12月22日、年明けからの通常国会に提案される平成30年度の政府予算が閣議決定されました。財務省によると、平成30年度予算のフレームは、人生100年時代を見据え、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換し、人への投資を拡充する「人づくり革命」と持続的な賃金上昇とデフレからの脱却につなげるため、生産性向上のための施策を推進する「生産性革命」にプライムリーバランスを強く意識し「財政健全化」を図るとするもので、
歳入歳出総額は97兆7,128億円で、地方交付税交付金は昨年並みの水準となっています。歳出の主なポイントは、社会保障関係費については、「経済・財政再生計画」に「目安」を掲げ、高齢化の進展に伴う医療や介護、生活保護などの給付費を圧縮する一方で若年世代の子育てや保育などの給付を拡大させています。公共事業関係費については、生産性向上のためのインフラ整備や防災・減災対策、農家所得の向上と安定を図る観点から農業農村整備事業が増額されました。教育関係費では、新学習指導要領の円滑な実施や学校における働き方改革に向け、学校の指導・事務体制を強化するとし、外交・防衛関係費では、日米、日露関係の強化やインド太平洋戦略などに予算を重点化して戦略的外交を後押しするとされています。島根県関係では農業農村整備の国営緊急農地再編整備事業で出雲市の宍道湖西岸地区に新規事業費2億円が計上され、平成30年度の事業着手が確実となりました。
東芝や神戸製鋼のデータ偽装や大相撲の横綱日馬富士による傷害事件、新幹線の台車亀裂事故など危機管理の甘さから生じる事案が頻発しています。東芝や神戸製鋼は会社の存続に関わるほどのダメージを蒙り、横綱日馬富士は引退に追い込まれました。とりわけ、「のぞみ」の重大インシデントは重大事故には至らなかったものの、「世界に誇る新幹線の安全性」どころか、福島原発に続く「人災」で、世界中から信頼されてきた『日本人の安全に対する認識』を根底から覆すほどの一大事です。「JRの運行技術やダイヤの正確さは世界一」と評価され、事実、多くの日本人はそう思ってきました。しかし、それは、かつて言われていた「原発の安全対策は万全」という認識とどこが違うでしょうか。「新幹線は安全」との過信が、台車に14センチもの亀裂が入った状態で3時間も走り続けた要因であり、「走行中に異変を把握したら、即刻停車をして点検する」という安全マニュアルの無視につながったことは疑う余地のないところです。東日本大震災は私たちに「絶対の安全など存在しない」「事故が起きる」という認識と「被害を最小限に留めるための備えこそ安全対策である」という意識を持たせたはずでしたが、大震災からわずか7年足らずでの失念は、「社会の緩み」の兆候で、大きな警鐘だと感じています。
先ごろ「平成30年度予算編成大綱」とともに「平成30年度税制改正大綱」が発表されました。与党税制調査会(自民党・公明党)で取りまとめされた税制大綱は「個人所得課税」「資産課税」「法人課税」「消費課税」「国際課税」「納税環境整備」「関税」「検討事項」の8章134頁からなるもので、『一億総活躍社会』を実現し、人生100年時代を見据えた社会システム改革に取り組むために、「デフレ脱却・経済再生」と「生産性革命と地方創生」を税制から支援するとしています。平成30年の主な改正点は、基礎控除の引き上げや観光財源確保のための「国際観光旅客税」の創設、給与所得控除の見直し、たばこ税の引き上げなどですが、永年、島根県議会で要望してきた「森林環境税」および「森林環境譲与税」の新設がパリ協定による森林吸収源対策の財源として平成31年度から都道府県と市町村に民有林面積や森林施業者数、人口などの基準で配分されることが明記されました。また、「申告手続きの電子化」や「年金課税」「金融課税」「子育て・事業継承」「医療や役務にかかる消費税」「外形標準課税」「ゴルフ場利用税「18歳成人にかかる課税」などは次年度以降の検討課題とされました。