厚生労働省福島第一原発従事者住所確認センター
夕方、作業中に電話があった。
電話の主は「厚生労働省福島第一原発従事者住所確認センター」のオペレーター。
緊急作業の労働者として登録していた住所が埼玉県川口市だったため、厚労省から発送した“登録証”が返送されてしまったとの事。
現在の住所を確認し『再発送させていただきます。今後、無料で健康相談ができますので、ご確認ください』と電話が切れた。
私が連絡を受けられたのは雇用主が書類を東電に提出したためと思われる。
私は4次請け企業に所属していましたので、当然な事とはいえ、4社の対応に感謝した。
『連絡が取れない』『連絡先が分からない』
国が労働者の健康管理をしようとしたところ雇い主からこのように返答があったのをよく聞く。
様々な事情が想像できる。
どうしても高額な日当が必要だが、素性は明かせなく偽名や偽住所で働いた作業員。
累積被曝線量が限度に達してしまうと他の原発でしばらく働けないと考えた作業員。
そして、何らかの理由で作業員の素性は明かせないと偽名・偽住所を東電に知らせた雇用主...など。
大切な事は、3基もの原子炉がメルトダウンした現場を必死に収束させた作業員の健康管理。
連絡が取れなかった作業員が、健康に不安を訴え『元作業員だ』と名乗り出る事も出るだろう。
その時に、確実に“拾う”、“漏れこぼさない”運営を関係者には求めたい。
解体される旅館と奥土湯
路線バスの運賃で「移動コスト」を考える
土湯温泉での生活は続いている。
だが、福島市内の除染も、積雪で中止が続いている。
今日も作業は中止だった。
私は福島市内近郊の大型電気店に向かうため、土湯温泉から路線バスを利用した。
座席に座り、景色を眺めながら、時折運賃ボードに目をやった。
どんどん上がってゆく。
目的地まで13km。運賃を調べずに乗った私は、500円ぐらいだろうと思っていたが、停留所を過ぎる度に上がってゆき、目的地手前でその500円も超えた。
結局、料金は760円。往復で1,520円となる。
JRで郡山~安子ヶ島間が11.8kmで240円、郡山~磐梯熱海間が15.4kmで320円。この感覚に慣れている私にとって、この金額は驚きだった。
東京ではタクシー以外での移動費は200~300円台で済み、気を遣う事がなく、目的地での行動を考える事に専念できた。
しかし、移動に500円以上かかるとなると、『移動するかしないか』を考えてしまう。
私が今回利用している土湯温泉にも日帰り入浴施設がある。気軽に行ける環境が整えば入浴客も増え、温泉街に活気が出て、それがもたらす波及効果も期待できる。
福島市も車社会ではあるが、市民全員が車を持っているわけではなく、高齢者の中には運転を避けたいと思う方もいる。
移動のコストが下がり、気軽に行ける場所や思い立ったら行ける場所に200~300円で行けるのであれば、交流人口が増え、目的地での消費が発生し、目的地周辺での雇用の場も生まれる可能性がある。
土湯温泉という福島市内から近い場所で、移動費760円が掛かったことで、私はこんなことを考えた。








