循環器内科医の健康広場 -4ページ目

循環器内科医の健康広場

医食同源。食と、医療、健康、ダイエット、、、に関することが主なテーマです。

おはようございます。布施淳です。

先日、自分が属する職場の採用試験があり、そのお手伝いをしました。


一言でいうと、初期研修医の採用試験です。受験 者は20代を中心とする若者らが主体です。

「筆記試験」、「面接」、「ディスカッション」等で合否が決まります。


自分は「ディスカッション」部門担当の1人でした。

「ディスカッション」の試験とは、受験者5-6人グループで一つのテーマについて約20分間議論します。

その議論のやりとりで採点する役割でした。採点項目のポイントはいくつかあるのですが、公開しておくのは控えます。


自分が拝見した5グループ、約30人の受講者たちを見て、一番感じたこと。

「 総じて、女性のほうが、コミュニケーションスキルが高い」

ということでした。特に非言語コミュニケーションが上手です。

発言するときの表情や身振り手振り、そして他の人が発言しているときの傾聴する姿勢。

うなづいたり、笑顔を作ったり。



男性にもその辺りのスキルが高い人も勿論いるのですが、とても低い人はやっぱり男性陣です。

女性は平均的に、みな高めです。

その非言語情報により、ディスカッションの場を良き雰囲気にする力があります。互いにコミュニケーションが取りやすくなります。



話す内容に関しては、男女に大きな差は感じませんし、男性も女性も、鋭い発言をする人はいます。

せっかく良い意見や思いを持っているのに、言語・非言語コミュニケーションスキルをうまく使えずに、損をしている男性が多いと感じました。



以前も女性の優秀さについて、何度か触れました。例えば、、


「男性は強くあるべき」は単なるパラダイム

女性のコミュニケーションスキルを学ぼう


「女性の時代」と言われて久しいですが、なんだかんんだと言っても、特に日本では、今なお男性中心の社会であることは否めません。



しかしながら、物作り産業から情報産業への移行など、社会構造の変化により現代は、頭脳労働が主で、かつコミュニケーションスキルが重要になってきています。気配りや繊細さ、緻密さ、会話力、共感性、、このような能力が重要な時代です。



なおかつ、少子高齢化により生産年齢人口は減少しています。税収を確保するためには、家庭に入ってしまっている女性を社会に進出させる必要があります。国としては、女性にどんどん社会に出て、税金を払ってもらいたいわけです。それを促すような制度も制定されました。

女性活躍推進法 (厚生労働省HP)

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産業の変化、物から情報、日本の環境、少子高齢化、、、、、様々な社会の変化。

そして、女性自身も活躍を志すモチベーションの高い人が増えていると思います。


環境、ニーズ、意識向上、、、多くの要素が、「女性の活躍」にベクトルが向いています。

今後、「本当に」女性が活躍する時代がくるかもしれません。

男性中心であった長い人類の歴史の一大変換点、パラダイムシフトとも言える時代となるでしょう。

いよいよ、本当の女の時代の幕開け、と考えます。



そんなことを感じさせる、入職試験の一風景でした。




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おはようございます。布施淳です。

しつこくタクシーネタです苦笑。

http://junfuse.com/150918/


タクシーAMI


タクシー運転手は長時間労働です。

またまた、ここからの抜粋です。

自動車運送事業に関わる交通事故要因分析検討会報告書(平成25年度)


タクシー職種別年間労働時間


営業用自動車運転者の労働時間は全産業平均よりも長く、経年的に大きな変化はありません。バスや大型貨物の運転手よりはまだましのようですが、タクシー運転手もやっぱり長いです。



さて、一流医学雑誌のLancetについ最近発表された論文。

Long working hours and risk of coronary heart disease and stroke: a systematic review and meta-analysis of published and unpublished data for 603 838 individuals

Kivimaki M, et al. Lancet. 2015 Aug 19.



欧州を中心とする25件の研究のメタアナリシスで、約60万例のデータ解析です。

結論を言うと、長時間勤務は、脳卒中や心臓病のリスクが高まる傾向が認められました。

この研究では標準労働時間は35~40時間/週としています。 すなわち1680~1920時間/年ほどです。

55時間以上/週の長時間労働で、心臓病のリスクが13%、脳卒中のリスクが33%上昇しました。

労働時間が長くなるにつれ、そのリスクが高まる傾向がありました。

55時間/週は、すなわち2640時間/年ほどです。上記グラフからすると、タクシーはそれを下回っていますが、標準労働時間ははるかに超えています。



このように最新の研究においても、長時間労働と脳や心臓の血管の病気との関連が強く示唆されているわけです。

日本のタクシーを始めとする営業用自動車運転者の長時間労働の不健康さが裏付けられる結果です。


日本は、国際的に労働時間が長いです。上記図の「全産業」もすでに、この研究の標準労働時間を超えています苦笑。


その中でも労働時間が長いタクシーを始めとする自動車運送事業。

安定した収入を得るためには、長時間勤務をせざるを得ないし、夜間業務のほうが時給は高いだろうし、背に腹は変えられないということなんでしょう。


近い将来、google carのような、自動運転や運転手不在のタクシーが出てくることでしょう。そうなると、不健康極まりないタクシー業務は軽減されるかもしれませんが、失業者の増加も懸念されます。うーん。前向きの明るいニュースにどうしてもなりませんね。。。苦笑。




