循環器内科医の健康広場 -3ページ目

循環器内科医の健康広場

医食同源。食と、医療、健康、ダイエット、、、に関することが主なテーマです。

おはようございます。布施淳です。

日々、なんとなく使っている言葉も、実はその意味を良く理解していない、ということがあります。


先日「 critical thinking 」という言葉を再考する機会がありました。日本語訳は「批判的思考」となることが多いです。

この言葉も、なんとなく使ったりしますが、良くわかっていないものの1つです。


「批判」というと、否定する、非難する、反対する、攻撃する、というネガティブなイメージがあるように思います。「批判的思考」とは、そのようなネガティブな、攻撃的な思考かと考えてしまうこともあろうかと思います(自分はなんとなくそう感じていました)。


スーパー大辞林では、


クリティカル critical(形動)

① 検討を加え,評価するさま。批判的。「―な態度をとる」

② きわめて危ない状態であるさま。危機に瀕しているさま。重大な。危機的。「―な局面を迎える」



「critical thinking」には、この①の「検討を加え、評価するさま。」がより合致する意味合いでしょうか。


でも「批判的思考」という訳がスタンダードです。そして、その「批判」という言葉も、奥深いようです。


Wikipediaによると、


批:事実を突き合わせる

判:見分け定める


であり、「批判」という言葉は、本来否定や非難という意味を持たないそうです。目から鱗です。

ただし、「批判」の定義も論者によって様々、という記載もあります。


そのwikipediaによると、批判的思考のガイドラインなるものが記載されています。へえ。

Wadeら

  • 問いをたてる。
  • 問題を定義する。
  • 根拠を検討する。
  • バイアスや前提を分析する
  • 感情的な推論(「私がそう感じるから真実である」)を避ける。
  • 過度の単純化はしない。
  • 他の解釈を考慮する。
  • 不確実さに堪える。

Lefton

  • 利用可能なもの、最初の思いついた答えに固執しない。
  • あまりに早く一般化しない。
  • 楽な解決に固執しない。
  • 最初の答えに合致するような決定に固執しない。
  • 一部の利用可能なアイデアや前提の検討だけに終始しない。
  • 感情的にならない。
  • もともともっている考えに固執せずに、オープンになること。


確かに、「批判」に抱きがちな、否定する、非難する、反対する、攻撃する、というネガティブなイメージは全く感じられません。


手元にあった積ん読本(笑)


クリティカルシンキング (入門篇)/北大路書房
¥2,052
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にも記載ありました。

クリティカル(批判的)には、しばしば、人の主張あるいは作品の欠点や不備をあら捜ししてけなすというニュアンスが含まれるのだが、もともとはそういう意味ではない」(引用)


買った本は読まなきゃですねー笑。


「批判的思考」は自分なりには、「思い込みや、バイアスに影響されず、ゼロベースで、より客観的に考える」ということと理解しました。


前回のblog記事「代替医療をバッサリ!」で触れた


代替医療解剖 (新潮文庫)/新潮社
¥907
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も、代替医療に対し「批判的思考」を駆使していると言えます。決して、非難しているということではありませんよね。


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おはようございます。布施淳です。

代替医療とは「通常医療の代わりに用いられる医療」です。→参考:wikipedia

現在の日本でスタンダードな医療といえば「西洋医学」ですが、その限界や、医療不信の風潮もあり、代替医療は花盛りです。

しかし、その効果は期待できそうなものから、眉唾ものまで様々、、、という感じですが、この本はほぼ全ての代替医療をバッサリ切っています。


代替医療解剖 (新潮文庫)/新潮社
¥907
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前書きにはこうあります。

「われわれがこの本を書くことにしたのは、真実を知るためである。代替医療の真実を教えようと語る本はすでに多数出版されている。しかし本書は、厳正さ、根拠の確かさ、利害関係のなさという三つの点で、それらのいずれよりも高い水準の内容を提供できるものと自負している。」


公正な立場の人間が「科学的に」その効果を評価しています。

この本で取り上げた代替医療は、鍼、ホメオパシー、カイロプラティックス、ハーブ療法


そして結論は、


 「いずれも今日の医療研究の水準に適うような科学的根拠に裏づけられてはいない。効果はあったとしても微々たるものでしかなく、結果に一貫性がない。(いくつかのハーブ薬を別にすれば)同じ病気に対する通常医療と同等の効果をもつものはひとつもない。有効性の多くはプラセボ効果。」

