おはようございます。布施淳です。
自分は内科医(循環器内科)ですから、日常的には心臓と中心とした内科疾患しか診ません。
内科的な急病人の対応、突然の心肺停止あるいはそれに準ずる重病人の救急対応には慣れていますが、例えば怪我人、外傷の対応は全くしていません。
病院の外で、例えば、交通事故の場面に遭遇して目の前に人が倒れていたらどうしましょう。
目の前で、なんらかの外傷を負った人に遭遇したらどうしましょう。
駅の階段から転げ落ちて、全身強打してしまった人に遭遇したらどうしましょう。
医師だったら、誰でもそのような場面での対応は慣れているだろう、、、、とお考えになる方も少なくないと思います。
しかし、全くそんなことはありません。
「いやいや、、、自分は内科医だから、対応むりむり、、、、」とか苦笑。
平成25年の厚生労働省「人口動態統計」では、日本人の死亡原因はがん、心臓病、肺炎、脳卒中、老衰、そして第6位が「不慮の事故」です。「不慮の事故」には、窒息、交通事故、転倒転落、溺水といったものが含まれます。不慮の事故による死亡者は 年間3-4万人ほどであり、問題は、その傷病者が相対的に若年層が多いということです。19歳以下の若年者では外傷を含めた「不慮の事故」が死亡原因の第1位です。子供も含め、将来の社会を担う存在、また現在働き盛りの人、そのような人が、命の危機にさらされることが少なくないということです。
80歳の急性心筋梗塞患者の救命も大事ですが、やはり、若年層の命を守ることは、社会にとってより重要です。
いずれにしても、医師・医療従事者なのですから、内科医であっても外傷患者のごく初めの初期対応くらい出来ていたいものです。
ということで、全く不慣れな外傷の対応に少しでも慣れるべく、こんな教育プログラムを受講してみました。
JPTECプロバイダーコース
http://www.jptec.jp/procourse.html
これは、本来救急隊の初期対応の教育プログラムです。交通外傷などなんらかの事故によりけが人が生じ救急要請がなされた場合、救急隊として現場に駆けつけたときにどのような初期対応をするか、ということを学ぶシミュレーショントレーングです。
内科医にとっては、全くアウェイな環境です笑。
救急車とはいえ、病院外ですから、医療機器の設備は限られています。その限られたリソースで、患者の危険度を推し量り、ごく簡単な適切な処置をしつつ、適切な医療期間へ迅速に搬送する、ということをシミュレーションします。
採血や超音波検査、レントゲン、、、様々な検査機器が当たり前のように揃っている病院内の環境に慣れていると、それらが全く使えない事故現場での対応は難しいです。五感を使って傷病者を評価するという、医療従事者としてごく基本的なスキルを思い返す良い機会となりました。また、普段、救急隊からの搬送を病院で待機している立場ですから、現場での救急隊員の苦労を理解するという意味でも良い機会となりました。
外傷は、何よりも「予防」が大事。事故を未然に防ぐ体制作りのほうが極めて重要です。
とは言っても、絶対に「ゼロ」にはできませんから、少しづつでも今後も学んで行こうかと思います。
もう自分はいい歳になってきていますが、それでも、学びたいことがたくさんたくさんあって困ります笑。