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こんにちは。布施淳です。

昨日の記事。

なぜタクシー運転手は病気になりやすいのか?

http://junfuse.com/150916/


あくまでも、タクシー運転手が心臓病になりやすい、、という臨床医としての「印象」。

感覚的な印象であり、客観的に他の職種よりもタクシー運転手に心臓病が多いというデータは持ち合わせていませんでした。


タクシー


でも、こんなデータがありました。

国土交通省のHP。

自動車運送事業に関わる交通事故要因分析検討会報告書(平成25年度)


脳心臓疾患の労災支給決定件数


常用労働者数からみた脳・心臓疾患の労災支給決定件数です。

全体の、10万人あたりの支給決定件数の平均が0.73件/10万人なのに対し、タクシーなどの道路旅客運動業は2.91と約4倍の高さでした。

(トラックなどの道路貨物運送業はもっと高く、5.20件/10万人でした。)


医療の臨床現場の感覚のみならず、客観的なデータでも、タクシー運転手は他の産業よりも心臓病の頻度が高いことが示されています。


この資料には、道路運送業界の過酷さを物語るデータが盛りだくさんです。

タクシー運転手の道路旅客運送業 の人は、定期健康診断の有所見率が70.8%と、全産業の平均(52.7%)よりはるかに高いとのことです。

また、自動車運送事業者は、労働時間が他産業より長く、平均所得額が低く、平均年齢は高い。。。


大変な仕事です。。。。


試みるべき対策も列記されています。皆様もご一読ください。


道路旅客運送業や道路貨物運送業といった業界には、誰もが直接的にせよ、間接的にせよ、少なからず世話になっているはずです。

そのような業界に従事している方々には、感謝の気持ちを忘れてはいけません。

タクシーを利用するときは、運転手さんに優しく接しようと思います。




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おはようございます。布施淳です。

先日タクシーに乗った時、運転手さんが「タクシー運転手は病気になりやすい」というような趣旨の話をしていました。

循環器医として、激しく同感しました。

中年タクシー運転手が、心臓病になって入院してくるケースは非常に多い印象があります。

なぜタクシー運転手が心臓病になりやすいのでしょうか?


タクシー夜


思いつくものを挙げてみました。


① 運動不足・身体活動不足

② 座位の時間が長い

③ 夜勤のため睡眠時間が不規則

④ 食事が不規則

⑤ 外食が多い

⑥ 喫煙者が多い(印象)

⑦ 接客のストレス

⑧ 安全運転のストレス

⑨ 給料が安い


運動不足・身体活動不足が、心臓病をはじめ様々な病気の原因となることはもはや常識です。運動不足のみならず、座位の時間が長いということでも病気になりやすいことが示唆されています→参考文献。自動車の中でずっと座位の姿勢でいるタクシー運転手はその悪影響を被りやすい職種と言えます。エコノミークラス症候群にも気をつけなければいけません。


睡眠も健康維持のためには欠かせないものです。最低6時間の睡眠時間を確保したいですし、規則正しく夜間に睡眠をとることが推奨されます。理想は22時~2時の睡眠ゴールデンタイムを含めて眠りたいものです。夜間業務のあるタクシー運転手がこれを実現することは難しいと思われます。

睡眠ゴールデンタイムに関連する記事はこちら


生活が不規則ですから、食事も不規則になりがちです。真夜中に取ることも多いでしょう。夜間はもちろん日中も、仕事中の食事は高率に外食になります。外食は総じて塩分が多いです。塩分過剰摂取につながります。車を路駐しつつ食事をとることもあるでしょう。比較的短時間で食べられる食事を選択する傾向があると思われます。結果、ラーメンや丼ものなどが多くなりがち。野菜不足になり炭水化物、脂質過多で、肥満を助長します。動脈硬化も進行しやすいはずです。


最近は禁煙タクシーが主流になってきましたが、それ以前では車内という狭い空間の中で能動喫煙・受動喫煙に晒されている極めて極悪な環境でした。タクシー禁煙化だけでも、運転手の健康状態向上に大きく貢献すると思われます。禁煙化が進んでも、休憩中に路上喫煙をしている運転手もよく見かけます。タクシー業界の喫煙率が高いと推測されています。明確なデータは存在しないようですが、例えば、この程度のデータはあります。ちょい古いのと、元データがありませんので信憑性は今ひとつですが、ざっくりした傾向は一致していますので当たらずとも遠からずと解釈できそうです。

鹿児島県鶴丸交通 喫煙率70%→60%

広島県医師会;運転手の喫煙率は80%!

