3月31日、令和7年度の政府予算は、参議院で高額療養費制度に関わる再修正が行われ、衆議院の同意を得て成立しました。一般会計の歳出総額は過去最大の115兆1978億円で、政府原案には物価高対策や賃上げ促進など経済の好循環実現に向けた費用を計上したと説明されましたが、衆議院の採決段階で維新が高校無償化の費用、国民民主党が基礎控除の引き上げ、立憲民主党が基金の縮減などを求めて修正を行い、参議院では高額療養費制度の負担上限額引き上げが見送りされました。当初予算案の修正は29年ぶりで減額修正は70年ぶり、参議院での修正は現行憲法下で初めてとのことで、石破首相は。「熟議の国会の成果」と胸を張りますが、予算審議の多くの時間が商品券配布や企業・団体献金廃止などの政治家の行動に関わる問題に費やされたことは残念と言わざるを得ません。自民、公明の与党にとっては予算の年度内成立が政権運営の最優先課題としても、国会は1日も早く「政治とカネ」の問題に決着をつけて、少子化や経済対策、とりわけ高止まりしたコメの価格をはじめ物価高対策、ガソリンの暫定税率廃止、トランプ関税、国防など、国家の重要政策に関わる論議を深めてほしいものです。

 3月29日、島根半島西部の十六島湾岸に立つ2つの小学校の閉校式が執り行われ、150年の歴史に終止符が打たれました。出雲市立鰐淵小学校(松浦和之校長;14人)は、古刹の鰐淵寺の入り口にある学校で、日本一の産出量を誇った昭和鉱山の興隆期には300人を超える児童数がありましたが、鉱山閉山後は大きく児童数が減少したものの、サケの稚魚放流やアサギマダラのマーキング、茶摘みなどの校外学習を通じて地域住民との交流が盛んな学校で、2,675人の卒業生を送り出しました。式典では、飯塚俊之出雲市長の式辞に続いて、卒業生でもある松浦校長は「『つながりTUNAZARUつなげる鰐淵小学校150年』を掲げたこの1年は極めて充実した時間でした」と挨拶し、児童が校長と合作した『ありがとう鰐淵小学校』と題する歌を合唱しました。出雲市立北浜小学校(佐野美保校長;24人)は十六島漁港のなかに存置し、学校水族館やノリ摘み体験など漁業とのかかわりが深い学校で、3,024人の卒業生を送り出しました。記念式典では、市長の式辞に続いて、佐野校長は「汐の香りが心地良い学校の閉校は残念です」と述べ、児童代表の小沢美弥さんが「北浜小の思い出を胸に旅伏小学校でも頑張ります」と挨拶しました。また、両校ともに卒業生や勤務経験のある教員、地域の皆さんが参加して記念行事が開催され、鰐淵小学校では、二期会所属の原夏海さんのコンサートや唐川神楽や獅子舞の上演、北浜小学校では、児童の合唱やひらたCATVで放映された『北浜小学校ニュースダイジェスト』の上映がありました。2つの学校は、3月23日に閉校式が執り行われた西田小学校、国富小学校とともに新年度から新設される旅伏小学校に統合します。

 3月23日、出雲市平田文化館で「飯塚としゆき市政報告会」が開催され、700人が参加しました。出雲市は長岡秀人前市長が「げんき、やさしさ、しあわせあふれる縁結びのまち出雲」をスローガンに掲げ、6つの基本方策と4つの戦略プロジェクトによって交流人口や定住人口の拡大、雇用創出に取り組み、山陰12市の中で唯一、平成27年、令和2年の国勢調査で人口増を達成するなど、大きな功績を残しましたが、令和3年4月に市政を引き継いだ飯塚俊之市長は、市政運営の基本方針を「出雲新話2030」にまとめ、急速に進む少子高齢化や気候変動、AI、DX、GXなどへの取り組みを深化する方針を示し、新型コロナウイルス感染症や相次ぐ豪雨災害に見舞われながらも新たな雇用創出や観光振興などの取り組みによって定住人口17万人を維持してきました。ゲストとして参加した映画監督の錦織良成さんは「私たちが普通に感じている日常は『とても贅沢で貴重だ』ということを感じてください」と挨拶し、飯塚市長は、1期目の4年間を振り返り、「ウィズコロナ、アフターコロナを意識するなかでの市政運営であったが、出雲市はコロナ禍のトンネルを抜けたと感じている。ただ、想像以上の『少子化・高齢化』の波が市域の海岸地域や中山間地域に及んできている」と述べ、今後の市政運営について「1人でも多くの若者が出雲に定着してくれるよう多様な雇用の場の創出を図るとともに市民が誇りと幸せを感じるまちの創造に向けて、しっかりとコンダクターの役割を果たしたい」と述べました。