放射線の健康影響に関する専門家意見交換会...第三回
今年、第三回(最終)となる「放射線の健康影響に関する専門家意見交換会」に参加するため駅前のホテルに入った。
会場は明らかに今までとは雰囲気が違った。報道陣の数も多い。テーマがテーマだからだろうか。
会場には前双葉町町長の姿も見られ、一般席はほとんど埋まった。
今回のテーマは「甲状腺」。
会の内容は、過去2回と同じ、2つの講演と専門家による意見交換会。
・講演「県民健康管理調査『甲状腺検査』について」
鈴木眞一 氏(公立大学法人 福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座
教授)
・講演「放射線による発がん影響-甲状腺およびその他のがん-」
津田敏秀 氏(国立大学法人 岡山大学環境生命科学研究科人間生態学講座
教授)
・講師、専門家(県アドバイザー、市町村アドバイザー)による意見交換
福島県が行っている県民健康管理調査 の甲状腺検査 では、11月12日段階でがんと確定が26人、がんの疑いが32人と報告(検討委員会)された。
この58人中、放射線の影響を受けやすいとされる8歳以下は1名という事で、『現時点で原発事故による放射線の影響で明らかに増えているとは考えられない』(検討委員会座長)との言葉に、私は安心していた。
鈴木氏の講演では、甲状腺の仕組みや甲状腺にまつわる疾患など図や超音波画像を多用したスライドを用い、分かりやすい説明をされていた。
チェルノブイリに関しては、現在までに医療技術の進歩があり、当時ののデータにこだわってはいけず、この福島で行われている甲状腺の検査(調査)は前例がないものとしてとらえなければならないと話されていた。
同時に、甲状腺がんの検査(調査)は途上にあり、今後について予断と偏見を持たず、必要な準備をしなければならないとも。
また、自信が責任者を務める県民健康管理調査の甲状腺検査について、細かいデータを示しながら、現状を説明。私の理解は深まった。
甲状腺がんと診断されたことについては「検診効果(スクリーニングファクト)」の結果で、今まで行ってこなかった検診をしたがゆえに甲状腺がんが見つかったとの事。
また、5mm以下の甲状腺がんは、寿命まっとうするがん(ラテントがん)という認識も必要とも。
次の津田氏の講演は、講演後の意見交換会で県内市町村のアドバイザーをしている方々(多くは学者)から、氏に対して、発言の仕方の訂正を求めた事に現れている通り、口調に強さがあった。
多くの市町村民と接しているアドバイザーにとって、“言い方”は重要でありデリケートな問題が故の指摘だろうと思った。
津田氏は『そもそも、我々は「あの年齢層に、あのがんが多発した」と認識するので、全がんで「統計的有意な上昇がなかった」と論じても、実際の認識とは乖離てしてしまう』として、感染症などで用いられるアウトブレイク疫学調査のように早い発見、早い対応をしなければならないと、例に食中毒時の対応を挙げられた。なるほどと、おもわず唸った話だった。
また、メディア対応は『情報の混乱を少なくするため』、『人的被害や経済的損失を最小限に抑える目的を達成するため』に必要だとも。
さらに、因果関係原因(暴露)→結果(病気)は直接観察できないため、この甲状腺調査には難しさがあると述べられ、県民健康管理調査の今後を考えてしまった。
「専門家による意見交換会」でも活発な意見や、専門家から専門家への質問など、過去2回では見られなかった光景が見られた。
・有病率と発症率を同列し、比較してはいけな。誤解を招く。
・超音波診断装置の進歩と医療従事者の診断技術の向上で、(甲状腺がんが)見えてしまっているという事実もある。
この二点は特に印象に残った。
甲状腺検査は、子どもが対象で、本人と家族が不安と心配に襲われてしまう。
がん確定や疑いの伝達をどのように行い、アフターフォローは適切におこなっているかなどは分からないが、県には丁寧な対応をお願いしたいと思った。
専門家の方々には、引き続き、平易な言葉で、科学的根拠を強く出し過ぎずに、住民の方々の疑問や心配、不安に向き合って頂きたいと思う。
これは、3回の「放射線の健康影響に関する専門家意見交換会」参加した上での願いだ。
福島で引き起こされた原発事故が健康上にもたらした不安の大きさ痛感した全3回だった。
白河市立図書館
午後からの「意見交換会」に行く前に、白河市立図書館に立ち寄った。
白河駅のホームから見えるその景観に、期待するものがあった。
今まで見た事の無い、どっしりとした、和風ではあるが重厚な構えだと思った。
白河駅から徒歩5分程度。駅を中心とした街づくりの意図を感じる立地だ。
オープンは震災の年、2011年。当初4月30日を予定していたが、建物の被害はわずかだったものの落下した本の整理や施設の点検などを経て、7月24日に無事開所となった。
入り口は木製の自動ドアと内部を見通せるガラス。図書館という解放された施設が優しさとともに表現されていると感じた。「Libran ~りぶらん~」が白河市立図書館の愛称のようだ。
案内板を見ると、1階には「白河市産業プラザ 産業支援センター」と会議室にもなる多目的ホールと小会議室(3室)がある。
1階の「こどもの本」エリアの様子。ガス張りの外壁に囲まれ開放的だ。
2階の様子。
自然光が取り入れられたフロアは、カーペット、書架、椅子に一体感が感じられ、落ち着いて本が読める環境だと思った。
テラス席もある。贅沢なつくりだ。
旧図書館から、以下の変更があったという。
・蔵書:11万→25万冊
・閲覧席:10席→250席
・雑誌:30誌程度→161誌
今回、私も利用したが、2階には電源を取る事ができるPC席もあり、大人も十分に活用できる。
外観、内装、「読む」「調べる」環境、ちびっ子が本に触れる環境など、初めて訪れた印象はすこぶる良かった。
*参考
この施設の建築に携わった業者のホームページ等にに、館内の様子が掲載されています。
○設計:第一工房 「新建築2011年9月号(Youtube) 」
○書架・家具:金剛株式会社
*追記
◆福島民報 2013年12月22日付け一面
...偶然にも、この図書館が「第30回 県建築文化賞
」の正賞に選ばれた。素晴らしい外観と内装、という印象だったため、受賞に違和感はない。おめでとうございます!
最終話...「八重の桜」、ありがとう!
NHK大河ドラマ「八重の桜」が、今夜最終話を迎えた。
*出処:NHK大河ドラマ「八重の桜」 最終話(2013年12月15日放送)
明治維新の激しさと、時代の急激な変化を生き抜いた二人の姿に見入ってしまった。
大河ドラマ「八重の桜」。会津若松ばかりでなく、福島県全体が「八重」に励まされ、困難を残り超える大切さを教えられた。
県民の心に残り続けるだろう。私は忘れない。
振り返れば、当初は別の作品が内定していたが、NHKの判断でオリジナル作品となる「八重の桜」に決めたと聞いている。
まずは、NHKの英断に感謝したい。
そして、このドラマを作り上げた主演の綾瀬はるかさん、西田敏行さんをはじめとする多くのスタッフ、心から感謝申し上げたい。
ありがとうござました!
*参考
◆福島民報 2011年6月22日付け 紙面より
...2年半前、大河ドラマ決定を報じる記事。ここから始まり、今日、一つの終わりを迎えた。
家老だった西郷頼母と八重が語り合うシーン。




