12月10日、11月定例県議会は文教厚生委員会が開催されました。健康福祉部、病院局、教育委員会の所管事項の審査および調査では、健康福祉部で、平成26年10月1日現在で県内の保育所待機児童が松江市、出雲市、雲南市などで129名となっていること、認定こども園への移行希望調査で、回答した402施設中移行希望数が101施設に上ったこと、県内の婚姻状況調査で、25才~29才の未婚率が男性66.2%、女性54.4%、30~34才が44.6%と29.5%、35~39才が33.9%と18.9%、40~44才が27.1%と13.8%で、生涯未婚率も男性19.84%、女性7.48%の実態があり、平成25年度の年間婚姻数は2992件と初めて3000件を下回ったことなどが明らかにされました。病院局では、平成26年上期の病院の運営状況の速報と11月1日より県立中央病院で、病床再編により45病床を減じ、救急部門に看護師の重点配置を行ったことなどが報告され、教育委員会では、鰐淵寺の仏像や鏡像など5件40点を11月28日付けで島根県指定文化財に指定し、国の文化審議会では、中国電力匹見発電所など3つの発電所について国登録有形文化財に登録するよう文部大臣に答申されたこと、今年度の古代歴史文化賞の詳細などが報告されました。

 12月9日、県議会の文教厚生委員会は岡山県の瀬戸内市にある長島愛生園を訪問、視察しました。長島愛生園は1930年にハンセン病の患者を治療する目的で作られた国の施設で、現在300人近い入所者が療養生活をしています。藤田園長は概要説明で「入所者のハンセン病は完全に治っており菌のある人はいないが、発病後に末梢神経が侵され、知覚麻痺、運動障害が生じたための後遺症による障害のある人がほとんどで、平均84歳となる高齢もあって、病気や体の不自由さが増している」とし、「らい予防法が廃止された後も入所者が故郷や家族のもとに帰ることができないのは、世の中のハンセン病に対する偏見・差別があり、1930年代から都道府県が主体となって行った『無らい県運動(癩病患者を摘発し癩病患者施設に強制収容させて県内から癩を無くそうという目的で行われた社会運動)』と国の隔離政策の継続が、国民のハンセン病に対する誤解を助長したことは否めない事実だ」と日本のハンセン病対策の歴史について詳しく解説しました。また、施設の現状について「現在、愛生園など国内にある13の国立療養施設では、現に入所しているか、または、過去に入所した経験を有する者のみを対象に、介護と介助、後遺症の治療、そして高齢化に伴う老人性疾患の治療などを行ない、療養者の生活を国が保障するという『ハンセン病問題の解決の促進に関する法律』の趣旨を実践している」と述べました。この日に参加した議員や県庁の幹部は29名で、愛生園内の施設を見学後、慰霊塔に献花・拝礼を行いました。

 人口減少対策が島根県の最重点課題とされ、その対応戦略に「子育てがし難い大都市圏から子育てがしやすい田舎に若年、子育て世代を移住させる」とするプランが掲げられました。そこで、少子化対策の柱となる子育て支援施策について平成26年度の当初予算ベースで、島根県と東京都を比較してみると、意外や意外、島根県の3億5百万円に対し東京都は413億6千万円で、135倍強のとてつもなく大きな「格差」があることがわかりました。平成25年度の出生数は島根県5,534人に対し東京都が109,986人、平成26年10月1日の推計人口で18歳以下の人口は島根県の114,452人に対し東京都は1,918,638人です。若年層1人あたりで比較すると東京都の予算は島根県の8.1倍となります。施設整備に要する土地の取得価格などがありますから、単純比較はできないとしても、市町村が実施する子育て支援事業や保育所の待機児童対策、仕事と家庭の両立支援、乳幼児医療費助成などの内容は、豊富な財源を基盤とした東京都の給付水準に島根県が大きく後れをとるもので、溝口知事が掲げる「住みやすい地方の先端県しまね」というコンセプトを実現させることは容易ではありません。智恵を絞り、地域戦略として「何をどうする」のかを具体的に示す平成27年度予算の内容が注目されます。