平成3年に平田市議会に議席を得て、地方議員となってから4半世紀(25年)が経過し、県議会の生活も14年目を迎える。島根県の人口は減少を続けており、山村、漁村では過疎・高齢化によって集落の存続が危機的な地域も出現しており、政策的な支援を求めている人々に政治の光が当たるよう行動しなくてはと思っている。
国は「地方創生」として、大都市圏に集中した人や企業などを地方に分散させ、都市部に比べて子育てや居住環境が整っている地方で出生数を増加させたいとする国家戦略を掲げ、地方自治体にその対応方針となる総合戦略の立案を求めた。島根県を含めて県内市町村のほとんどは昭和40年代から継続的に人口定住対策を重点課題に掲げて種々の対策を講じてきたが、人口の大都市圏流失は止まず、今なお、過疎・高齢化は進行し続けている。司法の要請による緊急避難的措置にしろ、参議院の合区に顕著な人口減少地域に大きな不利益となる対応などの近視眼的な政策の実施は「地方早世」となるおそれがあるだけに、国には法律の裏づけのある長期の支援や財源措置を求めたい。
「丙申」生まれの小生は、本年6回目の年男で還暦。平均年齢が80を超える現在では少し様子が異なるかもしれないが、一昔前なら隠居の年齢である。自らを律する心構えを説く言に「射有似乎君子(射は君子に似たる有り)」とある。矢を射て的をはずした時に「どこに問題があったか」と自省する態度がまさに君子の姿勢であると教えたもので、言外に、不都合なことが起きるとその因を他人のせいにする様をいさめており、老成を意識しながら身を処する年にしたい。
12月28日、松江市の島根県市町村振興センターでJAしまね主催による「TPP影響試算説明会」が開催され、島根県内の農業関係者など150名が参加しました。政府は先ごろTPPによる日本の農林水産業への影響を約1兆円とし、国内対策を講ずることによって3000億円程度にまで圧縮できるとする試算を公表しましたが、この日は「異議あり」とする東京大学の鈴木宣弘教授の分析を聴講しました。鈴木教授によると、TPPの発効によって、島根県では農業生産額は東日本大震災前の2010年の実績から約108億円の減少となり、6800人余の就業者減が予測され、農林水産業全体では約158億円、就業者で8200人余のそれぞれ減となるとの予測を示し、流通や販売などへの波及額は229億円に達するとの見通しを述べました。さらに、遺伝子組み替え作物や残留農薬、BSE対策、ISDSなどによる健康や環境の問題が曖昧にされており、「合意内容についてきちんとした説明がなければ、受け入れてはならない」と強く警告しました。TPPについてはその功罪について様々な意見がありますが、日本が、経済発展が著しいアジア・中東地域の成長を取り込むためには貿易や資本の自由化は避けて通れないことも事実です。しかし、国民の健康や自然環境さらには生態系への懸念は経済の論理とは一線を画す必要があります。そのためには、何よりも「目先の利益にとらわれない賢い国民・賢い消費者」である必要があり、今こそ「食育」の充実が求められていると感じました。