「看護崩壊」...読後感想
“白衣の天使”が酷使されています。
「看護崩壊」(小林美希著/スキー新書) を読みました。衝撃的な内容です。
「医療業界では聖職がゆえに労働基準法という存在すら忘れがちだ」
私たち市民は医療従事者に対して『病気を治すのが当たり前、看護するのが当たり前』と過大な期待をしていないでしょうか?
しかし、医療従事者も私たちと同じ“労働者”で、家庭と人生をもった“市民”です。
その医療従事者である看護師の労働環境が整備されておらず、多くの看護師が辞めてゆきます(参考:日本看護協会 PDF 2008年)。
「出産・育児」の一時的な退職ではなく、看護師免許(国家試験)を持ちながら、復職することがないというのです(潜在看護師)。
ご存じのとおり、看護師は技術職です。経験を積み、自ら学び、先輩からの指導を受け、一人立ちしてゆきます。その看護師が去ってゆき、新卒の看護師が充足され、医療の現場がやりくりされています。
これが、現実です。
不利益を受けるのは、医療を受ける市民と、“持ち出し”で現場を支えている看護師をはじめとした医療従事者です。
これに対して、医療政策を一元管理する厚生労働省は“(看護師数に)不足感はある”と、“不足している”と言わず、役人言葉で問題解決から逃避しています(同省医政局看護課)。
私は埼玉県政に、まず「医師の確保」を求めてゆきますが、同じく緊急性を要した問題として「看護師」の労働環境整備を通して、看護師の離職防止策 、復職支援策の強化に取り組むことを、この書籍を読んで決意しました。
*参考(2月10日追記)
◆越谷市「地域医療を考える市民の会」・・・「奨学金制度創設」(看護師不足対策)
◆埼玉県 医療従事者数・・・埼玉県HP PDF
◆弁護士・有村氏・・・「国立循環器医療センター看護師過労死事故報告書」(2008年2月)
◆共同通信・・・「看護師の過労死を認定」(2008年10月17日)
◆読売新聞・・・「7対1看護基準」(2007年6月12日)
◆日経ビジネス・・・「看護師が足りない!病院間で争奪戦も」(2006年12月11日)
◆厚労省・・・「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会」(2005年4月28日)
◆同志社大学・・・「看護職員の潜在化動向とその要因」(2008年5月)
◆全国大学高専教職員組合病院協議会・・・「国立大学病院の看護師は疲れ切っている」(2009年調査)
◆日本看護協会・・・「特定看護師の制度化・法制化/看護職の労働環境改善 要望書(PDF)」(20101年11月18日)
◆日経メディカル・・・「DPC病院は自分の首を絞めている」(2008年4月2日)
◇ことば「2025年問題」(毎日新聞 2011年1月14日 東京朝刊)
終戦直後のベビーブーム期(1947~49年)に生まれた団塊の世代が2025年には75歳以上となり、社会保障費が急増すると心配される問題。厚生労働省の06年の推計によれば、25年度の医療費は52兆円で、06年度の約2倍、社会保障費も全体で約1・8倍の162兆円に達するとみられる。
川口SKIPシティ 街びらき8周年記念イベント
今日、「自転車桃太郎」の活動終了後にSKIPシティ を訪れ、「8周年記念イベント 」(彩の国ビジュアルプラザ )を見てきました。
思ったほど入場者がおらず、スペースが広いこともあって、閑散としていました。残念です。
まず、2月11日公開の映画「あしたのジョー 」のロケセット(昨年春、B街区に製作)の写真展を見てから、「見学ツアー」に参加しました。
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①「HDスタジオ」 *本日限り一般公開
ここでNHKアーカイブス (毎週日曜日13:35~)の収録が行われるとのことで、4台のHDカメラがありました(施設案内 )。
②「HD編集室 」 *本日限り一般公開
パソコンでのノンリニア編集 や、DVCAMによるリニア編集 の様子を見せていただきました。
③「映写室」 *本日限り一般公開
映像ホール の銀幕に映像を投影する部屋です。2台の35ミリ映写機と4Kデジタルシネマプロジェクター があり、4Kが投影するサンプル映像の質感に驚きました。
過去にNHKで放送された全ての映像と、埼玉県関連2,000本以上の画像などがタッチパネル式の画面で見ることができます。利用は無料です。
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ツアー終了後、本日無料公開の映像ミュージアム を訪れ、一通り見た後「手塚治虫からの贈り物 」展を、少し時間をかけて見学しました。
直筆の漫画原稿(鉄腕アトムやジャングル大帝、リボンの騎士等)からは、作者(手塚先生)の筆跡がわかり、温かさを感じました。必見です。 *写真撮影(接写)は禁止となっています。
全体的にまとまっていて、アニメファンのみならず、誰でも楽しめる空間になっていました。
ここで見学を終了し、SKIPシティを後にしました。
しかし、これだけの施設であり、記念イベントが行われた日曜日の午後にしては、来場者が少ないと思いました。
