2016年12月16日(金)

 

こういうのは早く観るに限る…ということで、公開初日に新宿ピカデリーで『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。

 

スター・ウォーズの大ファンというわけでもない僕が言うのもなんだが、これは傑作。めちゃめちゃ夢がある!   日本人としてグッとくるツボがいろいろあるんだよね。もう早くまたあいつらに会いたいから、次は4D版観に行くことに決めました。

 

主役のフェリシティ・ジョーンズが抜群にいい。『博士と彼女のセオリー』のあの女優さんがあんなに荒々しくてかっこいいとは!。『フォースの覚醒』といい、スター・ウォーズは女性を主役におくようになってグッと面白くなったという印象(異論のある方もいらっしゃるでしょうけど)。

 

あとK-2SOのフォルムね。過去のドロイドのなかで個人的には一番好きだわ。フィギュア欲しいくらい。

 

ところで物語の運びにそこはかとなく石森章太郎っぽさを感じたのは僕だけだろうか。K-2SOも、あれ、昔の石森マンガのなんかにゾロゾロ出てきたロボットに造形がそっくりだったし(なんのマンガだったか思い出せない…。実家に帰ればわかるんだけど…)。

 

2016年12月14日(水)

 

渋谷・Bunkamuraル・シネマで『ブルーに生まれついて』。

 

チェット・ベイカーを聴いてカラダ中に沁みていく哀しさや切なさ。それがどこから来ているのか、この映画を観てわかった気がした。

 

チェット・ベイカーのキャリア全体を辿るのではなく、低迷期からのカムバックに焦点をあて、ある女性との痛切な愛のやりとりを前面に押し出しながらその生き様を描いた「物語」。その女性は実在しなかったり、映画の中で撮られていたベイカーの映画は実際には撮られてなかったりと、脚色のかなり多い、いわば“伝記からの素材をもとに自由に再構成したファンタジー”であるわけだが、だからこそベイカーの精神がリアルに伝わり、同時に切なさで胸が押しつぶされそうになる。

 

ベイカーを演じるイーサン・ホークのシングスとプレイズが胸に迫りくる。ウチのヨメは、この映画を観終わってから『チェット・ベイカー・シングス』とこの映画のサントラをDLして聴き比べて「チェット・ベイカーよりイーサン・ホークの歌声のほうが好きかも」と言っていたが、この映画を観たあととなっては、それもわからなくはない(もっとも『チェット・ベイカー・シングス』自体が若き日のベイカーの甘い声なので、比較対象としては相応しくないわけだが)。まあそのくらい、イーサン・ホークのヨレヨレの音と歌は胸に沁みる。「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」で僕は泣いた。

 

いやぁ、しびれた。

 

劇場を出たあともその声と音とが頭の中でグルグル……。

 

 

 

2016年12月12日(月)

 

新木場スタジオコーストで、アラバマ・シェイクス。

 

約4年ぶり(うっそー、もうそんな経ったの?!)の再来日公演は、前回のリキッドルームからスタジオコーストへとハコも大きくなって、しかも超満杯。東京はPITの追加公演も完売だそうっすね、大阪だけ余ってるらしいけど。

 

バンドの4人に鍵盤とコーラス隊が加わっての9人体制。1曲目のブリタニーの歌い出しからグワッと引き込まれ、鳥肌ぞわっ。後ろにいた女の子はその1曲目が終わるや涙声で「やばい、もう泣いちゃった」と言ってたけど、わかるよ、それ。4年分の進化がバンドの出音からも伝わってきて、ココロ揺さぶられまくり。太くて、いい塩梅に乾いてて。唯一無二で最新最強のソウルミュージック。アンコールでやった「You Ain't Alone」なんて、女オーティスって感じだったぞ、ブリさん。

 

前回やったスプリングスティーンのカヴァー「アダム・レイズド・ア・ケイン」はさすがにやらなかったけど、1stの数曲もちょいアレンジ変えてやったりしてたし、もうね、大満足ですよ。次に来るときは、東京はホールでしょうね。フジならホワイトのトリがいいな。

 