 
 

自分にとって、鍼治療は割と 身近であり、その効果を実感したことは度々あるのですが、この本による分析では、科学的にその効果を証明できた質の高い研究はほとんど無いということです。


WHOが鍼治療の有効性につき2003年に発表した報告書も「衝撃的なまでの虚偽誇張があった」としています。

「WHOも認めた鍼治療」というWHOの権威を借り信頼性を高める表現をしている鍼灸師は少なくありません。人は権威に弱いですからね。しかし、「権威」を鵜呑みにしてはいけないことも、この本は教えてくれます。


代替医療を受けて、一見効果があるように思えるものは「プラセボ効果」に過ぎないという結論です。


代替医療で最も危惧されるのが、代替医療を受けることで、科学的に有効性が認められている医療を受けるチャンスが失われてしまうケースです。


極論言えば、手術すれば完治できる可能性が高いのに、高額なツボを買ってお祈りするとかいったケースです。


代替医療の「専門家」は、その自分の取り組んでいる「医療」を盲目的に信じている傾向があるように感じます。肯定的な意見も、否定的な意見も、すべて聞き入れた上で治療の適用や実践の可否を判断できると良いですね。


患者として、代替医療を受けるのは本人の自由ですが、あくまでも、現在のスタンダードな医療と並行して「補助的な」治療として受けることが重要かと改めて認識致しました。


科学的に有効性が認められた医療を「否定」した上で、代替医療を勧められるケースがあるとすれば、大きな危険が潜んでいる可能性があります。


自分も「鍼治療」に関しては、個人的にpositiveな思いはあるのですが、上記本の記載や、「鍼治療」の限界を認識しつつ、今後も活用していこうとは思います。


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おはようございます。布施淳です。


自分は内科医(循環器内科)ですから、日常的には心臓と中心とした内科疾患しか診ません。

内科的な急病人の対応、突然の心肺停止あるいはそれに準ずる重病人の救急対応には慣れていますが、例えば怪我人、外傷の対応は全くしていません。



病院の外で、例えば、交通事故の場面に遭遇して目の前に人が倒れていたらどうしましょう。

目の前で、なんらかの外傷を負った人に遭遇したらどうしましょう。

駅の階段から転げ落ちて、全身強打してしまった人に遭遇したらどうしましょう。



医師だったら、誰でもそのような場面での対応は慣れているだろう、、、、とお考えになる方も少なくないと思います。

しかし、全くそんなことはありません。

「いやいや、、、自分は内科医だから、対応むりむり、、、、」とか苦笑。



平成25年の厚生労働省「人口動態統計」では、日本人の死亡原因はがん、心臓病、肺炎、脳卒中、老衰、そして第6位が「不慮の事故」です。「不慮の事故」には、窒息、交通事故、転倒転落、溺水といったものが含まれます。不慮の事故による死亡者は 年間3-4万人ほどであり、問題は、その傷病者が相対的に若年層が多いということです。19歳以下の若年者では外傷を含めた「不慮の事故」が死亡原因の第1位です。子供も含め、将来の社会を担う存在、また現在働き盛りの人、そのような人が、命の危機にさらされることが少なくないということです。


80歳の急性心筋梗塞患者の救命も大事ですが、やはり、若年層の命を守ることは、社会にとってより重要です。

いずれにしても、医師・医療従事者なのですから、内科医であっても外傷患者のごく初めの初期対応くらい出来ていたいものです。


ということで、全く不慣れな外傷の対応に少しでも慣れるべく、こんな教育プログラムを受講してみました。


JPTECプロバイダーコース 

http://www.jptec.jp/procourse.html


JPTEC1


これは、本来救急隊の初期対応の教育プログラムです。交通外傷などなんらかの事故によりけが人が生じ救急要請がなされた場合、救急隊として現場に駆けつけたときにどのような初期対応をするか、ということを学ぶシミュレーショントレーングです。