この施設、県が管理しているため、川口市としては集客には協力していないのではないかと感じました。
というのは、川口駅を見渡したところ、目につく所にに今回のイベントの案内が無かったばかりか、駅からSKIPシティまでの案内図も見当たりませんでした。あったのは寂れた標識だけでした。
初めて川口駅に降り立ち、SKIPシティに行こうと思っても、難儀することは想像に難くありません。
このSKIPシティへの川口市の関わりについて、調べてみる必要があります。せっかくの施設・設備です。上手く利用すれば市にとってはメリットが大きいと思います。
また、埼玉県としても川口市と協働で、SKIPシティの活性化を考える必要があると、私は考えます。
最後は、太郎焼で締めました。
頑張る先生のサポート
昨日、友人の高校教師に会って、話を聞いてきました。
友人は、英語の教師で、37人のクラス(二年生)の担任でもあります。進路指導をはじめ、学校内で多くの役割を任され、部活動(バスケ)の顧問までしている“頑張る”先生です。
教育問題を中心に、、いろいろな話をしました。
以下、友人の話から。
--------------◇海外留学、青年海外協力隊
教師を続けていると、“これをもっと知りたい(学びたい)”、“リフレッシュしたい”という考えになり、海外留学や青年海外協力隊への参加を検討した。
しかし、青年協力隊では“現職身分を保持したまま”であるため、渡航先が限定されてしまうなどの制約があり、また何より勤務先の学校から『(留学のため)抜けられては困る』と言われ、断念。
まだ希望は持っているが、“抜けた穴”を埋める対応を学校側が積極的とってくれることは望めず、諦めているのが現状。
◇教育実習(文科省、Wiki )
現行の教育実習は2~4間で短い。講義中心で、“現場の実際”を経験することなく終わってしまい、大学卒業後にいきなり現場に放り出されてしまう。自分の教育実習でも、修了時に受け入れた学校の教頭先生から『これが(教育の)現場と思わないでほしい』と言われた。
たとえば、教育実習を「1年間のインターン(Wiki ) 」として制度化するなどはどうか。
もし、この“1年間の教育実習”が実現されれば、産休や留学などで長期休養する教員の技術的“穴埋め”ができるのでは。あとは、生徒指導(文科省 、Wiki )をどうするか?
*文科省は「教育実習の1年上乗せ 」を検討していましたが、今年度の法改正手続きを断念しました。 →関連法:教職員免許法 、教職員免許法施行規則
◇副担任制
教員一人当たりの負担が増えている。やる事が多く、毎日残業は当たり前。
この業務を分担するため教員でなければ難しい。教員の事務は、生徒指導などが絡む、単なる事務作業ではないから(たとえば、学校事務職員(Wiki )に分担させることは難しい)。
そうなると「副担任」を充実させる事が必要。在籍している高校でも副担任制を採っているが、複数のクラスを掛け持ちしていて、業務を分担できないのが現状。
◇スクールカウンセリング(文科省 )/スクールカウンセラー(Wiki )
生徒指導では『教員のレベルを超えているのではないか?』という出来事に遭遇する場合がある。
たとえば、生徒個人に帰結する問題ではなく、そこに家庭環境が深く関与している場合。母親が生徒の行動に関与し過ぎてしまい、生徒が自信を失い、学校生活にも馴染めなくなり、不登校に陥る。父親は精神論を主張し、益々生徒を追い詰めてしまう。
この場合、いくら教師が頑張っても、限界がある。このような事例で『スクールカウンセラーに相談してみては』ということがある。
しかし、スクールカウンセラーは在籍する高校に一カ月に一回来校するだけ。この派遣期間を短くするとか、常勤にするなどの対策が必要。
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この話を通して感じたのは、今の教育現場には人員の増強が必要、ということです。今回は高校教師の話でしたが、小中学校の現場にも当てはまるのではないかと考えています。
制度を変え、現在の人員体制の中で最適化しようとしても、教師は技術者でもあるので、簡単に配置転換できるとは考えられません。やはり、新しい人員を増やすしかないのでは、というのが今の私の考えです。
“頑張る先生”の持ち出しで現場が保たれている、現在の現状を改善するために人員を増やす。そして、教師が生徒に向き合う時間を増やし、教育本来の姿に立て直す必要があると思います。
*参考資料
◆青年海外協力隊「現職教員特別参加制度」・・・文部科学省HP
◆海外青年協力隊・・・公式HP / JICA(国際協力機構)・・・公式HP
◆中央教育審議会・・・「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(諮問) 」
◆読売新聞 記事・・教員免許の更新制「継続」…文科省 (2010年9月17日)
◆産経新聞 記事・・・教員免許更新制で大量失職? 政治の影響大の学校現場 (2011年1月31日)
◆朝日新聞 記事・・・教員の1割、残業が過労死ライン 月80時間超、愛知県
(2011年1月8日)




