5月27日、出雲市唐川町で摘みたての新茶を展示・販売する初夏の恒例イベントである「第27回唐川新茶まつり」が開催されました。「お茶の里」と形容される唐川町は、古刹の鰐淵寺に隣接する地域で、14世紀末にお茶の生産が始まり、江戸時代に「唐川番茶」が松江藩の特産品とされるなど、古くからお茶の生産が盛んです。朝方のオープニングイベントでは、実行委員長を務めた荒木眞信さんが「今年は、霜の被害もなくお茶の生育は順調で、緑濃い香しい緑茶500㎏、番茶300kgを用意しました。」と述べ、会場となった唐川館周辺の特設テントには、新茶のほかに茶餅、茶そば、茶まんじゅうなどのお茶関連商品や植木、農産品などが積まれ、150人ほどが暮らす50戸の山里は5000人近い人波で終日賑わいを見せていました。一方、島根半島の南側となる国道431号では美保関-出雲大社を駆ける「えびす・だいこく100kmマラソン」が開催され、1000人を超えると思われる多くの参加者が国道脇の歩道を走っている姿(歩いている人もたくさんありましたが、参加者は1700人に上ったようです)を見かけました。平田の市街地で最終のランナーを見たのは午後6時を過ぎており、天気は雲間から陽が差す程度でしたが、気温が高く、マラソン参加者の皆さんには耐久レースのごとき過酷なものではなかったかとお労い申し上げます。
放置された民有林を「森林バンク」に集約する制度創設を目指す「森林経営管理法」が、5月25日の参院本会議で可決・成立しました。施行は森林環境税の創設と同じ2019年4月で、山林所有者に対する森林管理の責務が明確化され、所有者が高齢や不在などを理由に管理できない場合に市町村が管理を受託し、意欲と能力のある事業者に再委託する制度が始まります。現在、木材価格の低迷により林業の収益性が悪化し、放置された森林が災害や地域の荒廃を加速させるケースが増大しており、今回の制度は、森林の所有権と管理(利用)権を分離し、市町村が「経営管理権」を設定し、さらに「経営管理実地権」を設定した業者に委託するというもので、必要な経費は森林環境税が充てられることになります。森林の現状は、所有者の9割が10ha以下で、4分の1が不在、人工林の5割が伐採適期を迎えても間伐や主伐がされないなど多くの問題を抱えていますが、管理にあたる市町村に十分な人材が配置されているとは言い難く、森林台帳の整備や国土調査の進捗等を考えると、当面は、都道府県の関与・支援が不可欠です。森林は二酸化炭素の森林吸収目標達成や水源涵養など多面的機能を有しており、間伐や伐採を怠ると、根付きの悪い「もやし林」が防災機能を弱体化させるだけに、法令と財源の確保によって山村に新しい息吹が現れることを期待するところです。
5月24日、「アメリカのトランプ大統領は6月12日に予定されていた北朝鮮の金正恩労働党委員長との首脳会談の中止を表明」と報道されました。米朝の仲介役とされた韓国の文在寅大統領との米韓首脳会談直後の会談中止表明は、米側が「検証可能で不可逆的な非核化は絵空事」と判断してのことだと思います。核開発に突き進んでいた北朝鮮が平昌五輪を機に対話姿勢に転じた要因は、国際社会の経済制裁に「そうせざるを得ない事態」に追い込まれたからですが、習近平主席との首脳会談で中朝関係を修復し、中国という後ろ盾を得て、微妙に姿勢を変えたと感じます。唐突に見える会談中止報道ですが、米韓首脳会談の冒頭でトランプ米大統領が「われわれは一定の条件を求めている。それがなければ会談は行われないだろう。」と述べており、ペンス副大統領のリビア発言を加味すれば会談中止は織り込み済みとも考えられますが、米朝の指導者はともに海千山千で、本音のところは不明です。しかし、このまま推移すれば、融和の期待が膨らんだ朝鮮半島情勢は一転不安定となり、周到な準備をしないまま仲介役を自任した文大統領と韓国の信頼失墜は免れないところであり、日本海が緊張の海となって、拉致問題の解決が遠のく事態は何としても避けてほしいところです。