4月20日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策が閣議決定され、総額256,914億円の令和2年度補正予算(第1号)の概要が公表されました。主な内容は、①感染拡大防止と医療提供対策に18,097億円、②雇用の維持と事業の継続に194,905億円、③感染終息後の経済対策に18,482億円、④経済の構造対策に9,172億円、⑤予備費15,000億円などとなっており、4月7日の閣議決定が一部変更され、全国民に対する給付金128,803億円や子育て世帯への給付1,654億円、中小事業者の資金繰りや給付金61,492億円など88,857億円が追加され、同額の赤字国債発行が盛り込まれました。当初、困窮家庭に30万円の現金給付を行うとした生活対策がすべての国民に一律10万円の給付となり、償却資産および事業用家屋に係る固定資産税と都市計画税の減免や法人税の還付などが盛り込まれました。固定資産税は土地や建物に課税される資産税ですが法人税などと異なり、赤字でも課税されるため事業者にとっては重い負担で、今回は業種を問わず、売上げの減少率に応じて減免することが明記され、「法人税」や「消費税」、従業員の給与から預かる「源泉所得税」や「住民税」「社会保険料」などの納税猶予に伴う地方の税財源の補充交付も手当てされています。補正予算は開会中の国会に追加上程され、5月1日までに採決されることが与野党の国会対策委員長で合意されたとあり、1日も早い執行が待たれるところです。  

 新型コロナウイルスの感染は日本全国が緊急事態宣言の対象地域になりました。「今までと何が違うのか」と言う問い合わせには、県知事が住民に対し発する行動制限などが「要請」から「指示」に移行する程度と答えていますが、「新型コロナウイルスの感染に対する警戒レベルを引き上げてください」という極めて強いメッセージです。島根県では4月9日に松江市で初めての感染が確認されて以降、15人がウイルス検査で陽性となっていますが、一昨日まではすべてがBUZZを起点とするクラスターとされており、島根県は徹底した疫学調査でウイルス感染の可能性を追跡して濃厚接触者を特定し、対象となった人に対する検査や外出抑制を要請することで感染拡大を抑制できるとしてきました。しかし、これにはいくつかの前提条件が必要で、1つは『濃厚接触者に対する速やかな検査と経過観察』で、一旦は陰性とされた者が数日経過後に陽転した事実からも一定期間の隔離と数次の検査が必要です。2つには『濃厚接触者の家庭、職場、学校など、関係先への情報提供』で、報道では、BUZZの従事者の子(幼児)が感染者となり、夜間保育施設で濃厚接触者となった者に26人の子どもがあるとのことですから、生活拠点となる関係先への情報提供が不可欠です。残念なことに、現状の情報開示はプライバシー保護の理由から、極めて不十分で、濃厚接触者となっても本人の同意がなければ職場等への情報提供はありません。確かに一定のプライバシー保護は必要にせよ、せめて、緊急事態宣言の発令時には、感染拡大や流言飛語、差別などを防止し、住民が適切な生活行動をするためにも、感染者となった人には行動履歴の開示と関係先への情報提供を義務付ける必要があるのではないでしょうか。

 4月15日、島根県議会の全員協議会が開催されました。会議の冒頭に中村議長と丸山知事が3月26日に急逝した小沢秀多議員に対する追悼の言葉を述べ、島根県の新型コロナウイルス感染に関わる対応などについて報告を受けました。丸山知事は県内は感染が拡大傾向にあるとしながらも、「感染経路が特定されており、大都市地域のように蔓延が懸念されるような状況ではない」とし、「県民の皆様に不要不急の外出を控えていただき、手洗いなど、感染防止につとめていただきたい」と述べ、小村健康福祉部長から感染に関わる検査や疫学調査の状況、新田教育長から県内学校や教育施設の対応状況、山口総務部長から緊急を要する予算執行に対する専決予算の編成などが報告されました。全員協議会終了後の文教厚生委員会ではコロナウイルス感染の検査や医療体制、学校の対応状況について詳しい説明がありました。田原薬事衛生課長は「松江市でのクラスター発生に対して、県は松江市に対して支援チームを派遣して疫学調査にあたっており、患者と関わった濃厚接触者の特定などにあたっている」とし、「『濃厚接触者』とは症状のあるウイルス保有者(患者)と一定時間、接触があった人で、PCR検査で陽性となっても無症状の人は感染リスクが低く、濃厚接触者とはされない」と述べました。委員からは「情報開示が遅く、限定的なことが無責任な情報流布になっている」「県と松江市の連携が取れていないように見える」「近隣の県や自治体との情報共有や検査体制の補完が必要」「感染発覚時の消毒や薬剤調達の実施主体がアナウンスされていない」などの意見があり、田中委員長は「関係部局はもとより、市町村や医療機関と一体で感染防止につとめていただきたい」と述べました。