再生可能エネルギー産業フェア...ビッグパレット
今日は「立冬」。名実ともに寒い一日となった。
作業を休ませてもらい、まずは二本松に向かい、母を合流し母の受診のため福島県立医大に向かった。
14時頃に診察は終わり、母を別れ、私はビッグパレットで行われている「第二回 福島復興 再生可能エネルギー産業フェア2013」に向った。
入場が16:20。終了まで40分しかないため、足早に会場を見て回った。
まず、目に付いたのが「福島洋上風力コンソーシアム 」。
楢葉町の沖合約20kmに設置した風車で浮体式洋上浮力発電の実証実験を行う組織だ。
メンバーは東京大学と国内10社が名を連ねている。
風車は「ふくしま未来」と名付けられ、風車の直径は約80m、出力は2,000kwという。
ちなみに、湖南町・布引高原の風車は、32基が同じ2,000kw出力、1基が1,980kwとなっている。 *参考:電源開発㈱
展示されていた模型は、設置の様子がよくわかり、印象が強く残った。
次は地熱発電(参考:日本地熱協会 )のブース、「奥会津地熱㈱/福島地熱プロジェクトチーム」に向かった。
奥会津地熱㈱は三井金属鉱業㈱の子会社で、柳津町で柳津西山地熱発電所を管理している(発電は東北電力)。
福島地熱プロジェクトチームは磐梯朝日国立公園内の磐梯山周辺地域の地熱開発に向けた調査を担当している。
参加企業は10社(出光興産㈱、石油資源開発㈱、国際石油開発帝石㈱、三井石油開発㈱、三菱マテリアル㈱、三菱商事㈱、住友商事㈱、三菱ガス化学㈱、地熱技術開発㈱、日本重化学工業㈱)。
*参考:環境ビジネス「大手10社「福島地熱プロジェクトチーム」、磐梯朝日国立公園での開発調査開始 」(2013年9月25日)
ブースでは、担当者から地熱発電の原理の説明を受けた。
問題となっている“温泉への影響”については、蒸気だまりに(地熱貯留層)に管(生産井)を入れるため影響はないと力をこめて話をされた。
事前に資料を読んでいたため、この説明はよく理解できた。
そして、最後のブースは「常磐共同火力㈱勿来発電所」。
震災後、設備の復旧工事で構内で働いたこともあるため、懐かしくもあった。
このブースの目的はIGCC。
IGCCはIntegrated coal Gasification Combined Cycleの頭文字をとったもので、石炭ガス化複合発電と訳される。
石炭をそのまま燃焼させてタービンを回すのではなく、石炭を特殊な装置でガス化してガスタービンを回し、続いて蒸気タービンを回すため、CO2の排出量を抑えられるばかりでなく発電効率も高まるのだという。
*参考:常磐共同火力㈱ 「IGCCとは 」 「IGCCの特徴 」
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の資料によると、IGCCは三菱重工業の技術で、以下の経緯を辿っている。 *参考:NEDO 実用化ドキュメント
・1983年から技術開発
・1991年、常磐共同火力発電所でパイロットプラントの運転研究を開始
・1996年、運転研究を終了
(この後、三菱重工業の施設で試験を実施)
・2007年、実証プラントを常磐共同火力㈱勿来発電所内に建設し運転試験を開始
・2013年3月、運転試験終了
・2013年4月、実証プラントが商用プラントとして常磐共同火力㈱勿来発電所に引き継がれる
・2013年6月 商用運転開始
現在、日本初の商用運転中で、IGCCの連続運転時間世界記録更新も視野に入っているという。
常磐共同火力発電所ではIGCCの増設も検討されており、福島県が最先端火力発電所の先駆地となる。
洋上風力発電所もそうだが、IGCCの動きにも目が離せない。
*追記(2013年11月14日)
◆福島民報 2013年11月14日付け 紙面より
イーグルス日本一とプロ野球が地域に及ぼす力
東北楽天ゴールデンイーグルスが日本一になった翌日、福島民報も一面で大きく取り上げていた。
プロ野球の影響力の大きさを、改めて思った。
イーグルスが仙台にやってきた2005年、私は福島でどれほどイーグルスが浸透するだろうかと思っていた。
しかし、帰省するたびに郡山駅や周辺で見かけるイーグルスの帽子を被った子どもの数が増え、実家の二本松市内でも見かけるようになった時には驚きを感じた。野球帽といえばジャイアンツが多かったが、イーグルスがそれを追いやり、徐々に浸透してゆくのが分かった。
そして、震災後に福島に帰ってきて、イーグルスが社会の風景の一部になっていることを見て、感心した。
球団の努力もさることながら、やはりプロ野球の力は強大だなと感じた。
週5試合で、毎回2万人以上(人気球団は4万人前後)を集客し、スポーツニュースでは多くの時間が割かれ放送される。新聞も出場選手の当日成績がかならず掲載されている。
高額年俸者は国内のスポーツ界全体で上位を独占し、話題も事欠かない。
この全国ファンから注目を浴びるプロ野球が、東北にある事を心強く思う。
私は、もしイーグルスがなかったら、被災地・東北の姿はまた違ったものになっていたと思っている。
今夜のテレビのニュースでは「イーグルス・日本一」に関する特集が報じられていた。