ところで新木場駅に向かう帰り道、路上で日本のバンドがロック鳴らしてて、どらどらと見たらWalkingsだった。ええね。

 

 

2016年12月10日(土)

 

新宿シネマカリテで、『JACO』。

 

ジャコ・パストリアスの生涯に迫ったドキュメンタリー作品。

 

フュージョンが流行った頃、自分はパンク~ニューウェーブ系を夢中で聴いていた。なので、フュージョンにはまるで興味がなく、ウェザー・リポートも聴いてない。ジャコに対する特別な思い入れもない。が、この映画は観てよかった。改めて今のいい音でウェザー・リポートも聴いてみようと思えた。

 

これまで点でしか知らなかったことが線として繋がり、ジャコの天才性がよくわかった。そして晩年の悲しさは、観ていて辛くもなる。

 

レッチリのフリー、ブーツィー・コリンズ、スティング、ジョニ・ミッチェル、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、カルロス・サンタナらがジャコについての証言をし、受けた影響を語る。とりわけ子供のように無邪気&手放しでジャコを称賛するフリーと、重要なエピソードを話すジョニ・ミッチェルが印象的だった。

アーティストにインタビューした際の事務所やレコード会社による原稿チェック。チェックが必要なのはわかるし、場の雰囲気に任せて発言してしまったもののやっぱり文字にして出したくない…ということがあるのも理解できる。それはいい。でも、意味すらも変わってしまう「言い回しの修正」「言葉自体の修正」を、1~2箇所じゃなく何箇所も入れてくるのは本当にやめてほしい。臨場感がなくなるし、文脈も変わっておかしなことになる。

 

書き手としては当然その対象のキャラ的な部分も踏まえ、それが読者にちゃんと伝わるよう注力して文を組み立てているわけだが、結局そういうつまらない修正をしてくる担当者は、アーティストのためによかれと思ってしているようでいて、実はそのアーティストの言葉の個性を自分が殺してしまっていることに気づいてない。読者がどう感じるかにも思いが及んでない(文章は読者のためにあることを全く理解していない)。また、そのアーティストが読んだら「こんなふうに言ってないのに」と思うかもしれないわけで、つまりそれによって筆者への信頼も揺らぎかねないわけだが、担当者はもちろんそんなことも気にしちゃいない。そういう配慮も言葉のセンスもない担当者にあたると心底がっかりする。腹が立つし、酷く落ち込む。

 

「チェック」と「改竄」は違う。編集者は「チェックをしてください」と頼んでいるわけであって、「好きなように文を変えてください」と言ってるわけではないということを、レコード会社や事務所の担当者には理解していただきたい。

 

こちとら20年以上インタビューの組み立て仕事をやってきてるのだ。プロのライターをもっと信頼してほしいと思う。

 

2016年12月10日(土)

 

新宿武蔵野館で、『ジムノペディに乱れる』。

 

芦那すみれの透明感と猫のような気まぐれさからくる色香の不思議な同居。岡村いずみのどこかふてぶてしい可愛さ。女優陣はみんなよかった。が、板尾創路は『私の奴隷になりなさい』の演技と一緒。演技の幅が狭いなぁと感じずにはいられない。

 

行定勲監督らしさがどういうものわかるほど氏の作品をたくさん観ているわけではないが、それでも「らしくなさ」というか「なんか無理してる」感が出ちゃってる気がした。お洒落さと荒々しさのバランスがどっちつかずで、笑わせたいのかマジなのかわからない場面も少なくなかった(人のおかしみを伝えたいのは理解できるのだが…)。

 

日活ロマンポルノが再始動しての第一弾作品。

昔よく見てたロマンポルノはもっとギラついていたものだが、それらにあったガツンとくるパワーがない。そのあたりの継承は次の塩田明彦監督作『風に濡れた女』や園子温監督作に期待したい。

 

ところで武蔵野館、リニューアルしてキレイになってましたね。

 

 

 

2016年12月9日(金)

 

渋谷WWWで、Reiのワンマン。

 

