土湯温泉
郡山の雪は融けるめどが立たず、作業は止まったままだった。
そこで、会社は他の地域で作業が可能な場所を探し、福島市内の現場を見つけた。
私は夕方、明日から福島市内での作業に備え、宿舎となる土湯温泉に向かった。
土湯温泉には、おそらく小学生の時、子供会の行事で来たことがあったと思う。もう、30年以上も前の事だ。
温泉街は写真やTVニュースで見ていたために、その街並みは印象そのままの姿だった。
宿舎は、温泉宿の従業員が使う部屋。私の部屋は4人相部屋だった。
温泉を貫く荒川は、温泉街全体に心地よい川の音を響かせていた。
宿舎の露天風呂にも聞こえてきていて、風呂に入るのが楽しみになった。
ただ、人通りの少なさには、少々驚いた。
夜、荒川の両岸に浮かんだ美しい温泉街には、人が行き交う気配がなかった。
“福島の温泉は飯坂と土湯”
私は幼い頃からそのように聞かされ、育ってきた。
故郷の岳温泉から国道一本で行ける土湯は、飯坂より身近な温泉でもあった。
その土湯の現実を、初めて知る事になった。
震災の実害、風評を乗り越え、土湯温泉が魅力に違わず集客できるようになることを願いたい。
ビッグアイの夜景と鉄道模型
今日も、積もった雪が解けず、作業は中止。
生活が懸かっている作業員にとっては死活問題となる天候が続く。
私は、午後駅前に行き、夜にビッグアイを訪れた。
22階に上がると、「がくとくん」が出迎えてくれた。人形だったが...。
階上、23階にあるプラネタリウムは、『地上で一番高いところにある』としてギネスに認定。恥ずかしながら、初めて知る事実だった。
...外に目を向けると、素晴らしく美しい夜景を見る事ができた。
私は新宿の東京オペラシティで働いていた事があり、何度か53階のレストランから夜景を見た事がある。その時も夜景の美しさに感動したが、このビッグアイからの夜景は、別の美しさがある。
放射状に伸びる道路を流れる車のヘッドライトだ。
オペラシティ周辺は街灯やネオンが多く、車の流れはあまり目立たない。
しかし、駅周辺の繁華街を超えた場所に広がる住宅地を抜ける道の車の様子をここビッグアイから見る事ができる。
日中、喫茶店などで「ぼぉ~」っと人の流れを見続けると癒される事があるが、それと同じ事が、このビッグアイから、夜景という煌びやかな光景とともに体験することができる。
この夜景を見ながら、酒をゆっくり飲み時間を過ごせば一日の疲れがリセットされるのではないだろうか。まら、酒を飲み交わせば普段とは違った会話が生まれるのではないだろうか。
しかし、残念ながら、そのような施設はここにはない。
レストランはずっと階下、5Fになってしまう。
非常にもったいない。
ビッグアイの20~24階にある「スペースパーク」は教育・研修施設ということもあり、その転換に困難はあろうかと思うが、このロケーションは貴重で、大人を十分に楽しませてくれるものであることは間違いない。
...さらに、22階には素晴らしいものがあった。
「Nゲージ・鉄道ジオラマ」
ジオラマは、明治時代の郡山駅周辺の様子を再現しているという。
精巧で臨場感あふれるつくりで、私はしばらく見入ってしまった。
私が鉄道好きであるということを除いても、一度は鉄道に心躍らせたことのある男子にはたまらない"逸品"だろう。
郡山には「JR東日本 仙台支社 郡山総合車両センター」があり、毎年「郡山車両基地まつり 」が行われてる。
郡山は"車社会"ではあるが、東北本線・磐越西線・磐越東線・水郡線・東北新幹線が交差する鉄道の要所で、鉄道とは縁深い。
ならば、この「Nゲージ・鉄道ジオラマ」は、プラネタリウムの一隅ではなく、メインとして表に出すことを考えてもよいのではないだろうか。
これだけ精巧だと一見の価値はあるし、ジオラマ内を走る車両に小型カメラを取り付け、運転席から見える風景をディスプレイに表示すれば、より『見たい!』という人も増えるかもしれない。
また、親子でジオラマを作れる企画をしたり、ジオラマをパーツ分けして、グループで作ったものをつなぎ合わせ、そこで車両を走らせる。この制作を土曜の午前開始、日曜の午後完成→試走とすれば、親子の滞在時間が伸びるだろう。
全国にいる、鉄道ファンに対しては、楽しめる企画がもっと考えられると思う。
「Nゲージ・鉄道ジオラマ」は大人も存分に楽しめる。
地縁がある場所に、文化は根付くと私は思う。
このビッグアイの「Nゲージ・鉄道ジオラマ」を表舞台に出し、郡山に「Nゲージ・鉄道ジオラマ」文化を広め、集客する。
この構想を実現させる力がビッグアイ「Nゲージ・鉄道ジオラマ」にはあると感じた。