内科医にとっては、全くアウェイな環境です笑。


救急車とはいえ、病院外ですから、医療機器の設備は限られています。その限られたリソースで、患者の危険度を推し量り、ごく簡単な適切な処置をしつつ、適切な医療期間へ迅速に搬送する、ということをシミュレーションします。


採血や超音波検査、レントゲン、、、様々な検査機器が当たり前のように揃っている病院内の環境に慣れていると、それらが全く使えない事故現場での対応は難しいです。五感を使って傷病者を評価するという、医療従事者としてごく基本的なスキルを思い返す良い機会となりました。また、普段、救急隊からの搬送を病院で待機している立場ですから、現場での救急隊員の苦労を理解するという意味でも良い機会となりました。



外傷は、何よりも「予防」が大事。事故を未然に防ぐ体制作りのほうが極めて重要です。

とは言っても、絶対に「ゼロ」にはできませんから、少しづつでも今後も学んで行こうかと思います。

もう自分はいい歳になってきていますが、それでも、学びたいことがたくさんたくさんあって困ります笑。




JPTEC2





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おはようございます。布施淳です。


心臓や大血管の病気は、時として「突然死」を来たします。


急性心筋梗塞は心臓の血管(冠動脈)が閉塞し心臓が虚血に陥る病気です。心室細動という致死的不整脈が生じたり、心破裂が生じたり、突然死は珍しくありません。1分前まで元気に会話していたのに、目の前で突然卒倒、死亡したりします。


急性大動脈解離は大動脈の壁が裂ける病気です。血管が破裂したり、心臓の周りに血液が溜まって心臓を圧迫してしまったり(心タンポナーデ)して突然死したりします。


病院に行く間もなく病院前で亡くなる方もいれば、なんとか入院出来たけれど、治療の甲斐なく入院中亡くなってしまう方もいます。


そんな感じで、比較的突然に病気になったり、亡くなったりという方に接する機会が多いです。そんな患者の家族、親族、知人らの悲しみの場面や、涙にもよく遭遇します。


全然話は違いますが、芸能人や著名人の訃報も、時々メディアが報じます。家族や知人、友人らの悲しみのコメントが発表されることもしばしば。つい最近も若くして亡くなった方の報道がありました。。。



そのような場面や報道、コメントを見るたびに、思い出したように「死を意識する習慣」の必要性が頭を巡ります。



心臓血管疾患や進行癌など重症な病気にかかった人はそうでない人よりも死亡する確率が高いです。


高血圧や糖尿病の人、喫煙者なども、そうでない人よりも死亡する確率が高いです。


一見健康であっても70歳を超えてきたような高齢者は、若年者よりも死亡する確率が高いです。しかも、年々その確率は顕著に上昇してきます。


若くても、全く病気がなくても、怪我や事故を含め突然死亡してしまう確率はゼロではありません。

それは、他人のみならず、自分にも当てはまります。



自分が突然死ぬ確率はどの程度でしょうか。

自分の家族や、友人、身の回りにいる親愛なる人たち、その人たちひとりひとり、死ぬ確率はどの程度でしょうか。

絶対、死なない、なんてことはあり得ません。

1年後かもしれません、10年後かもしれません、明日かもしれません、1時間後かもしれません。



自分が死んだ時に、困ることはありますか?

自分の家族が死んだ時のことを想像すると、どうですか?

自分の親愛なる人が死んだ時のことを想像すると、どうですか?



基本的に「死」は必然ですし、長い目で見れば全員「 死は必然、死亡率100%」です。「死」は特別なことではありません。それがちょっと遅いか、早いか、だけです。

人類数千万年の歴史、地球46億年の歴史、宇宙138億年の歴史、を考えると5年10年50年100年など大差ありません。



家族や親愛なる人らの死に遭遇した時の気持ちは、前もってどのような意識付けをしておくか、どのような覚悟を前もって持っているか、ということで全く異なってくると思います。「死」のシミュレーションを行うということです。突然の死は、想定外ではなく、想定内のことという意識。

死に遭遇した時に、ただただ悲しみに打ちひしがれる、ではなく、もっと前向きな意識を持ちやすくなるのではと思います。


また、このように「死」を意識すると、今、生きていることの価値感が向上し、一瞬一瞬を大事にするようになると思います。家族や親愛なる人たちと過ごす時間や機会もとても貴重に思えてきます。


