5月17日、出雲市内のホテルで出雲市認可保育園理事長会(原成充会長)の令和3年度総会が開催され、市内38法人の保育関係者が参加しました。原会長は「コロナ禍のため総会の開催は2年ぶりとなったが、こういう時だからこそ保育園の運営に関わる者と行政の意思疎通が大切だ」と述べ、出雲市こども未来部の佐藤恵子部長から出雲市が令和3年度に実施する保育施策の内容についての行政説明を聴取しました。佐藤部長は、令和3年度当初の保育所入所児童数は58施設で6,075名(待機児童1名)、公立幼稚園は26施設で1,001名、認定こども園は4施設で85名、放課後児童クラブについては50施設で2,394名(待機者29名)の受け入れがあることを明らかにしました。意見交換では、「新型コロナウイルスの学校での感染事例等に対する校区内保育施設への情報提供」や「子どもへの変異株感染による保育職への安全確保の観点から医療・介護職同様のワクチン優先接種」を求める意見がありましたが、佐藤部長は「保健所等から市に感染情報の提供はなく、市が把握する感染情報はマスコミに提供されているものと同程度で、情報提供は難しい」とし、「保育職への安全対策は国、県の方針に倣ったもの」と述べ、「市として国、県へ所要の要請をする考えはないのか」との問いには「自分が答える領域ではない」と、まさに他人事で、がっかりと言うより違和感を感じました。

 5月15日から2日間、島根県では予定通り、聖火リレーが行われていますが、政府は緊急事態宣言の対象地域に北海道、広島県、岡山県を追加しました。新型コロナウイルス感染症対策を検討する政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の議論で変異株のまん延拡大に強い措置を求める声が強く、まん延防止等重点措置実施区域の指定方針が変更されたとあり、有識者会議の面目躍如と言うところですが、マスコミは、政府の方針転換は「チグハグだ」と批判し、五輪の開催に懐疑的な姿勢を強める一方で、代表選考や聖火リレーの様子が大々的に取り上げる姿勢はどうなのかと思います。加えて、オリンピック組織委員会が、大会期間中に競技会場で新型コロナウイルスの感染や熱中症などの対応に日本スポーツ協会公認のスポーツドクターにボランティア参加を求めたところ、予定の倍近い登録があったことに苦言を呈するコメントが紹介されたことは驚きです。1年前、政府が国民1人あたり10万円の給付決定をした折、与野党の政治家、マスコミで「給付より検査体制整備やワクチンの開発を優先すべき」として反対する意見はほとんどなく、国会の議論は接待問題一辺倒だったことなど、どこの世界のことかのごとく、このところ、コロナと五輪の批判の嵐です。昨日、第85回出雲地区春季剣道大会が開催され、コロナ感染防止のため、70人を超える運営役員を要しましたが、市内の小中学生160人が参加しました。東京オリンピックの開会式まで2カ月余。せめて無観客であっても、オリンピック・パラリンピックへの参加を目指し、いのちを削る思いで、超人的な努力を続けているアスリートに活躍の場を提供するため、「少しの我慢」を求めることは「無理・無駄なこと」なではなく、きっと「生きる勇気と喜び」となって還ってくると思うのですが・・・。

 英国型変異株の蔓延によって新型コロナウイルスの感染が過去最多となる地域が続出し、緊急事態宣言は、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に愛知、福岡を追加して5月31日まで延長され、北海道、宮城、神奈川、埼玉、千葉、岐阜、三重、愛媛、沖縄の8道県がまん延防止等重点措置実施区域となっています。対象地域では、飲食店の営業制限やイベントの自粛等が実施されていますが、ウイルスの感染力が極めて強く、感染者の増加に歯止めをかけるためにはワクチン接種が有為な対策であることは1日の感染者数が6万人を超えていたイギリスで2千人を下回る水準まで減少したことが如実に示しています。ところで、新型コロナウイルス感染症は阪神淡路大震災や東日本大震災をはるかに上回る「国難」です。政府は1年分の国家予算に匹敵する対策費を注ぎこみながら、感染者の隔離や医療提供体制に関わる法令が未整備なため、現場と霞が関の対応に大きな齟齬が生じており、それが病床確保やワクチン接種の遅延となっているのは残念です。仄聞するところでは、日本全体の病床数約150万床中、新型コロナウイルス用に確保されているのは5%弱で、人工呼吸器に至っては1%程度しか提供されていないのは「感染症法」の規定が阻害要因で、ワクチンや医薬品についても「薬事法」に開発や臨床研究、承認等における緊急事態に対応する規定がなく、接種についても平時の法令順守が求められるため、「迅速対応は難しい」とのことです。先日の国会の集中審議でこうした議論がされず、感染拡大の責任や休業補償、五輪開催の有無に言及した意見が多かったのはいささか期待外れでした。