放置された民有林を「森林バンク」に集約する制度創設を目指す「森林経営管理法」が、5月25日の参院本会議で可決・成立しました。施行は森林環境税の創設と同じ2019年4月で、山林所有者に対する森林管理の責務が明確化され、所有者が高齢や不在などを理由に管理できない場合に市町村が管理を受託し、意欲と能力のある事業者に再委託する制度が始まります。現在、木材価格の低迷により林業の収益性が悪化し、放置された森林が災害や地域の荒廃を加速させるケースが増大しており、今回の制度は、森林の所有権と管理(利用)権を分離し、市町村が「経営管理権」を設定し、さらに「経営管理実地権」を設定した業者に委託するというもので、必要な経費は森林環境税が充てられることになります。森林の現状は、所有者の9割が10ha以下で、4分の1が不在、人工林の5割が伐採適期を迎えても間伐や主伐がされないなど多くの問題を抱えていますが、管理にあたる市町村に十分な人材が配置されているとは言い難く、森林台帳の整備や国土調査の進捗等を考えると、当面は、都道府県の関与・支援が不可欠です。森林は二酸化炭素の森林吸収目標達成や水源涵養など多面的機能を有しており、間伐や伐採を怠ると、根付きの悪い「もやし林」が防災機能を弱体化させるだけに、法令と財源の確保によって山村に新しい息吹が現れることを期待するところです。