タクシー運転手の喫煙率はおおむね60%前後


日本の喫煙率はここ10年ほどで40%→30%くらいに減少傾向です。それに比するとタクシー運転手のそれは相対的に高いと推測せざるをえません。



そして、様々な見知らぬお客とのコミュニケーションもストレスの一因となる方が少なくないと思います。タクシー運転手は圧倒的に男性が多い(女性は約2%)です。男性は会話が得意でない人が多いです。→ 参考記事  苦手なことに日々接するのはやっぱりストレスかと推測します。夜間乗せる酔っ払いの乗客なんか、違った意味でストレスでしょう。

さらに、常に安全運転を心がけなくてはいけませんので、これまたストレスです。特に、都内の夜間の運転などは大変でしょう。繁華街でしたら尚更です。

日々のストレスは、精神的、肉体的ダメージを蓄積していきます。


タクシー運転手の給料は高くありません。

所得と平均寿命、健康状態には相関がある、ということは多くの研究で指摘されています。例えば、この本でもその点が言及されています。


年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学/プレジデント社
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この相関には、様々な要素が絡んでいることでしょう。生活習慣や食事、運動、教育、健康リテラシー、、、全て包括している要素かと推測されます。そして、例えば高い喫煙率の高いコミュニティーに属していると、自分も喫煙者になる確率が高い、という面もあります。



循環器医として、最も病気になりやすそうな人をイメージするとすれば、「タクシー運転手、50代男性、独身独居」です。

独身独居と健康の関係については、以前触れましたね。

健康の鍵は「つながり」

http://junfuse.com/140723lonliness/


上記の項目を、ひとつひとつ是正することで、タクシー運転手の健康管理は向上するものと思われます。タクシー会社の産業医の役割も重要と思います。


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こんにちは。布施淳です。

有料老人ホームの入居者に対する、介護職員の暴言や暴力が話題になっています。

転落事件の件もあり、マスコミがタイムリーに話題を取り上げているのでしょう。


都内には裕福な老人が入居する、有料高級老人ホームがあります。エレガントな外観、優れた設備、サービス。お値段もかなり高額のようです。

ネットで検索すると、例えばこんな感じのサイトもあります。

http://kaigo.homes.co.jp/theme/premium/


先日、そのような老人ホームに入居している上品なご老人とお話しする機会がありました。90歳前後ですが、頭も身体もしっかりしていて、趣味も多彩な方です。その方が入居している老人ホームの同じ区画には約60人が入居しているらしいのですが、そのうちちゃんとした会話ができる方が3人しかいないそうです。大多数は、認知症等がひどく、会話にならないそうです。そればかりか、特に男性は暴言を吐いたりするような方もいて、接していると悲しくなってしまうこともある、、、と言っていました。


そのような高級有料老人ホームに入居する際は、心身の衰えがひどくなくとも、入居後ももちろん年を取っていきますから、どんどん衰えて、認知症も発症してくる、とのことです。そしてついには、入居者みな認知症、、、という感じなのでしょうか。。。。

考えてみれば当たり前のことなのですが、一見優雅そうに思える高級老人ホームも、そのような状況なのかと、少々驚きました。

「極上のシニアライフ」なんていうコピーも見かけますが、現実はなかなか厳しいのですね。


病院にも高齢者の入院患者は星の数ほどいます。認知症等で、看護師に暴言や暴力を振るうような方も稀ならずいらっしゃいます。医師にもそのような振る舞いをする方もいますが、やっぱり看護師のほうが犠牲になる機会は多いです。多忙な業務の中、そしてその患者のことを思って世話をしている中、暴言や暴力を振るわれると、仕事のモチベーションは下がるし、時にはカッとくることもあるでしょう。でも多くの看護師は、日々耐えています。


最近、マスコミが報道しているような介護職員による入居老人に対する暴言や、暴力。人材不足で多忙な中、そして夜間勤務もあったりストレスが多い職場環境。そんな中での認知症の方の世話が、いかに大変なことか。しかも給料的にも決して恵まれている職業ではありません。


どんな理由であれ、暴言暴力は決して許される行為ではありません。しかし、必ずそこに至ってしまうプロセスがあるはずです。

マスコミには、介護職員を責めるような報道でなく、そうなった背景・原因を探り、その対策を提案するような姿勢を見せて欲しいと思います。


超高齢化社会に拍車がかかる日本は、介護施設や病院ばかりでなく、家庭をはじめ、至る所で、このような問題が顕性化してくるのかもしれません。