政府は令和2年度の予算案を閣議決定しました。10月に消費税率を改定した景気対策を盛り込んだ補正予算を合わせると、赤字国債財源とした超大型の財政出動で、一向に財政規律や健全財政などの文言は聞こえてきません。日銀のゼロ金利政策と通貨の量的緩和で、株価や不動産などは堅調ですが、国民が汗して蓄えた預貯金は目減りするばかりで、高齢者が多く、金融市場とは無縁の地方の衰弱は加速度的に進んでいるように感じます。一方で、国は公務員の定年延長と年金支給開始年齢の延伸、高齢者の医療費負担割合の引き上げの検討を開始したと報道されました。遅まきながらですが、高齢者福祉に偏った医療福祉制度を抜本的に見直しすることは、次世代につなぐために極めて大切な社会システム整備であり、道路や河川整備と同じインフラだけに、しっかりとした対応を期待したいものです。島根県にとっては、国会審議を経て省庁の箇所付け発表まで、必要な予算確保に奔走する時期となります。

12月に入って大阪心斎橋の殺傷事件の最高裁判決、埼玉県熊谷市の殺人事件の東京高裁判決、そして新幹線車両での殺傷事件の横浜地裁判決、いずれも無差別極まりない身勝手な殺傷、殺人事件の犯人が「総合失調症」や「心神耗弱」を理由に減刑され、極刑(死刑)を免れたことは、法の規定に従った判決とは言え、遺族や関係者の心情を考えれば、とても納得できないものです。裁判所には、「仇討ち」が禁止されている日本で、被害者に代わって加害者を罰するという権限が与えられていますから、その判断は被害者の心情に寄り添うことは当然です。加害者の人権に配慮することはもちろん大切なことですが、「無期懲役」にバンザイを叫ぶような人を生涯国費をもって留置することが本当に適切でしょうか。さらに、刑期中、更正したと認められれば、出所、釈放される可能性が無いとは言い切れないのです。裁判員裁判制度は国民感情と裁判官の乖離を防ぐために導入されたものですが、極刑の破棄は、裁判官や法律の専門家には理解されても、一般人の感情に反するものです。

 12月17日、島根県議会は本会議が開催され、上程議案(36件)と請願(2件)に対する4つの常任委員会(総務・文教厚生・農水商工・建設環境)と決算特別委員会の審査結果の委員長報告が行われました。討論において、水と緑の森づくり税条例と森林環境譲与税基金条例に関わる3件と、公の施設の指定管理契約に関わる8件に反対とする意見と、日本軍慰安婦の早期解決を求める意見書の撤回を求める請願を採択すべきと意見がありましたが、採決では、すべての付議案件について可決、認定すべきとする委員長報告を了とし、閉会しました。閉会にあたって丸山知事は「人口減少に打ち克ち、県民が笑顔で暮らせる島根をつくることを目標にした『島根創生計画』の内容について丁寧に説明を尽くし、次期定例会にロードマップを示す」とし、「来る年が県民にとって良き年となるよう祈念する」と述べ、中村議長は「令和という新しき御代の始まりは、県政にとっても変わり目の年となったが、議会は常に県民の代弁者としての役割を果たせるよう、新しき年も引き続き議員各位の自重を願う」と挨拶しました。第471回県議会2月定例会は令和2年2月17日からの予定です。