ベース、ドラム、それに前半数曲ではキーボード(GLIM SPANKYでも弾いてるgomesさん)も入ってのバンド編成で、尖りと膨らみのある演奏をたっぷりと。ワンマンだけあって、インストアやフェスなどではあまりやらない、じっくり聴かせるスロー曲やサイケがかった曲なども演奏。これまでのライブとはだいぶ違う組み立て方で多面性を示していた。

 

gomesさんとふたりだけでの曲も中盤にあり、そして後半は盛り上がり曲をぶっ続けで繰り出して「BLACK BANANA」で最高潮に。いやぁ、しびれた。あんなかっこいいギターを弾く23歳女性がほかにいますかって話。

 

2016年12月8日(木)

 

渋谷クラブクアトロで、the peggies。

 

前回のclub asiaでのワンマンからわずか数ヶ月でまたさらに進化した印象。音響のいいハコであるゆえ、3人の演奏の迫力がずばーんと伝わってきた。3人ともめちゃめちゃ演奏力がアップしてるね。グルーヴが凄いの。かっこいいロックバンドだなぁと改めて思いました。で、そんなthe peggiesは、来春いよいよメジャーデビューするそうな(どっからデビューするんだろ?)。素晴らしいですね。そのタイミングでちゃんと話を聞きたい!

 

2016年12月4日(日)

 

昨日ようやく『この世界の片隅に』。音がかなり重要だと聞き、立川シネマシティの極上音響にて。(うん、確かに音重要)。

 

能年玲奈(どうしても“のん”とは書きたくない)の圧倒的な天才性。プロのどんな声優さんでもあの感じは出せなかっただろうから、彼女を起用したことが全てだろう。アキではなく、ここで彼女は1000パーセントすずだった。

 

68という限られた劇場での封切だったそうだが(観た人たちの声で現在は82館に拡大。因みに『君の名は。』は296館で封切りされた)、順番としてまずは日本全国の町々で公開されるべきで、そのあと世界に輸出されることが望ましい。また近い将来には例えば学校教材になることも相応しい、とも思える。

 

100年先まで残る、所謂「不朽の名作」であることを、1回観ただけで確信できる映画はそんなに多くない。だからこれは数十年に1度の作品と言うことができる。

 

にも関わらず能年ちゃんの元の事務所の関係でNHK以外の地上波は真っ当な扱い~宣伝をしてないそうで(しても能年ちゃんには触れないそうで)、それはつくづくどうかしてるわけだが、しかしそれでも作品そのものの力でSNSと口コミによって広がり、こうしてヒットしているのだから、僕たちは絶望することはない。そうしたメディアの弱腰とマーケティングの空虚さを思うだけだ。

 

少し時間を置いてもう一度観に行こう。

 

2016年11月30日(水)

 

新宿TOHOシネマズで、『ストーンズ オレ!オレ!オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ』(一夜限りのジャパン・プレミア上映)。

 

予想を遥かに上回る感動的なドキュメンタリー。これは一夜と言わず、せめて1週間限定とかで劇場公開すべき。Bru-ray~DVDで観るのとでは全く印象が異なるはずだ。

 

“あの”キューバ公演の実現がいかに奇跡だったのかがよくわかる作品。そしてあのタイミングでしか実現しなかったということも今ならわかるわけで、その意味でもなんとも言えない気持ちになる。カストロへの言及もあるが、そのカストロはもういない。開催時期に関して重要な鍵を握っていた“登場人物のひとり”、オバマの政権も終わった。時代は変わったんだといった言葉があったが、そこからまた時代は変わったのだ。

 

南米のストーンズ・ファンの思いの熱さが素晴らしい。南米各国のたくさんの人がストーンズを観て泣いていた(わけてもアルゼンチンの通りを走る車中のミックを目にすることができたことでしゃがみこんで泣いていたおっさん、よかった!)。キースもどっかの公演でファンの熱い思いに感極まっていた。厳しそうなストーンズの女性マネージャーまでもがキューバ公演の実現に泣いていた。観ている僕もやばかった。そして映画が終わると、ハンカチで涙を拭っている人が何人もいた。

 

劇場でストーンズを観ると、必ず「ストーンズ最高」の思いが増幅される。さらに、またさらに増幅される。ああ、もう一度この作品を劇場で観たい!