつか披露。その新曲群もライブ自体も陽性のノリとパワーがあって最高だった。続いて久々に観たプライベーツ。ストーンズの『ブルー&ロンサム』を聴き倒してる耳で聴いたものだから、あの音のカタマリ感とうねりの凄さをさらに実感させられた。70年代&現在のストーンズの粗さにあれだけ通じた音を出せるのってプライベーツだけだなと思ったりも。やっぱりブギとロックンロールはどんなときにも気持ちをアゲてくれますね。

 

そんなわけで先週の小坂忠さんがライブ納めのつもりでいたものの、予定変わって年内あともう1本。イブの今夜は赤羽で友達と飲んだくれるとします。みなさま、よきクリスマスを。

 

 

2016年12月19日(月)

 

品川プリンスホテル クラブeXで、小坂忠『CHU KOSAKA COVERS』リリースパーティ。

 

収録曲をアルバムの順番通りに演奏し、合間に元曲についてをピーター・バラカンさんとトークする、というあり方。オーティス、サム・クック、レイ・チャールズほか『CHU KOSAKA COVERS』収録のソウル・カヴァーももちろん味わいあってよかったが、やはりそのあとの『HORO』の曲群がより演奏も歌もこなれていて素晴らしかった。「ゆうがたLOVE」のグルーブとか、たまらんものがありますね、やはり。それもそのはず、現バンドのメンバーは小原礼さん、鈴木茂さん、佐橋佳幸さん、Dr.kyOnさん、屋敷豪太さん、小林香織さん、そしてコーラスに娘さんのAsiahさん。初めて行った品川プリンスホテル クラブeXはキャパ350人ちょいぐらいのわりとこじんまりしたところで、そこでそうした一流プレイヤーの方々の演奏を聴けるだけでも贅沢ってもんだ。インタビューした際、「いまのバンドが本当に素晴らしいから、そのバンドの音を残したくてアルバムを作った」というようなことを忠さんがおっしゃってたけど、ナマで聴くとその意味が本当によくわかる。忠さんの歌も曲が進むにつれてどんどん艶がでてきた感じでしたね。アンコール、「しらけちまうぜ」のあとの「What a Wonderful World」がとりわけ深く沁み入りました。

 

因みにこれが僕にとって2016年のライブ納め。クアトロのウルフ・アリスに始まって、クラブeXの小坂忠で終わった、という脈略なし加減がある意味自分らしい1年だったかと。