8月11日、第106回全国高校野球大会は1回戦4試合が行われ、第3試合に島根県代表の島根県立大社高校が兵庫県代表の報徳学園と対戦しました。報徳学園は2年連続選抜大会準優勝の強豪で、今大会でも優勝候補の一角とされており、大社高校は32年ぶりの出場で、傍目には報徳優勢との観測がありましたが、大社は1回表の攻撃で、タイムリーヒットと敵失で2点を先行、7回に追加点を取り、エースの馬庭投手が1失点で完投して、昭和36年以来63年ぶりの勝利をあげ、甲子園に「宇迦の遠山雲低く」で始まる校歌を響かせました。大社高校の石飛監督は勝利インタビューに「選手の力は無限大」と答えていますが、緒戦はパリオリンピックの女子レスリング50キロ級で圧倒的な実績をひっさげながら、まさかの敗北を喫した須崎優衣選手に象徴的なように、慎重さが硬さになり、受け身に回った途端、相手の勢いに押されてしまうことは珍しいことではなく、大社ナインの臆せずに立ち向かう姿勢が勝利を呼び込んだもので、次の諫早創成館高校との2回戦が楽しみです。ところで、世界の200以上の国や地域、難民の選手団が世界中から参加したパリオリンピックはが閉幕しました。日本は、レスリングや柔道、体操、フェンシングなどに加えてスケートボードやブレイキンなどのニュースポーツ、馬術や飛び込み、近代5種などに歴史的な快挙もあって、金20、銀12、銅13の合計45個のメダルを獲得し、アメリカ、中国に次いで3位となりました。参加したすべての選手の皆さんの健闘をたたえるとともに、次の開催都市・ロサンゼルスに向けた新たな歩みに期待したいと思います。

 

島根県は、7月9日からの大雨による被災家屋の補修や生活再建に必要な家電製品や家具の購入費用、生活機能サービスや雇用維持に欠かせない中小企業の事業継続などを支援するため、7月30日付で総額37,940千円(制度融資にかかる債務負担行為171,250千円)の補正予算を知事専決しましたが、出雲大社と日御碕を結ぶ県道大社日御碕線の中山池内における大規模崩落によって不通となっている路線について、地権者の協力と土木工事関係者の努力によって7月31日には緊急車両の通行が可能となり、8月3日からは生活機能の維持に必要となる燃料輸送や医療介護などの指定車両を追加し、8月11日からは日御碕地区の住民が使用する車両と災害発生時に日御碕地区に残置されていた観光・宿泊客の車両を指定車両として通行を許可すると出雲市から発表されました。今回の通行路は鉄板や仮設土嚢を敷設した仮設道で、警備員が24時間体制で誘導・監視をするとのことで、一般車両の通行はできませんが、民家の敷地内や農地の使用を許諾していただいた関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。今後は、県道の応急復旧、本格復旧に向けた取り組みが加速するものと思いますが、半島部にとって、複線の動線確保が孤立解消の要諦であり、国、県、市の連携によって1日も早い道路啓開と複線化の実現を期待します。

 

 プロ野球で選手、監督として活躍した野村克也監督は 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉を残していますが、その出典は、江戸時代に肥前平戸藩の藩主で、心形刀流の達人であった松浦静山の随筆集である「甲子夜話」の中にあると言われています。278巻におよぶ著述には、その時々の政治や外交、軍事、市井の逸話、風俗など20年間にわたる幅広い出来事が書かれており、「剣談」として取り上げられる文章は、『予曰く。勝に不思議の勝あり。負に不思議の負なし。問、如何なれば不思議の勝と云う。曰く、道を遵び術を守ときは、其の心、必ず勇ならずと雖ども勝ち得る。是の心を顧るときは則ち不思議とす。故に曰ふ。又問う。如何なれば不思議の負なしと云ふ。曰く、道に背き術に違へれば、然るときは其負疑ひ無し、故に爾に云う、客の伏す。(私は、『勝つときには不思議の勝ちがある。しかし、負けるときには不思議の負けということはない』と客に言った。客は『なぜ不思議の勝ちと言うのか』と質問をしてきた。私は『本来の武道の道を尊重し教えられた技術を守って戦えば、たとえ気力が充実していなくても勝つことができる。このときの心の有り様を振り返ってみれば、不思議と考えずにはいられない』と返答した。そうすると客は、『どうして不思議の負けはないと言うのか』と質問してきた。私は『本来の道から外れ、技術を誤れば、負けるのは疑いのない事だから、そう言ったのだ』と答えた。客は恐れ入って平伏した)」とあります。 負けの因子を徹底的に消滅させる不断の努力が成果を得る瞬間をつかむ秘訣とする教訓は、「敵に負けない態勢をつくって、勝てるチャンスを待つ」という孫子の兵法の基本です。日本選手の活躍が続いているパリオリンピックも後半戦に入りました。WEBには日本選手に不利な判定を云々する書き込みが数多く見られますが、『怠ける者は不満を言うが、努力するものは目標を語る』で、いまひとつであった競技の選手諸君には、新しい目標に向かって、捲土重来を期してほしいものです。