お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。


【参考】

「会えるのは今日が最後」の意識

http://junfuse.com/141204lastday/

家族で「死」について話し合って下さね!

http://junfuse.com/150217/


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おはようございます。布施淳です。

ラグビーW杯で日本代表が、強豪南アフリカに勝ちました。




「奇跡」とか、「大金星」「歴史が変わった」「歴史的大事件」とか、様々な表現でメディアは伝えています。

世界中の誰もが、おそらく予想していなかった勝利だと思います。エディージョーンズHCも終了後のインタビューで「信じられない。。。」と言っていました。

個人的にはエディーには平然とした表情で「想定内の結果です」くらい言ってほしかったと思いましたが、まあ、それくらい、誰にとっても、衝撃的な結果だったということです。


ラグビー好きの人は、ここ数日、試合の録画映像やYoutubeでの映像など繰り返し繰り返し見て、そして繰り返し繰り返し泣いていることでしょう笑。



ラグビーは番狂わせが少ない競技として有名です。実力が結果にそのまま反映される傾向が強いわけです。

今回「勝利」したことに、もちろん「運」もあったでしょうが、接戦に持ち込んだということは日本代表の「実力」以外のなにものでもありません。強さの要因は、いくつかありますがマニアックになりすぎるのでここでは書きません。ただ、監督、スタッフ、チームの4年間の努力の賜物であることは間違いありません。



さて、日本代表30人のうち10人は外国出身です。試合のポイントとなるところで、その外国人の個のパワーが発揮されていることは事実かと思います。今回の試合でも随所にそのような場面は見受けられましたし、象徴的なのは最後の逆転トライです。


右端のラックからバックスに展開し、マフィがスピードとハンドオフのパワーでマークをずらし、ヘスケスへパス。

ヘスケスは、やはりそのパワーとスピード、そして、強力なタックルに耐えうる強靭な体幹力と前傾姿勢でゴールに飛び込みました。

日本人の軽量なバックスでしたら、最後のタックルで外に弾き飛ばされ、ゴールラインに達することができなかった可能性もあるのではないかと思います。



このような外国人出身選手が混じっていることは規定内であり、他国でもよくあることではありますが、それには賛否あります。

日本は単一民族国家ですから、特に抵抗感を感じる人が多いということはやむを得ませんし、自分も以前はそうでした。


ただ最近は、日本のグローバル化の一端と解釈すると悪いことではない、と思うようになりました。



少々関連したことをこの本から学びました。



年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学/プレジデント社
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「国が繁栄するか衰退するかは、その国の頭脳集積地の数と実力にますます大きく左右されはじめる。物理的な工場の重要性は低下し続け、その代わりに、互いにつながり合った高学歴層が大勢いる都市が、アイデアと知識を生む『工場』として台頭するだろう。
ハイテク産業と製造業では、地域の雇用に与える影響が三倍以上も違う。
アメリカが世界の国々から最高レベルのソフトウェアエンジニアを引き寄せてきたのと異なり、日本では法的・文化的・言語的障壁により、外国からの人的資本の流入が妨げられてきた。その結果、日本はいくつかの成長著しいハイテク産業で世界のトップから滑り落ちてしまった。」

(青字は引用)

少々、カテゴリーは異なりますが、共通した部分は少なくなく、日本のラグビーレベルを底上げするためには、多彩な人材との融合が効果的なのではないかと思います。このような「海外の人材」を受け入れることに抵抗感がなくなることで、様々な面で日本のグローバル化を促進する一つのきっかけになればよいかとも思います。



そして大事なことは、今回の日本代表の外国出身選手たちは、「日本人」ということです。彼らは、肌の色や母国や国籍が異なっても、魂は「日本人」です。Japan wayを貫いています。心が繋がった同志、そんな彼らを心から「日本代表」として受け入れることに、抵抗感はありません。



そして、世界のラグビーファンも、そんな日本代表を受け入れ、興奮しまくっています。試合の映像のみならず、それを観戦していて興奮している世界中のラグビーファンたちの姿も刺激的で見ていてあきません笑。




世界を揺るがす日本代表に、これからも期待します。