*出処:KFB(テレビ朝日) 「報道ステーション」本日放送映像より
イーグルスの選手やスタッフは、時間を見つけては、被災地の子ども達を中心に触れ合い、一緒に体を動かしていた。
子ども達が選手とのキャッチボールしたあとで、『将来は...』と未来を語る姿は印象深かった。
イーグルスは、被災地・東北に数々の笑顔をもたらしてくれた。
老若男女問わず、『あっ、イーグルスの選手だ』と近づき、一流のアスリートから元気をもらい、選手に『頑張ってください!』と夢や希望を託した。
その選手達が、震災後努力し続け、3年目にリーグ優勝という最高の結果を被災地にもたらしてくれた。
しかも、球界の盟主・ジャイアンツを破り日本一となった。
その喜びは、本拠地・仙台のみならず東北全域に広がった。
プロ野球だから、ここまで広がりがあったのだろうと私は思った。
...ファイターズの活躍は北海道民を歓喜させ、ホークスの躍動は九州人を熱くさせる。タイガースは関西、ドラゴンズは東海、それぞれの地域に一体感を生み活気づかせている。
プロ野球が地域の人々と地域社会にもたらす力は計り知れない。
北陸や四国にはプロ野球球団がない。沖縄等を含め、プロ野球(NPB)の球団を作るため、4球団拡張を検討することはこれからの日本にとって必要なことでなかいだろうか。
セリーグ8球団、パリーグ8球団にして、それぞれ東西地区4球団に分ける。
地区優勝を決め、リーグ優勝を決め、日本シリーズを行う。
それぞれの地域が盛り上がるのではないだろうか。
イーグルスの日本一で、プロ野球が地域に及ぼす影響を実感した。イーグルスが仙台に来る前、ジャイアンツファンが多かった時にジャイアンツが日本一になった時の様子を知る私にとっては、その差は歴然だった。
地域・地方の時代。その強力な象徴となるプロ野球球団が、北海道から沖縄まで、バランスよく“おらが球団”存在することが必要なのではないだろうか。
イーグルス・日本一で、私はそんなことを考えた。
原発事故の高齢者避難...「介護の日」記念フォーラム
福島県男女共生センターで開かれる「介護の日フォーラム」に参加するため二本松に行った。
霞ヶ公園では菊人形が開かれていて、多くの観光客が行き交っていた。
この霞が城・箕輪門から歩いて5分ほどの場所にある福島県男女共生センターで開かれた「介護の日シンポジウム」。
先日読み終わった「避難弱者」の著者である相川氏の講演があるということで参加した。
プログラムは以下の通り。
・基調報告
「あの時福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?」
講師:『避難弱者』著者 フリージャーナリスト 相川 祐里奈 氏
・シンポジウム
「大規模災害における社会福祉施設の役割とこれからの対応」
シンポジスト
相川 祐里奈 氏(フリージャーナリスト )
三瓶 政美 氏(福島県老人福祉施設協議会 会長 )
秦 千代栄 氏((社福)みしま 特別養護老人ホーム桐寿園 施設長 )
コーディネーター
髙木 健 氏(福島県老人福祉施設協議会復興委員会 事務局長)
相川氏は震災当時新聞記者で金沢支局に勤務していたという。
震災後、南相馬市の原町で取材をし2週間で戻ったが、『取材してほしい』という要望を福島の関係者から何度も受けたという。
その後、新聞社を辞め、国会に設置された福島第一原発事故の事故調査委員会(国会事故調)に調査員とした参加し、事故調が解散した後に著書「品軟弱者」を執筆したという。
講演では著書の内容を元に、話が進められた。改めて、避難当時の混乱と関係者の努力を知る事となった。
シンポジウムで登壇した三瓶政美氏は飯館村の「いいたてホーム」の施設長をされている。「いいたてホーム」は避難せずに残る選択をしたのだが、スタッフに関わる問題に悩まされ、現在も続くという。
入所者は残ったが、職員は全員避難しなければならず、遠く福島市などから車で通わなければならなかった。高齢の職員にとっては負担になっているという事実を知った。
帰還が決まれば、真っ先に老人が戻ってくるため、より人材不足が深刻化するという。
秦氏が施設長を務める桐寿園は、原発事故後、定員を超えて避難してきた方々を受け入れたという。会津で浜通りの同業者を受け入れることなど考えてもいなかっただろうが、混乱の中、施設入所者と避難者の双方に気を配り対応したスタッフの姿に頭が下がった。
県内で施設を運営する二人が強調していたのは、福島県の役割。
震災当時は、避難計画が全く機能しなかった。原発事故という特異性はあったが、残念な結果となった。
介護職員について、いわき市などで不足していて、人材の引き抜きがあるという。自制を求めるなど、福島県にはできることがある。
避難計画の策定では、各社会福祉協議会が作って県が調整するとなっているが、負担は大きい。県が担う部分を増やせないか。
等、様々な意見があった。
全ての自治体に老人福祉施設があり、共有の課題も多い。災害時は他地区の施設を頼る場合もある。広域自治体である県の役割は大きい。
原発事故後に起こった“広域避難”の教訓を活かし、計画の策定にとどまらず、定期的な情報交換や机上訓練などを実施することを、福島県には願いたい。




