英国はレファレンダム(国民投票)で欧州連合(EU)離脱を選択した。キャメロン首相は2013年の総選挙で「スコットランドの独立」と「EU離脱」を問う2つのレファレンダムを公約して勝利したが、いずれも「否決できる」と目論んだ投票結果は予期せぬものとなり、独立は辛うじて阻止できたが、離脱は避けられなかった。
「住民が主役」であるからには住民意思の尊重は政治の一丁目一番地である。しかし、例えば「増税や年金、医療給付の引き下げの是非」についてレファレンダムで決めるとすれば、ほぼ「非」とされるに違いない。だからこそ、為政者や議会には、時に『民意に逆らう決断』が求められ、国や地域の将来に対する責任を果たす大きな役割が与えられているのではないだろうか。
日本では参議院選挙の真っ最中である。政権を担い、中国艦船の尖閣侵犯に対峙した経験を持つ民進党は、国防の重要性や日米同盟の必要性を知りつつも安保法制を「戦争法」と揶揄する政党と結び、年金・医療・介護の制度崩壊を煽るが、目前の選挙を意識した所作には政治家の矜持と誇りは欠片も感じられず、とても共感を呼ぶとは思えない。
「政治家は『住民の半歩前を行け』」と言われる。それ故に、政治家には、不人気な政策で、たとえ選挙で不利となっても、住民にその必要性を辛抱強く説き、理解してもらうための徹底した努力が求められるのであり、住民もまたそうした政治家の出現を待っているのである。
英国のキャメロン首相は、国民を納得させる地道な努力を怠り、自らの打算に負けてしまった。結果責任は大きく舛添知事同様、退場願うのみだが、その代償は余りにも大きい。
旧平田市漁協の理事で、永らく河下地区稼人組合の世話人をつとめた長廻昇(ながさこ・のぼる)さんが6月23日に急逝されました。行年74才。昭和16年12月生まれの長廻さんは、豪放磊落で親分肌の性格の一方で細やかな気配りを欠かさない人で、若い頃から、昭和鉱業鰐淵鉱業所に勤める一方で、名人級と称された「幟丸」を操っての機船漁業で儲けたお金を豪快に使い、武勇伝も数多く残されています。
一本気で、「こうと決めたら、とことんやり切る」という長廻さんの支援もあって、小生は平成15年4月に県議会に歩を進めることが出来ました。小生の携帯の着信記録には午前6時30分前後の「長廻昇」が何本もありますが、「磯焼けで藻場が消失し、藻類、貝類の漁獲量回復なしには、一本釣り漁家経営は難しく、漁村の担い手となる後継者は顕われない」とする5月定例会の質疑を報告し、島根半島周辺の調査状況や藻類の増殖実験の経過、29年からの漁場整備の見通しなどについて、知事や農林水産部長の答弁や国の平成27年度補正予算で措置されたTPP対策を説明したのは、つい先日のことでした。
「カシカメが食べたい」という小生のために真冬の海に出てハバノリを摘み、朝早く、「ほぅ、食わっしゃい」とニコニコ顔でわが家の勝手口に佇む顔、奥様を「カカァ」と呼び、はにかむ顔、焼酎を飲んで楽しく笑う顔、もう二度と見ることが叶わなくなりましたが、今日までのご高誼に深く感謝するとともに、心から長廻昇さんのご冥福をお祈りいたします。合掌